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2022.10.19

『ゴールデンカムイ』 第三十九話「硫黄のにおい」

 日露戦争の傷を登別温泉で癒やしていた菊田特務曹長と有古一等卒の前に現れた宇佐美と二階堂。有古が目撃したという奇妙な服を着た男を探す菊田だが、その正体は土方一派の都丹庵士だった。夜の闇、硫黄の煙の中、鍾乳洞と、自分に有利な地で戦いを挑む都丹を追う菊田たちだが……

 原作20巻の第192~195話を題材とした今回は、待望の菊田&有古コンビの初登場回。第3期に登場しなかったのでどうなることかと思いましたが、ついに今回アニメデビューであります。
 といってもこれまで毎回、OPのラストで何故か裸体を晒していた二人ですが、よく考えてみれば初登場シーンからしてこの二人は全裸だった――というわけで、いきなり冒頭から登別温泉でこの二人+宇佐美&二階堂の裸体が乱舞することになります。
(しかしこのシーン、漫画ではそんなに違和感はなかったですが、アニメだとコロコロ態度や体勢が変わる宇佐美に違和感が大きい――こういう奴といえばそうなのですが)

 さて、今回はこの四人と、土方一派の盲目ガンマン・都丹庵士と仲間の盗賊団の対決が描かれることになります。硫黄山での強制労働で失明した都丹と仲間たちですが、今回同じ硫黄のにおい漂う登別温泉での戦いは、ある種の因縁の対決として盛り上がる……

 と言いたいところですが、原作を読んでいた時は、いきなり登場した鶴見一派の補充メンバーvs以前杉元たちと戦って手の内は見えている都丹というマッチメイクに、あまり盛り上がらなかったというのが正直なところではありました。
 もっともその後、菊田も有古も重要な登場人物として大いに見せ場があり、個人的にもお気に入りのキャラとなったこともあって、今回は楽しみに観ることができました。

 そして虚心坦懐に観てみると、やはり光るのは、宇佐美と二階堂という変態ツートップとは対称的な、菊田と有古の、渋い戦士としての魅力であります。
 暗中での戦いを想定して、事前に眼帯で片目を隠しておいて闇に目を慣れさせる(この場面、相手の目を眩ませるため、自分には無用の灯をつけておく都丹
の戦法と好一対なのが面白い)、鍾乳洞での戦いで都丹の「正体」を見破るなど、鋭い観察眼と臨機応変な戦闘能力を持つ菊田。あの八甲田山雪中行軍の遭難者捜索に駆り出された過去を持ち、大自然の中でその能力を発揮する有古……

 まあ今にして思えば、有古のこの能力はもっと活かす場面があって欲しかったという気はしますが、二人ともデビュー戦としてはなかなかの滑り出しであったかと思います。
(完璧に忘れていましたが、後に菊田のトレードマークとなるスカーフは、この時の戦いで都丹から「鹵獲」したものでしたね……)
 また個人的に驚かされたのは、菊田役の堀内賢雄が、いつもの演技とは全く異なる、しかし菊田の渋さ・老獪さ・人当たりの良さが全て入り混じった見事な演技を見せてくれたことですが――都丹の水島裕もそうですが、プロの凄さというものを改めて叩き込まれた思いです。


 さて、ラストには以前カットされたおばあちゃんの口噛み団子のエピソードが挿入されましたが(原作ではここで味噌がない! という流れで杉元が味噌を買いに行くのですが、アニメでは順番が逆に……)、描写の流れと次回タイトルを見るに、次回は鯉登の過去編になるのでしょう。
 もう原作からのザッピングがすごくて、そもそもアニメでどのエピソードをやっていないのかわからなくなってきました……(順番的には今回の後でおかしくはないのですが)


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