『るろうに剣心』 第十三話「死闘の果て」
剣心たちと御庭番衆の死闘が終わったところに現れ、ガトリング砲を乱射する武田観柳。蒼紫を守り、剣心を行かせるために次々と御庭番衆が身を挺した末、観柳は剣心に叩きのめされる。そして観柳は逮捕され、恵の罪も不問となったものの、全てを失った蒼紫は、剣心打倒を胸に闇に消えることに……
今回で第一クールもラスト、そして観柳・御庭番衆編もラストと、大きな区切りとなった今回。ここで描かれるのは、観柳との決着とその後始末、恵と蒼紫の去就であります。
というわけで前回ついに伝家の砲塔を持ち出し、ガトガト大暴走した観柳ですが、今回もお前そんなこと原作で絶対言ってなかったろ的なガトリングへの愛(妄執)とインチキ英語連発で再び大暴走。今原作を読み返してみると、この章は記憶していた以上に観柳の影が薄かったのですが、しかし今回のアニメでは(前回も触れましたが)その後の様々なメディアでのイメージを逆輸入して、観柳の印象が大きく強化されていたかと思います。
(そして今回の、誰も信用せずただ一人ガトリングを乱射して自滅する姿は、北海道編を読んだ後だとなるほど、と思わされる、というのはさておき)
しかしここまで観柳が大暴れすると、命という名の盾になって散った御庭番衆たちの印象が薄くなってしまうのですが(しかし火男、観柳の目の前まで行ったんだったら、もっとどうにかできたのでは)、そんな中でオリジナル描写で目を惹いたのが般若でした。
ガトリングを引きつけながら疾走する般若の心をよぎるもの、それはかつて仲間たちの前で蒼紫に稽古をつけられていた時の思い出――と、いうわけで描かれる般若の回想シーン。ここで描写的に般若が一番新参っぽいのがちょっと意外というのはさておき、仲間たちと他愛もないやり取りをする素顔の般若が笑っていたと蒼紫が指摘し、般若もそれを納得する――このくだりは、異形を通じて人の情を描くという点で、実に原作者らしいテイストが出ていたと感じます。
色々とフォローされてはいたものの、一歩間違えれば悪役たちの勝手な結びつきともなりかねなかった御庭番衆の絆を、はっきりと情の通ったものとして描いてみせたのは実に良かったと思います。
もう一つ、式尉の剣心への言葉がラストに語られるのも、(内容的にはそこまで引っ張るものではないような気もするものの)御庭番衆たちの記憶を残しているのは蒼紫だけではないということを示す意味で印象的でした。
さて、この後、観柳も倒され、警察の介入から恵を庇うために、自分の過去の権力(?)を利用する剣心という、冷静に考えればかなり珍しいシーンが描かれるのですが――過去の所業への悔恨は悔恨として、自分が死んで償うのではなく、今自分のできることで償って生きるよう恵に語るのは、今まさにそうしている剣心ならではの説得力があるのはいうまでもないでしょう。
そしてそれは、死んでいった者たちに報いるために生きながら修羅道に堕ちた蒼紫とは、対照的な生き方であるといってもよいかと思います。(もっとも、ある意味その生き方を与えたのも剣心なのですが……)
何はともあれ、色々な意味で物語の折り返し地点には相応しい締めとなった今回の結末。正直なところ作画的には微妙なところもあったような気がしますが、後半戦にも期待したいと思います。
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