« 千葉ともこ「一角の涙」 正義の神獣を戴く男の末路 | トップページ | 鶴淵けんじ『峠鬼』第5巻 鬼に秘められた謎? そして地球で一番高い山へ! »

2022.03.28

『半妖の夜叉姫』 第48話「永遠に続く未来」

 犬夜叉の手を借りて無事借金を完済したもろは。一方、とわとせつなは、殺生丸が届けた反物を仕立てた着物をりんからもらい、父の真意を訝しむ。そこにやってきたもろはは、屍屋に持ち込まれた西国での妖怪退治の依頼を持ちかける。その依頼人とは……

 ついに最終回の今回、麒麟丸を巡る物語は前回でほぼ終了し、その後の三姫たちの姿が描かれることになります。

 冒頭で描かれるのは、氷雪を操る妖怪と戦うもろはと犬夜叉の姿。二人で妖怪退治を始めたのかと思いきや、娘が借金生活者だったのを知ったかごめが激おこの上、犬夜叉に手助けを厳命したのであります(しかもこの借金、返す機会があったのに敢えて残していたと知ったら、かごめがどんな顔をするか……)。さすがに父娘の連携はバッチリで、なかなか強そうだった妖怪もあっさり倒してしまうことになります。しかしこの戦いの最中、相手の氷の息で手を凍らされた犬夜叉が、めんどくせえとばかりに氷の部分をガンガン叩いて砕くあたりが滅茶苦茶らしい感じでありました。
 さて、無事に屍屋への借金を返済したもろはですが、そこに妖怪退治を依頼したいという、どこかで聞いたような声の覆面の若者が現れます。

 一方、りんから新しい着物をプレゼントされるとわとせつな。りんは殺生丸が届けてきた反物を仕立てたというのですが――とわが高かったのではと妙な心配をするのは可笑しい一方で、殺生丸のことだから限度知らずでもの凄い高級品を買ってきそうだよな、という気はいたします。
 それはさておき、今ごろになって父親っぽい顔をする殺生丸に娘たちは不審な顔。そもそも最初から助けてくれればこんな苦労はしなかったのに――というとわの疑問は身も蓋もありませんが、まあ客観的に見れば放置もいいところだったわけで、その辺りの気持ちはごもっともといえます。しかしせつなは一回、とわも精神的に一回死んでいると言われて、私も死んだことあるわよーとあっけらかんと言うりんは、やっぱり殺生丸の奥さんに向いていると思います。(しかも二回死んだしな……)

 さて、何だかんだで着物姿となったとわとせつなのところにやってきたのは、同様に母に仕立ててもらった着物を着たもろは。三人がエンディングと同じ姿になったのはちょっとしたサービスというべきかもしれませんが、殺生丸の真意をいまだに掴みかねている二人に対して、半妖でも強く生きていけるようにするためだよ! と言い切るもろはは、らしいっちゃらしいというべきでしょうか。かなり当たっているのだとは思いますが。
 それはともかく、面白い依頼が入ったからと二人を屍屋に連れて行くもろはですが、そこで待っていたのは、鹿猪と名乗るあの謎の青年。と、ここでさりげなく(?)もろはたちはとわを残して屍屋から出ていき、そして残されたとわは――鹿猪に対して壁ドン一撃! たまらず正体を現したのは理玖――まあ、登場した時から福山潤の声で喋ってるんですから、誰にでも一目瞭然ではあります。

 しかしまあ前回希林理の刃をくらって消滅、しかも本体である麒麟丸も成仏したのに何故? とせつなならずとも言いたくなりますが、その理由が麒麟丸とりおんが魂と魄を分けてくれたから――とまたえらいアバウト。しかし元々が人造生命なので、これはこれでありなのかもしれません。もっとも、どうやら今回は人間(妖怪?)に生まれ変わったようですが……
 何はともあれ、とわにとって理玖も復活したしめでたしめでたし、翡翠の自分への気持ちに全く気付いていないせつな、そもそもそういう話の全くなかったもろはと、三人(と理玖、何故か竹千代)は伊予に向かいます。そこでメインテーマをバックに、もろはが、そしてとわとせつなが襲いかかる妖怪たちの群れをなぎ倒し――『半妖の夜叉姫』、一巻の終わりであります。


 冒頭に述べたとおり、本筋は前回で終わったので今回は一回丸々使ってのエピローグ。正直なところ、作画にあまり力が入っていないのは残念でしたし、本当に後日談という以外ない内容でしたが、理玖が復活したのだけは意外だったかもしれません。

 前回触れたように、結局親は皆子供を想っているものなんだよ、というオチはちょっと微妙かなあという印象はありますが、血の繋らない日暮家(今回、現代で元気にやっている姿が流されたのは、嬉しいような切ないよいな)ととわの関係をみれば、あまり深く考えなくてもよいのかもしれません。
(麒麟丸とりおんの縁もプッツン切っていましたし……)

 まあ、いくらでも話を広げていけそうな結末自体は良かったと思います。それと娘たちの成長に、内心すごく嬉しそうな殺生丸も……


関連サイト
公式サイト

関連記事
『半妖の夜叉姫』 第1話「あれからの犬夜叉」
『半妖の夜叉姫』 第2話「三匹の姫」
『半妖の夜叉姫』 第3話「夢の胡蝶」
『半妖の夜叉姫』 第4話「過去への扉」
『半妖の夜叉姫』 第5話「赤骨御殿の若骨丸」
『半妖の夜叉姫』 第6話「古寺の猫寿庵」
『半妖の夜叉姫』 第7話「林檎の出会い」
『半妖の夜叉姫』 第8話「夢ひらきの罠」
『半妖の夜叉姫』 第9話「冥王獣の冥福」
『半妖の夜叉姫』 第10話「金と銀の虹色真珠」
『半妖の夜叉姫』 第11話「人喰い沼の呪い」
『半妖の夜叉姫』 第12話「朔の夜、黒髪のとわ」
『半妖の夜叉姫』 第13話「戦国おいしい法師」
『半妖の夜叉姫』 第14話「森を焼いた黒幕」
『半妖の夜叉姫』 第15話「月蝕、運命の惜別」
『半妖の夜叉姫』 第16話「もろはの刃」
『半妖の夜叉姫』 第17話「二凶の罠」
『半妖の夜叉姫』 第18話「殺生丸と麒麟丸」
『半妖の夜叉姫』 第19話「愛矢姫の紅夜叉退治」
『半妖の夜叉姫』 第20話「半妖の隠れ里」
『半妖の夜叉姫』 第21話「虹色真珠の秘密」
『半妖の夜叉姫』 第22話「奪われた封印」
『半妖の夜叉姫』 第23話「三姫の逆襲」
『半妖の夜叉姫』 第24話「殺生丸の娘であるということ」
『半妖の夜叉姫』 第25話「天生牙を持つということ」
『半妖の夜叉姫』 第26話「海の妖霊」
『半妖の夜叉姫』 第27話「銀鱗の呪い」
『半妖の夜叉姫』 第28話「産霊山の結界」
『半妖の夜叉姫』 第29話「りおんという名の少女」
『半妖の夜叉姫』 第30話「退治屋翡翠」
『半妖の夜叉姫』 第31話「竹千代の依頼」
『半妖の夜叉姫』 第32話「七星の小銀河」
『半妖の夜叉姫』 第33話「魔夜中の訪問者」
『半妖の夜叉姫』 第34話「決戦の朔(前編)」
『半妖の夜叉姫』 第35話「決戦の朔(後編)」
『半妖の夜叉姫』 第36話「永遠にない場所」
『半妖の夜叉姫』 第37話「是露の想い」
『半妖の夜叉姫』 第38話「東雲の麒麟丸」
『半妖の夜叉姫』 第39話「親子の再会」
『半妖の夜叉姫』 第40話「三姫の脱出」
『半妖の夜叉姫』 第41話「阿久留のかざぐるま」
『半妖の夜叉姫』 第42話「崩壊する時の風車」
『半妖の夜叉姫』 第43話「暗転の舞台」
『半妖の夜叉姫』 第44話「妖霊星が墜ちる時」
『半妖の夜叉姫』 第45話「希林理の妖征伐」
『半妖の夜叉姫』 第46話「絶望の妖霊蝶」
『半妖の夜叉姫』 第47話「父と娘と」

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

|

« 千葉ともこ「一角の涙」 正義の神獣を戴く男の末路 | トップページ | 鶴淵けんじ『峠鬼』第5巻 鬼に秘められた謎? そして地球で一番高い山へ! »