「コミック乱ツインズ」2021年12月号(その二)
暦の上では今年最後の「コミック乱ツインズ」誌、2021年12月号の紹介の続きであります。
『仕掛人 藤枝梅安』(武村勇治&池波正太郎)
いよいよ最終エピソードである「梅安冬時雨」も最終回、すなわち全編の最終回であります。前回、思わぬ形で北山要之助が剣士生命を絶たれ、最大の危機を逃れた梅安。もはや敵はなくなったかにも思われますが、しかし白子屋の残党が生き残っている限り、安閑と暮らすわけにはいきません。
かくて、これからは日の当たるところでの人生が待つ小杉さんを江戸に残して、梅安と彦さんは、最後の旅を楽しみつつ大坂へ向かうことになります。
そして二人が狙うのは、一応白子屋の残党をまとめている切畑の駒吉。すっかり江戸での抗争の時に死んだような気になっていましたが、何とか逃げ帰っていた駒吉にとどめを刺さんと、梅安と彦さんは最後の仕掛けに臨みます。しかし相手もそれは当然予想のうち、鉄桶の構えで待ち受ける中に、敢えて乗り込んだ二人を待つ運命は……
かくて最後の戦いを迎えることとなった梅安。その結末についてはここでは触れませんが――そこに至るまでの過程も含めて、ある意味、実に仕掛人の最終回らしい内容と言えるかもしれません。
確かに別れは悲しいですが、しかし物語がはっきりと終わりを告げることにも意味があるでしょう。最後まで迫力あるアクションを描きつつも、漂う物悲しさはまさに「冬時雨」――そんな最終回でありました。
『ビジャの女王』(森秀樹)
蒙古の司令官・ラジンの面白強引戦術によって街の外壁を突破されつつも、砂嵐によって救われたビジャの街。しかしその際に潜入した蒙古兵の一人に、宰相ジファルが接近し――という場面から今回は始まります。
ジファルといえば、己の才覚に絶対の自信を持ち、蒙古侵略のこの危機すら自分がのし上がる手段としようとする男。その彼が何を言うかと思えば、蒙古兵を巧みにおだてながら、機が来ればラジンにブブを引き渡すと渡りを付けようとするではありませんか。
ラジンはこの言葉に半信半疑といった様子ですが、しかしそれ以上に問題なのは、ビジャに墨者が入ったことが、蒙古側に伝わってしまったことかもしれません。
そんな身内の裏切りに気付くことなく、オッド姫はブブの知略にご満悦、ドヤ顔でじいに自慢していますが――はたしてそんな余裕はあるのか。そして姫の父王もいるというバグダードに向かった残りの墨者たちの動向も気になるところです。
(そして墨蝗、ある意味ブブよりも脅威では……)
次回に続きます。
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