『アンデッドガール・マーダーファルス』 第12話「流れの交わる場所」
ヴィクターの乱入により、ロイズから逃れて人狼村に入った鴉夜と津軽。ノラの遺体発見現場に向かった二人は、そこで人間の村に通じる地下道を発見する。再び人狼村に戻った二人だが、人間たちを引き連れたロイズが地下道から人狼村に乱入、阿鼻叫喚の事態となる。その中で墓場に向かった鴉夜は……
いよいよ残すところは今回を含めてわずか二話と、ラスト前の最も盛り上がる時ですが、事態はここに来てますます混迷の度合いを深めることになります。〈鳥籠使い〉、ロイズのエージェント、〈夜宴〉、ホイレンドルフの人間たち、ヴォルフィンヘーレの人狼たち、そして殺人事件と殺人狼事件それぞれの犯人――いまだに犯人の正体が謎であるだけに、宝石争奪戦以上に複雑に感じられる状況ですが、今回犯人以外の人々が一挙に交わり、もう手の着けられない大混戦に突入してしまうのであります。
前回描かれたノラ殺しの犯人が消えた謎(そしてこれまで人狼の少女たちを射殺した銃声が聞こえなかった謎)は、秘密の地下道があった、ということでひとまず判明。秘密の地下道というのは、ミステリでは一歩間違えれば反則技ではありますが、しかしこれが十三年前にユッテの母・ローザがヴォルフィンヘーレから逃れた手段でもあるとすれば、物語の根底に関わるものであるともいえるでしょう。しかしだとすれば、八年前に母子が焼き殺されたのは……
何はともあれ、この地下道においては三人の人狼の少女とノラが殺された現場が発見されただけでなく、前々回人狼と化して消えたはずのアルマの死体まで発見され、さらには550日あまり何者かが監禁されていた跡が発見され――と、勘の鋭い方であれば、ここまでで事件の輪郭がほぼわかるのではないかと思いますが、それはひとまず置いて、この後はアクションのターンであります。
一度はホイレンドルフに戻り、またヴォルフィンヘーレに戻るという忙しい動きを見せることになった〈鳥籠使い〉ですが、津軽は鴉夜たちの陽動として、単身人狼たちの自警団三人と対決。いかに鬼の力を持つとはいえ、前々回は人狼相手に大苦戦した津軽ですが、その時は様子見で手を抜いていたのか、はたまた相手が強すぎたのか――今回は鬼の力ではなく、むしろ人間の技で人狼を圧倒するというシビれる展開を見せてくれることになります。
特に三人目を相手のバトルでは、巨大な満月をバックにしての空中戦という、原作に比べてケレン味マシマシのド派手かつ華麗な一撃を決めてくれたのは、主役(の一人)の面目躍如たるものがあります。
しかし津軽の戦いが人間と人狼の力比べ・技比べというべき、むしろ痛快なものであったのに対し、この後に繰り広げられる人間と人狼の戦いは、むしろ陰惨な殺し合いというべき印象。ルイーゼの死体が発見され、そしてロイズに扇動されて火がついたホイレンドルフの人々はロイズとともに人狼を虐殺、これに人狼も反撃し、もうどちらかが全滅しないと収まりがつかない空気になります。
そしてそんな大混乱の中、静句はカミーラと、アリスはクロウリーと、カイルはヴィクターと遭遇。それぞれの対峙がカットで交錯する特殊EDのラスト、ヴェラを臨時助手に墓を暴いていた鴉夜が見つけた最後の手がかりとは……
はたして鴉夜が語る真相はいかなるものなのか、そしてその真相は人間と人狼の絶望的な争いを止めることができるものなのか? そして原作では残り三割くらいの分量を一話でまとめられるのか? 次回、あらゆる意味で必見の最終話であります。
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