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2022.03.17

「コミック乱ツインズ」2022年4月号(その三)

 「コミック乱ツインズ」4月号の紹介、最終回であります。

『殺っちゃえ!! 宇喜多さん』(重野なおき)
 浮田国定との長きに渡る戦いの末、効率重視に目覚め、徐々にアレな感じになっていく直家(しかし作中では最初っからそんな感じだったような気がしないでもありませんが……)。
 結局国定が籠もっていた、そして祖父の城であった砥石城は与えられず、それどころかその祖父の仇である島村盛実に与えられたのですが、それでも腐らない直家はこれはこれで一個の人物という気がいたします。
(しかし憤る弟への対応は……)

 そんな彼に対して浦上宗景が下した新たな指令とは――常人にとってはめでたいイベントですが、しかしそれがこの先、恐ろしい史実に繋がっていくことになります。
 はたして本作がその時をどのように描くのか――早く知りたいような知りたくないような、という気分です。


『徒花』(鶴岡孝雄)
 密通した妻に妻敵討(姦夫姦婦を斬ること)もせず、離縁状を書いたことから周囲の物笑いとなり、親類たちから罵声を浴びせられる侍・柴山啓吾。ある理由から人を斬ることを極度に恐れる彼に対し、本家の伯父である勘兵衛のみは柔らかく接するのですが――しかしそんなある日、啓吾と勘兵衛は、思わぬ場で対面することになります。
 武士の対面を守るための行動に出た勘兵衛に対し、啓吾は……

 人を殺めることを恐れる、というより強いトラウマを抱く侍を主人公とした、一種の武士道残酷物語というべき本作。自分に恥をかかせた相手は殺し、自分は腹を斬るというのが武士の取るべき道だとすれば、はたして武士というのは何者なのか。武士というのはあるべき人間の姿なのか――周囲から「武士」たるべし、とどんどん追い込まれていく主人公の姿にはそんなことを思わされます。

 そしてその果てに彼が選んだ道は――武士と人間とどちらを選ぶのか、その答えは、時代劇としては失格なのかもしれませんが、それでも一つの希望があるようにも思えるのです。


『カムヤライド』(久正人)
 空畦(アクウナ)の土地の権利を巡る「殖す葬る」(ブエスボウル)の試合を前に、相手チームの卑劣な手段により仲間が倒れ、自分とカンパとキノの三人のみとなってしまったマリアチ。しかしそこで現れた二人の助っ人を加え、マリアチは戦いの場に臨む……(注:カムヤライドです)

 というわけで、人間兵器・神薙剣と化したヤマトタケルとオトタチバナが、そして天津神たちが迫るという超緊迫した状況から一転、何故かデスペラードな感じの野球展開となってしまった本作。本当に何故!? という感じなのですが、イザナギの黄泉国下りにおける、黄泉比良坂でのイザナミと八柱の雷神からの呪的逃走を、シレッと野球いや「殖す葬る」の起源(?)にしてしまうセンスには恐れ入ります。

 しかしバンデラス――じゃなかったマリアチチームには、それぞれモンコを追ってきたオシロワケ大王の密偵タケゥチと、天津神の一人であるコヤネ(アマツ・ノリット)が何故か助っ人で参入。これはただで済むはずがないと思いきや――いやはや。
 これまでキャラ薄めだったトレホ親方の弟子・サンゴのキャラがいきなり異常に立ったり、モンコが普通に面白お兄さんになっていたり(あと、絶対やると思ったデスペラード打ち(のポーズ)があったり)と、久々に肩の力を抜くことができる回だったのですが――最後の最後でいきなりまた不穏な空気が漂うことに。これまで以上にどこから何が飛び出してくるかわからない展開であります。


 次号は特別読切で『しくじり平次』(所十三&野村胡堂)が登場。原作は言うまでもなくあの平次ですが――もしかすると7年ぶりの登場でしょうか?


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