『るろうに剣心』 第十四話 「弥彦の戦い」
稽古を抜け出してはどこかに出かけていく弥彦。弥彦の行く先をつけた剣心・薫・左之助は、弥彦が赤べこで下働きをしていると知る。そこで自分と共に働く少女・燕が、赤べこに押し込みを企むかつての主家の男・長岡に協力させられていると知った弥彦は、止めに入るが……
今回から2クール目に突入でOPEDも変更になった今回。OPは歌い手がちょっと意外に感じられましたが、映像はそれなりに凝っているけれども前クールに比べるとアクションが少ないのが残念――というよりるろうにキャットがいなくなったのが悲しい。というのはさておき、2クール目の最初のエピソードが、原作では「番外編」と銘打たれた弥彦主役回、しかもかなり地味な話なのはいかがなものか――と思いましたが、実際に観てみればこれがなかなか良い話なのです。
物語の方は、赤べこでバイトを始めた弥彦が、そこで知り合った燕がかつての主家の男に脅されて店の鍵の型を取らされているという、事を企てている男が呆れるほど頭が悪い(取り巻きも結構困っているのが可笑しい)のを除けば、いやな感じにジメッとした窮状にあるのを知って助けようとするも――という展開。
もう市井のゴロツキの相手はいいよ――というのが正直な気分ではあるのですが、しかしまだまだ普通の少年でしかない弥彦の奮闘と、それを見守る剣心たち三人という内容は、普通にイイ話で、思わず見入ってしまいました。
弥彦が多勢に無勢で袋叩きに遭っているところをあえて助けず、その後に多勢相手の戦い方のアドバイスを求められた時にはじめて(地味に生々しく実戦的な内容を)教える剣心。そしてなんだかんだ言いながら剣心が黙ってみていられないことを見抜いて先回りしている左之助(屋根の上の会話での、気の置けないダチ感が何とも)と、それぞれの立ち位置から弥彦を間接的に助ける二人。
しかしそれ以上に印象に残るのは、薫が語る神谷活心流の、活人剣の精神であります。
「一本の剣に自分と守ろうとする者の二つの命運をかける」
「負ければ自分は勿論守ろうとした者の命運も尽きる」
「活人剣を振るう者は如何なる敗北も許されない」
――「人を殺さない」というのとはまた異なる形で活人剣を語るこの言葉は、実は原作では剣心が語っているのですが、これはどう考えても薫からに変更して大正解。自分の流派の話だから、というだけでなく、今はさておき、これまで殺人剣である飛天御剣流を振ってきた剣心ではなく、これまでも、これからも活人剣を振るう薫が語るからこそ、その覚悟にも重みが出るのですから。
(まあ、ここで語らないと、燕を諭すくらいしか出番がないですし……)
何はともあれ、そんな大人たちの言葉を胸に弥彦は見事に勝利し、剣士としての第一歩を飾った――というわけで、弥彦が本作においては未来の象徴であることを思えば、やはり大事な回であったというべきでしょう。
彼のバイト理由も含めて、「弥彦の逆刃刀」や『北海道編』で描かれる弥彦の姿を思えば、なかなか感慨深いものがあります。
「結構するでござるよ」「するのか……」×2のアニメオリジナルのオチも、剣心と弥彦の演技もあいまって、なかなか味がありました。
そして次回、このエピソードのためにアニメ化に作者が関わる意味があったといっても過言ではない(過言です)あの男がついに……
(出番カットされなくてよかったです)
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