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2024.12.15

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀4』 第11話「魔王の秘密」

 ついに姿を現した魔王・阿契努斯。その素顔は凜雪鴉と瓜二つだった。そして魔王は、同盟を結ぼうという禍世螟蝗の求めに応じて、窮暮之戰の真実を語る。一方、地上では任務を果たした殤不患が、魔剣目録を丹翡に託して再び魔界に向かおうとしていた。浪巫謠を救い出すために……

 ついにその素顔を現した魔王。しかしその素顔は――という、さすがに驚天動地のヒキで終わった前回。その驚きも覚めやらぬまま、冒頭ではこの『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』という物語の根幹に関わる真実が語られることになります。

 そもそも、禍世螟蝗が魔王と手を組もうというのは、魔族に東離を差し出すかわりに西幽の安寧を得て、世界の一方の覇者となろうという、およそ人間とは思えぬ企てによるもの。その同盟者たる魔王に対して、禍世螟蝗は窮暮之戰で魔王が軍を退き――そして以後二百年、地上侵攻を行わなかったその理由を問います。
 自らの最大の秘密である、禍世螟蝗=幽皇という素顔を示した相手に対し、同盟の証として魔王が語った真実。それは人間との戦いの中で、彼らに魔族にはない同胞を、弱者を労り慈しむ心――そして人間同士を結びつける心である「仁」があることを知った魔王が、魔族には互いを結びつける心をがないことを悟ったことによるものでした。このままではたとえ一度は地上を制したとしても、魔族たちが欲望のままに争っている隙に、仁の心で結びついた人々が立ち上がり、地上を奪還するだろう――そう気付いた魔王は、魔族たちを結びつける心性を育むために兵を退き、魔界に魔神を放って魔族たちが互いを必要とするように仕向けたというのです。
 そしてそれに先駆けて自らも変わるべく、己の中の欲望である「愉悦」と「享楽」の心を切り捨て、地上に捨ててきたと……

 いやはや、魔王が窮暮之戰の後に変わってしまったのは、地上で仁愛の心にでも触れたからかしらと思っていましたが、当たらずとも全然遠いというか、きっかけは同じでも目指すところは大違い。自分たちの地上侵攻のため、いや自分が永劫の支配者になるために、魔族の精神を改めようとしていたからだった――というとてつもない理由でした。
 そして問題の凜雪鴉との瓜二つ問題も、実は魔王の魂の一部が転生したものだったから(らしい)という驚愕の真実。しかし魔王にとってはその魂はゴミ同然の部分、地上に捨てたそれが犬や猿に生まれ変わっていても知ったことではない――とまで言われては、さしもの凜雪鴉も、歯をギリっと噛み締め、拳をワナワナと震えさせざるを得ません。(ここで異飄渺の顔だったおかげでイメージは崩れませんでしたが……)

 しかし魔王まで地上の女性と子を成していたら境遇被りで浪巫謠の立場がありませんでしたが、いずれにせよ魔族が碌でもないことは間違いありません。そして浪巫謠の繭を回収に向かった阿爾貝盧法を前に、人間モードになり、新たな名乗りを上げてノリノリで暴れまわる聆牙改め裂魔弦はやる気満々でしたが――あっさりと刑亥の術で封じられ、その間に阿爾貝盧法に繭を奪われてしまうのでした。そして彼は自分のものを含めた四つの魔宮印章を示して語ります。浪巫謠こそが魔神の器に相応しいと……
 四つの魔宮印章で新たな魔神が生まれるというのは以前から言われていましたが、また巨大な奴が出てくるとか思ったら、少し異なるシステムなのでしょうか。いやそれ以上に、あの阿爾貝盧法が素直に魔王の覇道に手を貸すとは到底思えないのですが……


 さて、そんな魔界と西幽が風雲急を告げる事態になっているとも知らず、東離の宮殿では呑気に観兵式の打ち合わせの真っ最中。そして吉の方角が西と聞いた皇弟殿下は、こともあろうに鬼歿之地で観兵式をやると決めて聞きません。もうこれはどう考えても、観兵式の最中にアトミックバズーカを打ち込まれるフラグだとしか思えません。

そんなポンコツのどうしようもない企てが進んでいるとも知らず、最後の神誨魔械を見つけるという目的を果たした殤不患は、魔剣目録を丹翡に託して魔界に旅立ちます。なるほど、「実際はあまり強くない」「世間知らずなので騙されやすい」のを除けば(それ第一期と第二期がややこしくなった理由)、その手のものの扱いに慣れている護印師に魔剣を託すのは、理に叶っているのかもしれません。
 そしてごく僅かな、しかし深い想いの籠もった言葉を睦天命と交わし、魔界に再び降りていく殤不患。行け! 人間には「侠」の心があることを見せてやれ!


 そしてさすがに凜雪鴉のことが気になって来た(チョロい)刑亥が見たもの――それは、自分自身を相手におちょくれるなんてもう最高! と歓喜に震える凜雪鴉の姿。彼女の声なき「へ、変態だ!」という声が聞こえたような気がします。


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