「青春と読書」8月号で神永学『火車の残花 浮雲心霊奇譚』の書評を担当しました
本日(20日)発売の「青春と読書」8月号の書評欄「本を読む」にて、明日発売の『火車の残花 浮雲心霊奇譚』(神永学 集英社文庫)の書評を担当しました。幕末ホラーミステリシリーズの第七弾にして、第二シーズンのスタートに当たる作品の文庫化です。
江戸で腕利きの憑きもの落としとして知られる男・浮雲。彼は白い着流しに赤い帯、そして墨で眼の模様を描いた赤い布で両眼を覆った異相の上、守銭奴で皮肉屋で酒飲みという何とも個性的な人物であります。
その憑きもの落としの手法は、普段隠している眼――幽霊を見る力を持つ赤い両眼で見た幽霊を現世に縛り付けているものを推理し、そこから解き放つというもの。つまり、幕末の心霊探偵というべき存在なのです。
この浮雲を主人公とした作品は、今まで単行本が八冊刊行され、そのうち六冊が文庫化されましたが、今回、七作目である本作が文庫化されることになります。
前作のラストで京に向けて旅立った浮雲と、相棒(?)の土方歳三ですが、この巻は江戸を離れての最初の作品。土方ら数名を除き、レギュラーキャラを一新してスタートした、いわば第二シーズンの開幕編となります。
くわしいあらすじなどは、是非こちらの記事をご覧いただきたいのですが、意外なゲストキャラクターあり、従来のキャラを新たな角度から描いたりと、様々な趣向が凝らされた本作。もちろんホラーミステリという点でも面白く、これまでのシリーズ作から大きくステップアップした印象もある作品であります。
本作はプロモーションにもかなり力が入っており、落語化(!?)などもされていますが、この書評も、僭越ながら少しでも作品に興味を持っていただくよすがになれば――と思いながら書かせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
『火車の残花 浮雲心霊奇譚』(神永学 集英社文庫) Amazon
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