2017.04.20

『変身忍者嵐』 第9話「まぼろし怪人! カマキリガラン!!」

 川の下流に流す毒薬を作るため、人々を攫うカマキリガラン。その魔手に旅の巡礼とその妻が囚われ、カスミも行方不明となってしまう。攫われた人々を追うハヤテは髑髏館に潜入するが、カスミを人質にされて囚われの身に。完成した毒薬が流されようとする中、タツマキに助けられたハヤテは決戦を挑む。

 妻子とはぐれてしまった巡礼の男に襲いかかるカマキリガランと下忍たち。彼らの目的は川の下流に流す毒薬を製造するための労働力集めであります。そのくらいは体力ありそうな下忍にやらせればいいのに、と思いますが、かき混ぜているだけで中毒死するほどの毒のようなので、まあ他所の人間を使おうというのはわかりますが……しかし当然ながらそれが元で足がつくことになるのです。
 そのきっかけとなったのは意外にもツムジ。一行と別行動をとって茶店で団子を食っていた彼は、店の老婆が、嘘の道を巡礼の女性と子供(もちろん先の巡礼の家族)に教えているのを耳にして不審を抱いたのです。ハヤテとタツマキを連れて戻ってきたツムジですが……しかし茶店はほとんど廃墟のような有様になっていたのでした。(ここでツムジも攫おうとしないのが血車党の血車党たるゆえん)

 一方、嘘の道を教えられた母子は、森の中に分け入っていくことになりますが、その様子を窺っているのは、髑髏や巨大な眼球と、プロップは今ひとつながらなかなかシチュエーション的には不気味な存在(しかし追ってきたハヤテにあっさり破壊される)。そして母子も夫同様にカマキリガランに襲われて母は捕らわれ、子供は崖から落ちかけるのですが……そこに嵐見参!
 しかし子供を庇いながらのファイトは分が悪い。カマキリガランの鎌の先から四方八方に放たれる弾丸などに辟易したハヤテは、ひとまず忍法岩通し(岩を掘って通り抜ける?)で脱出するのでした。結局、巡礼夫妻は髑髏館の中で再会する羽目になるのですが……しかし、そこには下忍に化けて潜入したタツマキの姿が。

 さて、結局姿が見えなかったカスミはといえば、これがいつの間にか牢に入れられている始末。何とか笛を取り戻して吹くことで、ハヤテに場所を教えたものの牢から脱出できたわけではなく、追ってきたハヤテ相手の人質にされ、二人の命は風前の灯火に……が、ここで「いたぶって殺そうとする」「殺すのは後回しにして作戦遂行を優先する」という二大失敗フラグを立てる骸骨丸とカマキリガラン。毒薬が完成したというので流しにいこうとするのですが……そこで潜入していたタツマキが二人を解放、さらに火薬庫に火をつけて髑髏館は大爆発!
 そして今まさに毒薬が流されようとした瞬間、駆けつけた嵐。毒薬の瓶の蓋が開きっぱなしなのが気になりますが(その後、瓶はフェードアウト)、バッタバッタと下忍をなぎ倒し、カマキリガランと最後の一騎打ちであります。

 ここで毒々しい巨大な物体(卵?)の中に隠れ、ふよふよと下に降りていくカマキリガラン。と、物体が割れた中から現れたカマキリガランは大ジャンプして嵐の前に(降りていった意味なし)。そして最後の剣戟の末、嵐の「見抜いたり!」という言葉と共に放たれた秘剣影うつしに真っ向唐竹割りとなるのでした。(別に消えたわけでもないのに見抜いたりもないものだ、と思ったら、どうも卵から分身して現れるという案だった模様……)
 そして三人ようやく再会し、笑顔で旅立っていく巡礼一家。髑髏館を問答無用で爆破したので、囚われの人たちのことが気になってたんですが……よかったよかった。


 悪事の準備のためにさらに悪事を働いたおかげで露見する、といういつもの血車党のパターンがまたもや繰り返された今回。どこがまぼろしだったのかわかりにくい(ボロボロの茶店や髑髏・眼球はそれっぽかったのですが)カマキリガランは、よく見ると細部の質感などなかなかよいのですが、目と口が間抜けに見えるのと、胴体のデザインがぞんざいというこれまた残念な怪人でした。
(初期の、顔だけ怪人で体は人間の装束というデザインが好きだっただけに……)


今回の化身忍者
カマキリガラン

 右手の巨大な鎌を武器とするカマキリの化身忍者。鎌の先からは弾丸を連射し、卵(?)の中に隠れて攻撃を避けることも可能。川に毒薬を流す作戦のため人々を攫っていたが、それがもとでハヤテに気付かれ、倒される。


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2017.04.17

『風雲ライオン丸』 第13話「たてがみ輝くライオン丸」

 恐るべき威力の連発銃を完成させた伊賀の小太郎。その危険性を説く獅子丸に耳を貸そうとしない小太郎だが、果たして連発銃は怪人ペルソナに奪われ、彼の父・白雲斉が殺されてしまう。父の最期の言葉を胸に、伊賀城を狙うペルソナを追う小太郎。獅子丸とタイガージョーもその後を追うが……

 路傍のお地蔵さんを木っ端微塵に破壊し、空を飛ぶ鳩をみな撃ち落とす威力を見せるガトリング的な連発銃。その開発者・小太郎は得意顔ですが、その試験の様を見守っていた獅子丸は、あれがマントル一族に奪われたら……と憂い顔であります。説得しようとする獅子丸、そしてちょっかいを出しているようにしか見えない自称「名無しの権兵衛」(以降、面倒なので錠之助)の声には耳を貸そうとしない小太郎ですが……果たして怪人ペルソナが銃を狙っていたのであります。
 その頃、伊賀の里を訪れた志乃と三吉は、かつて父とともに鍛冶をしていたという小太郎の父・白雲斉と対面、父の行方を尋ねるのですが捗捗しい返事は得られません。と、そこに入ってきたのは、銃がペルソナたちに奪われたという報。白雲斉は二人を置いて飛び出していきます。

 片足が悪いにもかかわらず、単身ペルソナたちに立ち向かうも、しかし敵うはずもなく地虫たちに斬られて無残に倒れ伏す白雲斉。駆け付けた小太郎は、銃を破壊しろと告げて逝った父の末期の言葉に熱くなって突っ走るのですが……しかし彼をペルソナの腹の目から放たれる赤いペルソナ光線が直撃! 命を取り留めたものの、諌める獅子丸の言葉に耳を貸そうともせず、ひたすらペルソナを追う小太郎。そして獅子丸もペルソナを追い、錠之助はペルソナが伊賀城を狙うことを予想し先回りし……と、三人三様で連発銃を追います。

 そしてペルソナを前に変身して挑む錠之助ですが、連発銃の前にはさすがの彼も手出しはできない状態。そこに駆け付けた獅子丸は、走る馬から飛び降り、そのまま走りながらロケット変身(これが本当に格好いい)! 今回も兜をかぶった状態で登場したライオン丸は、タイガージョーJrとダブルヒーロー状態で地虫を蹴散らすと、ペルソナを追い詰めますが……光線連発にたじろいだところに、さらに放たれた光線が、彼らを閉じ込めてしまいます。
 そこに現れて連発銃に迫る小太郎。しかし敵うはずもなくあっさりと斬られるのですが……しかし彼が最期の力で放った松明が火薬箱の上に落ち、連発銃もろとも大爆発!

 一方ライオン丸は、タイガージョーの助言で兜を脱ぎ、たてがみの力で光線を突破。怒りの一撃がペルソナを倒すのでした。そして余韻もなく今日も去っていく獅子丸――


 ある意味ヒーローもの定番の、超兵器を開発してしまった技術者話。しかし現代を舞台とした物語ではたいがい技術者は自分の行動に苦悩し、後悔するのに対して、戦国時代という戦がすぐ隣にあった時代らしく、自分が使う気満々なのが実に本作らしい。それを断念するのが(そしてそれが自分の死を招くのが)父の死というのがまた本作らしい苦さなのですが……
 そんな中、すんごい唐突に(再)登場した感のある兜を脱いだライオン丸。たてがみの力でバリアー突破とはいったいどういう理屈なのか……そしてそれを知っていた錠之助も謎ですが、彼の場合、氏素性から行動原理まで謎に満ちているのでそれどころではありません。それでも、前作ではごくわずかしか観られなかったライオン&タイガーの活躍を観ることができるのは嬉しいといえば嬉しい。

 そしてもう一つ印象に残るのは、今回の怪人ペルソナ。仮面の名にふさわしく、ミイラ男めいた包帯の下から、もう一つ黄色の仮面が覗くという不気味なデザインですが、腹の包帯の間から見える巨大な目がおぞましく、相変わらず造形は微妙ながら、デザイン的には出色と言えるでしょう。
 そしてペルソナ配下のみなのか、大量のまつぼっくりに変身して転がり落ちてくる地虫忍者も妙に印象に残るのでした。


今回のマントル怪人
ペルソナ

 先端に三日月刃がついた西洋剣を持つ包帯姿の怪人。腹の第三の目から赤いペルソナ光線を放ち、光線の中に相手を閉じ込めることも可能。小太郎が開発した連発銃を強奪し、伊賀の人々を殺すが、光線バリアーから脱出したライオン丸には敵わなかった。


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2017.04.09

『変身忍者嵐』 第7話「妖怪! トゲナマズ!!」

 タツマキたちが逗留した村で怖れられる存在・血車様。禁を破ってその姿を見たツムジはその正体がトゲナマズによる武器輸送だと知るが、報復に旅籠の一家が襲われ、主人の娘が攫われてしまう。さらにタツマキたちも囚われる中、ハヤテは単身髑髏館に潜入、トゲナマズと最後の戦いに挑む。

 いつもと少々趣を変え、いきなり旅籠の主人とその孫・およしが「血車様」なる存在に恐れおののく姿から始まる今回。血車様が表を往く時には、人々は家の中で息を潜めていなければならないというのは、西国に伝わる「片輪車」の伝承に通じるものがありますが――その禁を何も考えずに破ったのがツムジ。表に出てみれば、宿の前の道を行くのは、血車党の荷車……そしてそれを宰領するのは化身忍者トゲナマズであります。
 慌てて戸を閉めたツムジですが、正体を知ったからには許しておけぬと、油まみれの体によって隙間からすり抜けて入ってきたトゲナマズ。さらにその油まみれの体で刀も手裏剣も効かないトゲナマズに、タツマキたちは大苦戦であります。

 そこに駆けつけたのは、旅籠に向かう途中、主人の娘(つまりおよしの母)と出会って血車様の存在を知ったハヤテ。ツムジの巻き添えを思い切り食って下忍たちに攫われた旅籠の一家をタツマキたちに任せて嵐に変身、トゲナマズと対決するのですが、やはりぬるぬるの体には苦戦することになります。が、油まみれだったら……と閃いた嵐が火をつけてみれば、過剰に炎に巻かれて苦しむトゲナマズ。トゲナマズが這々の体で逃れた隙に、嵐は囚われの一家を救い出すのでした。

 さて、騒動の隙に荷車の荷をかすめ取っていたツムジですが、その中身は液体の入った瓶。酒の匂いだと喜んでいきなり口をつけるタツマキですが、しかしそれはいかがなものかとツッコミを受けて慌てて離せば、液体は大爆発。実は中身は液体火薬……血車様の正体は、武器弾薬の輸送だったのです。
 と、そんな中、およしの母が自分のことを嵐と知っていたことに不審を抱いたハヤテは、「これは血車忍法人形あやつり!?」と看破。なるほど、催眠術か何かで操られていたのかな? と思いきや、いきなり彼女を捕まえて吊り橋から下に投げ落とすハヤテ! 彼女は落下するや爆発し、本当に人形だったことがわかったものの、しかし実は本人だったらどうする気だったのか……(いや、古巣の術はよく知っているのだと思いますが)

 しかしツムジの短慮によって血車党に目をつけられ、娘が投げ落とされる衝撃映像まで見る羽目になった旅籠の主人は怒り心頭。およしも一緒になってツムジを責め立てるのですが、これは全く以て尤も、というかライバル会社だったらこの程度では済まないはず……というのはさておき、落ち込むツムジを励ますハヤテは、タツマキたちに血車様の目撃情報を集めることを依頼します。集まった情報から髑髏館の位置を割り出し、およしの母の救出に向かうハヤテですが、しかしツムジが先に突っ走って囚われる羽目に。そしてハヤテ不在の隙に、タツマキたちと旅籠の一家を襲う強烈な地震……見ればトゲナマズが地面でのたうちまわっている。じゃなくてこれぞ血車忍法地震起こしであります。そしてタツマキたちは地割れに飲み込まれて……

 とうとう全員捕まって牢に入れられてしまった一行。まずはウザいツムジからだ! と下忍に処刑を命じる骸骨丸ですが、応じた声はどこかで聴いたような……ともちろんこれは下忍に化けたハヤテ。一行を逃がしたハヤテは、いつも通り嵐に変身していつも通り下忍を蹴散らし、いつも通り秘剣影うつしでトゲナマズを下すのでした(ここであっさりトゲナマズが斬られたのは、火を警戒して油を抜いていたのか……)
 旅籠の一家もすっかり機嫌を直し、まずはめでたしめでたしであります。


 ツムジが色々と腹立たしいのを除けば、ある意味タイトルに偽りない血車様の企み等、なかなか面白いエピソードだった今回。やたら「ハフハフー」鳴くのが鬱陶しすぎるトゲナマズも、ぬるぬる・電気・地震と、ナマズのイメージ全部乗せで暴れ回るのがなかなか楽しい怪人でありました。ただ、あからさまに今回辺りから造形が甘くなるのが……


今回の化身忍者
トゲナマズ

 血車様の名で武器弾薬の輸送を行うナマズの化身忍者。大地震を起こす地震起こし、電気鞭(を投げつける)などの忍法を使い、油まみれの体は隙間から自在に侵入し、刀を逸らす効果を持つ。しかし弱点の火で嵐に撃退され、再戦でも影うつしに敗れた。


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2017.04.08

『風雲ライオン丸』 第12話「地獄谷に恨みをはらせ!」

 とある村を襲撃する怪人ガンと戦う忍者集団・地獄党。兄とは知人の頭領・雷之介と対面する獅子丸だが、雷之介たちはガンに手傷を負わされた獅子丸を嘲るのだった。さらに雷之介たちが村人を囮にしてガンを地獄谷に誘き寄せ、地雷で吹き飛ばそうとしているのを知った獅子丸は彼らと決別するが――

 いかなる次第かわかりませんが、とある村を襲撃する怪人ガンに立ち向かう、地獄党を名乗る忍者たち。どう考えても善い者の名前ではありませんが、地獄谷周辺を本拠とするための名なのでしょう。彼らが今日もガン相手にゲリラ戦を繰り広げる中通りかかった獅子丸は、乱戦の中で落ちてきた密書をキャッチ、格好良く地虫と立ち回りを演じますが(ちなみにこの後、密書はフェードアウト)ガンのライフルに手をやられ、窮地に陥ります。

 そこに駆け付けたのは、頭領の雷之介率いる地獄党。もんのすごい時代劇画顔の雷之介は、第1話で死んだ獅子丸の兄・影之進の知人らしく、獅子丸にも初めは親しげに話しかけますが、いきなりマントル一族を何人殺したかと聞いてくるのにはマントル殺すマンの獅子丸も当惑です。それを勝手に怖気づいたと受け取ったか、大きな態度を取る雷之介と地獄組ですが、何しろ体育会系の先輩に逆らうとうるさそうな上に、ガンにやられたところを見られて気まずい獅子丸は黙り込みます。

 そんな中、ガンが守りも手薄な状態で現れると聞きつけた雷之介は、自分たちだけで十分とガンを討ちに向かいますが、六連発銃を八連発に改造していたガンに不意を突かれて手傷を追う羽目に。さらに手薄になった村を地虫の群れが襲撃しますが、こちらはライオン丸に変身した獅子丸が撃退するのでした。
 しかしそれを知らず、這々の体で帰ってきた雷之介は、獅子丸が臆病風に吹かれたと非難(自分たちが獅子丸は不要と言ったくせに……)。面倒な先輩に口答えしてもと、またも獅子丸は口を噤むのでした。

 そんなところにやってきたのは村人たち。かねてから地獄党に守られてきた彼らは、その手助けをしようというのであります。そんな彼らに、雷之介は囮となってガンをおびき出して欲しいと頼むのですが、わざわざ何の危険もないと強調するのが逆に怪しい……と思いきや、やっぱり裏がありました。
 農民たちを囮にガンを地獄谷におびき寄せようという雷之介。しかし地獄組は谷には無数の地雷を埋め、ガンを吹き飛ばそうとしていたのであります。そんなことをすれば村人も巻き添えを食うと反論する獅子丸ですが、雷之介はそんな彼を腰抜けと非難、人間同士戦いたくないと獅子丸が反撃しないのをいいことに、地獄組の面々で彼をリンチにかけるのでした。

 そして意識を失っていた獅子丸が志乃と三吉に助けられていた間に決行される作戦。意識を取り戻した獅子丸は谷に急行、農民たちとガンたちの間に割って入り、すんでのところで農民たちを逃がすことに成功します。
 しかしそれで頭に血が上った地獄党は、一斉に谷に殺到するものの、彼らの罠を逆手に取ったガンが地雷を爆破! 間抜けにも地獄党は壊滅、雷之介も深手を負うのでした。
 そして始まるライオン丸に変身した獅子丸とガンの戦い。やはりガンの銃を六連発と思い込んでいた獅子丸は、隠し玉に追い詰められるのですが、そこを救ったのは雷之介が最後の力で放った手裏剣。一刀の下にガンを倒した獅子丸に、雷之介はよくやったと言葉をかけて逝くのでした。


 放送順が変わったらしく、ライオン丸が割られたはずの兜を被っているのがすっきりしないのですが、内容自体はなかなか充実していた今回。第1話の獅子丸の兄のように(そして実際に彼とは知り合いの)マントルと戦う忍者集団という設定自体非常に面白いのですが、その彼らと獅子丸が協力できず、それどころか敵対することになる展開に唸らされます。
 放映された時期を考えれば、目的のために(雷之介にも家族を殺された復讐という理由はあるものの)他者を犠牲にして恥じず、仲間をリンチにかける地獄党が、何をモチーフにしているかは明確ですが、それを抜きにしても本作らしいハードな展開が印象に残りました。

 しかしマントル怪人一モチーフがわからないのが今回のガン。日野日出志のキャラみたいな不気味な目をひん剥いた顔と、異常に長い首が印象に残ります。あと、お腹の引き金を引くと頭から飛び出す隠し玉。


今回のマントル怪人
ガン

 手裏剣を打ち出す六連発銃(後に改造して八連発銃)の使い手。腹の引き金を引き、頭から巨大な弾を撃つことも可能。とある村を巡って地獄組と対決、相手の罠を逆手に取って全滅させるも、獅子丸に討たれた。


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2017.04.05

霜月かいり『BRAVE10 戯』 新感覚十勇士伝、これにて完結

 本編が大団円を迎えた後も、舞台化など、人気は衰えない『BRAVE10』。本書はその番外編――十勇士+αを主人公に、本編で描かれることのなかった物語を描く、前日譚&後日譚を集めた短編集であります。

 殺戮の女神・イザナミと化した伊佐那海との死闘の末、ある者は散り、またある者は残った十勇士。本書はそんな十勇士たちが真田幸村の下に集うまでの物語、そして集った後の物語を描く全8話+エピローグから構成されています。

 百の下で修行を行う鎌之介の才蔵への(面倒臭い)想いを描く「男か女か」
 真田家に仕官した海野六郎が見た主君・幸村の姿「主君の資質」
 決戦の後、成人した大助(弁丸)が、師匠である十蔵と清海を想い出す「字の師匠」
 伊賀で修行を積む幼い才蔵とアナ、そして半蔵の物語「伊賀の里」
 佐助の出生と幸村との出会いが明かされる「森」
 政宗と小十郎、壱と弐の日常風景を食事を通じて描く「握り飯」
 甚八と十蔵が、今愛する、かつて愛した女性を語る「惚れた女」
 かつて上田で共に日々を送った伊佐那海の姿を思い浮かべる才蔵「約束」
 そして決戦の後、斃れたアナを巡る幸村と甚八の姿を描くエピローグ

 一話当たりのページ数は多くないことから、それぞれのエピソードは比較的シンプルなものがほとんどで、各話にEXTRA-ACTと冠されている通り、まさに外伝以外の何物でもありません。
 しかし今となっては、キャラクター一人一人が本編同様生き生きと活躍する姿を見ることができるのが何とも嬉しいのであります。
(もっとも、ちょっとだけトゥルーエンドを期待したりもしたのですが……)

 そんなわけで本書には読者の数だけ印象に残ったエピソードがあるのではないかと思いますが、私にとっては「男か女か」と「伊賀の里」が特に印象に残りました。

 巻頭を飾る「男か女か」は、本作きっての個性派であった鎌之介を主人公とした物語ですが、注目すべきは、本編でも謎のままであったその性別に対して答えが提示されること。
 その答えに納得がいくかは人それぞれかもしれませんが、それに対する才蔵の反応が、そのまま鎌之介の彼に対する想いに繋がっていくのが、何とも微笑ましいのであります。

 そして「伊賀の里」は子供時代の伊賀組が描かれることになりますが、何といっても印象に残るのは幼いアナの想い。
 「くノ一」ではなく「戦忍」を選ぼうとする彼女の強い決意に暗示される彼女の辿ってきた道程、そしてその後本編で描かれた彼女の姿を見れば、何とも複雑な想いに駆られずにはおれません。

 実は本書においては三つのエピソードでそれぞれ重要な役割を果たし、トップクラスの存在感を見せているアナですが、彼女の背負ってきたものを思えば、それもむべなるかな、と言うべきでしょうか。


 しかしこうしてキャラ一人一人の背負ってきた物語と共に積み上げられてきた『BRAVE10』という物語は、ここで完全に終わりを告げることとなります。決して本編で描かれたものが覆されることなく、失われた者、去っていった者が戻ることもなく。
 それを想えば、ただ切ないのですが――しかしこうして最後の最後まで描ききられたことに感謝するべきでしょう。

 『BRAVE10』、これにて本当の完結であります。たぶん。


 ちなみに単行本のお楽しみであった大場快の『殿といっしょ』番外編は今回ももちろん健在。
 最後の最後で、キャラなどがブレにブレまくるという『ぶれぶれてんてん』という危険な香りのするパロディを繰り出してくるのはさすがと言うしか……


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2017.04.03

『変身忍者嵐』 第5話「恐怖! ネコマンダラ!!」

 空飛ぶロケット爆弾・飛竜星の開発を目論む血車党は、設計者・留吉を脅すため、息子・小太郎を誘拐せんとする。それを一度は阻止したハヤテ一行だが、ネコマンダラの襲撃の前に小太郎を奪われ、ついに小太郎と留吉を乗せた飛竜星が打ち上げられてしまう。ハヤテは二人を救い出すことができるか?

 ロケット爆弾……というより有人誘導(人間がしがみついてコントロールする)ミサイルという頭のおかしい兵器を開発する血車党。そんなものが当然うまくいくはずもなく、試作機は墜落、それを通りかかったハヤテ一行に目撃されてしまうという体たらく。しかも、設計者の留吉を脅すために彼の息子・小太郎を誘拐してきた下忍たちが、ハヤテたちの目の前を通りかかるのでした。
 ……というわけでまたもや血車党安定の泥縄ぶりで始まる今回。もちろん悪事を止めようとするハヤテたちと、やたらニャーニャー声を上げる(のでだんだんノラネコぐんだんのように見えてくる)下忍の乱闘が始まり、ハヤテが小太郎を取り返す一方で、タツマキとカスミは逃げた下忍を追います。

 と、そこに現れる自称・残酷忍者ネコマンダラ。猫のフェイスに女物っぽい着物をまとった怪人ですが、後に月ノ輪はおろか主人公の声を当てる市川治がその美声でニャーニャーいう凄い奴であります。そして今回もあっさり捕まるタツマキ父娘。
 一方、タツマキたちを追ってきたハヤテたちも、怪しげな霧の中で下忍たちに襲われた末、声をかけてきた留吉――実はネコマンダラに小太郎とツムジが捕まってしまいます。鎖鎌の分銅の代わりの爪を相手に巻き付け、引き寄せる「爪返し」、爪を投げつけてくる「投げ爪」、忽然と二本の槍を取り出して投げつけてくる「隠し槍」と、多彩な血車忍法を使うネコマンダラに押され気味のハヤテは一度撤退、まずはツムジを取り返すのでした。

 なおも執拗に迫る(タツマキ父娘に似せた人形で誘き寄せてしょぼい爆発を起こすなど)ネコマンダラと下忍と攻防を繰り返しながら小太郎を追うハヤテとツムジ。その一方で縛られていた鎖をあっさり焼き切るというベテランの技を見せたタツマキとカスミは飛竜星の実験場に潜入。留吉を救い出したものの、小太郎は取り戻せず、乱闘している間にまた留吉は囚われる羽目になります。
 そして小太郎を飛竜星に縛り付け、この砂時計の砂が落ちきるまでに完成させろと無茶苦茶をいう骸骨丸。焦らせるもんだからもちろん完成するはずもなく飛竜星は発射、子供だけを行かせまいと留吉もしがみつき、飛竜星は空へ――(開発者を殺してどうするというのか)

 ここでカスミが笛で急を告げたのに応え、ハヤブサオーで駆けつけた嵐は大ジャンプで飛竜星の上から留吉と小太郎を助けて着地。飛竜星は狙ったようにピンポイントで血車党の秘密基地に落下、大爆発……! そして下忍を蹴散らした嵐はネコマンダラを秘剣影写しで崖から叩き落として勝利宣言。留吉たちの感謝の声を背中に去って行くのでした。


 秘密兵器開発を強要される科学者という定番のパターンであった今回、しかしそれが何だかおかしな方向に転がっていくのが序盤の嵐テイストと言うべきでしょうか。明らかに失策の連続の血車党ですが、今回は怪人も下忍もニャーニャーというかけ声なのが、絶妙に脱力させてくれます。
 しかしその一方でネコマンダラはなかなか芸達者で、嵐との戦いではきっちりとしたチャンバラを見せてくれるのが(そしてもう一つ、怪人の造形が結構良いのが)、本作のユニークさというか何というかを感じさせてくれるところであります。


今回の化身忍者
ネコマンダラ

 残酷忍者を自称する猫の化身忍者。刀と鎖鎌を武器とし、鎖鎌の爪を相手に投げつける投げ爪など多彩な血車忍法を操る。ヒゲは手裏剣として使用可能。飛竜星開発のために暗躍したが、全て嵐に阻止された上、秘剣影うつしに敗れる。


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2017.03.30

『風雲ライオン丸』 第11話「生きていたタイガージョー!」

 通り魔を繰り返すザグロとの最初の対決でロケットを壊された獅子丸。血気に逸る豹馬は単身ザグロと対決、命を落としてしまう。嘆き悲しむ獅子丸だが、ザグロに兜を割られ敗退。その前に現れた謎の男・虎錠之進は獅子丸を挑発し、彼の弱点を指摘する。その言葉に兜を捨て、獅子丸は再びザグロに挑む。

 アバンタイトルで侍四人を一瞬のうちに殺す深編笠姿の怪人ザグロ。名前といい赤鬼めいたビジュアルといい、全く何がモチーフの怪人かわかりませんが、相当な強豪です。
 一方獅子丸は、豹馬、そして志乃と三吉と行動を共にし、すっかり周囲は賑やかになりました。通り魔の噂を聞いた彼は、前回改心した豹馬に二人を任せて見回りに出るのですが、そこでザグロと対面。ザグロの必殺技――大ジャンプから宙を舞い、脳天に斬りつけてくる兜割りを兜で受け止め、その刀を折るものの、自身もロケットを破壊されてしまうのでした(そして一旦撤退したザグロは、自分の口から吐く炎で刀を修理するという面白行動)。そしてその帰路、獅子丸は何者かの視線を感じるのでした。

 さて、獅子丸不在の間、テンションが上がりすぎて川の中で刀を振り回して、寝て三吉にウザがられたりしていた豹馬。翌日、三吉の町への買い物に付き合うことになった彼は、獅子丸が鍛冶屋を探しに離れた後に自分も単独行動を取り、ザグロに挑戦します。
 ブラックジャガーに変身してザグロと剣を交える豹馬(そしてライオン丸の正体を把握しておらず、豹馬が正体だと思い込んでいたザグロ)。しかし豹馬を一蹴、必殺の兜割りが豹馬を襲い――

 不吉な予感に駆け付けた獅子丸。しかし彼が見たものは、花畑の中に一人倒れた豹馬の姿でした。あまりにやりきれない仲間との別れに、珍しく悲しみの感情を露わにする獅子丸。その前に現れたのは、『快傑ライオン丸』のタイガージョーこと虎錠之介の弟を名乗る謎の男(クレジットは虎錠之進)でした。不敵な表情で挑発してくる彼に激怒した獅子丸は、生身の相手に変身した状態で斬りかかるのですが、錠之進はあっさりいなして姿を消します。

 そして据わった目でロケットを黙々と修理し、ライオン丸に変身してザグロに再戦を挑む獅子丸。しかし再び兜割りを兜で受け止めたものの、今度は兜を割られ、辛くも逃れるのでした。落ち込む彼の前に再び現れた錠之進は、ライオン丸の弱点は兜に頼りすぎることだと指摘。今までそうだったかは疑問ですが、確かに今回は頼っていたのは間違いありません。覚悟を決めて兜を捨てたライオン丸は、黄金の鬣を振り乱してザグロに最後の戦いを挑みます。

 それに同行した錠之進は「タイガージュニア!」の掛け声でタイガージョーJr.に変身、地虫を引き受けると獅子丸を行かせます。
 激しい剣戟の末、兜割りを躱してついにザグロを倒した獅子丸。しかし復仇の喜びに浸る間もなく、錠之進は怪人を倒してもキリがない、倒すならアグダーだと獅子丸に告げるのでした(獅子丸、初めてアグダーのことを知ったのでは……)


 豹馬の退場とタイガージョーJr.の登場と、冷静に考えれば結構珍しいライバル交代回となった今回。前回仲間になったばかりで退場という悲しいことになった豹馬は、マントル一族に対する敵意に逸るあまりに命を縮めましたが、前回までの銭ゲバぶりや理非判断のつかなさ等、その直情径行ぶりがなかなか魅力的だっただけに、早すぎる退場が悔やまれます。獅子丸がほとんど彼のことをライバルとして見ていなかったのが災いしたか……
 そして初登場のタイガージョーJr.は、「俺の兄貴は虎錠之介とか言っていたが、あいにく俺は名前を忘れてしまった」といきなり謎の発言、クレジットでは錠之進となっていたのが後に錠之介になったり錠之助になったり、本当に謎の男であります。キャストも前作と同じですし、前々回の快傑ライオン丸同様に獅子丸を見守りにやってきた本人、と考えた方が納得できたりして……

 ちなみに今回は物語がシンプルであっただけにアクションは充実、剣戟ではあっさり倒されることが多かったマントル怪人の中ではザグロは屈指の強豪(武器の豊富さといい、通り魔というシンプルすぎる任務といい、戦闘任務専用の怪人?)で、それだけに兜を捨てて必死に立ち向かうライオン丸の格好良さも引き立っておりました。


今回のマントル怪人
ザグロ

 次々と通り魔を繰り返していた剣豪怪人。刀だけでなく、縁に刃を仕込んだ編笠や爪先に取り付ける刃、口からの銃弾など、多彩な武器を持つ。必殺技の兜割りでブラックジャガーを殺し、ライオン丸の兜を割ったが、三度目の対決で兜を捨てた背水の陣のライオン丸に敗れた。


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2017.03.27

『変身忍者嵐』 第4話「怪人! 卍カマイタチ!!」

 武田家の隠し金山の在処が記された金の狛犬を狙う卍カマイタチ。その企てを知った太郎を助けたハヤテたちは、怪鳥峠の地蔵の下から狛犬と絵図面を見つける。太郎の両親を人質として狛犬を奪おうとする卍カマイタチ。敵の罠に嵌まったハヤテだが、嵐に変身して脱出、卍カマイタチと最後の対決に臨む。

 骸骨丸の秘法で、ツボの中の液体に漬けられた下忍が卍カマイタチ(劇中では終始「カマイタチ」呼ばわり)に化身するという珍しい描写から始まった今回。武田家の隠し金山の在処が隠されているという金の狛犬を探す作戦ですが、カマイタチの役割は邪魔な村人を片っ端から始末すること、という時点で嫌な予感がしますが……
 農作業中のお百姓さんの足を鎌で引っかけて転ばして襲いかかったり、農家に押し入って鶏を殺したり(ある意味イタチっぽい)とアバウトに任務を果たしている姿を、軒下に隠れていた太郎少年に見られ、後をつけられて下忍たちが地蔵の下を掘っているところを目撃されるカマイタチ。そして太郎を追いかけていたらタツマキ父子、そしてハヤテに見つかってしまうという、血車党の泥縄展開は健在であります。

 太郎の証言から、地蔵が既に三つも掘り起こされたことを知ったハヤテは、最後の地蔵が怪鳥峠にあることを知り、そこで金の狛犬を発見。そこに忍び凧に乗って空からやってきた骸骨丸(それを見上げるタツマキの目が物言いたげに見えるのはこちらのひが目か)の命で、血車忍法イタチ車(全身の関節を外し、体を縮め、鞠のようになって襲いかかる……と解説されるものの、単なる移動技)で転がってきたカマイタチや下忍たちと乱戦が始まります。
 ……と思ったらカマイタチは戦っている最中にカスミの鏡の反射で目をくらまされ、その直後にハヤテも下忍の鎖分銅で文字通り足をすくわれるというメタメタな戦いが展開しますが、カマイタチの起こしたなんかよくわからない爆発で崖下に転落したハヤテが嵐に変身したことで、カマイタチは黄色い毒煙をまき散らして逃走するのでした。

 その後も、ハヤテに偽の狛犬を掴まされるなど失策が続く骸骨丸は、カマイタチに太郎の両親襲撃を指示。なるほど、人質を取るのか……と思ったら、翌朝までに狛犬の隠し場所を教えろと凄むだけで引き上げるのは拍子抜けですが、案の定、父親に化けていたハヤテに待ち伏せされ、さらにそこにタツマキが駆けつけたくらいで逃げる体たらく。さすがにこれは魔神斎に同情します。
 しかし侍は信用できねえ、と時代劇の農民っぽさ全開で逃げ出した太郎の両親は途中カマイタチに捕まり、人質と狛犬の交換に応じたハヤテも、あっさり網を被せられて捕らえられ、カマイタチにボコボコにされるのでした(しかし含み針で反撃されるカマイタチ)。

 なぶり殺しにしてやると先にタツマキたちも落ちていた穴にハヤテを放り込み、何やら毒粉らしいものを撒く血車忍法しびれ殺しを仕掛けて去るカマイタチ。しかしその後、落とし穴の中で嵐に変身され、あっさりジャンプで脱出されるのは、本当にいかがなものかと言わざるを得ません。
 追いかけてきた嵐を、尻に仕掛けていた(?)銃で狙撃するもあっさり躱され、滝の上という滝の上といういいロケーションで対決するカマイタチ。しかし秘剣影うつしで目を眩まされて叩き斬られ、地図もどこかに喪われて一件落着となるのでした。


 初期の本作らしく、血車党の泥縄ぶりが目に付く今回(しかしハヤテもかなり迂闊なのですが)。しかしカマイタチの非対称な造形はなかなかよく出来ていて、二本の長い鎌を組み合わせると卍型になるというアイディアも面白く、この辺りのアンバランスさもまた嵐らしいといえばらしいところであります。(しかし、何ともシンプルなサブタイトル……)


今回の化身忍者
卍カマイタチ

 組み合わせると卍型になる鎌を持ち、逃走時の黄色い煙や口から吐き出す白煙、毒粉を撒くしびれ殺しなど、数々の毒煙を操る化身忍者。武田の隠し金山の在処が記された金の狛犬を狙い、村人を次々と殺したが、ハヤテに追い詰められ、秘剣影うつしに倒された。


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2017.03.26

山田秋太郎『墓場の七人』第2巻 出るも守るも続く地獄絵図

 七人の侍vsゾンビというコンセプトで度肝を抜いてくれた『墓場の七人』、待望の第2巻であります。生ける死者「屍人」から墓場村を守るために集められた七人の猛者。村に立て籠もった人々を守る七人ですが、しかし想像を絶する敵の能力と生態は彼らと村の人々を窮地に陥れることに――

 屍人に包囲された墓場村を救うため、用心棒を求めて各地に散った七人姉弟。末っ子の七平太も幾多の苦難を乗り越え、凄腕の剣士・一色を見つけて帰還、駆けつけた六人の用心棒とともに屍人の襲撃から村を救うことに成功します。

 集結した「墓場の七人」、その顔ぶれは――
 相手を百の肉片に挽くことからかつては百挽と呼ばれた男・一色
 この世の「腐れ」を好む剣呑極まりない体術使いの美女・邪魅羅
 僧侶にして医者でもある生真面目な青年・暮威
 華奢な美少年ながら、砂などの鉄分を自在に操る由利丸
 その由利丸とコンビを組む、大槍を持った寡黙な巨漢・百山
 金目の話に目がない商人にして、絡繰り使いの男・千両箱
 そして今なおその力を見せぬ壮漢・椿團十郎

 一色と邪魅羅以外は第1巻ラストが初登場というのは、集結過程をじっくり見せるのが定番の「○○の七人」ものからすれば異色ですが、しかし彼らの外連味の効きまくったビジュアルと能力を見れば、それも小さい拘りと思わされるほどの、堂々たる顔ぶれであります。


 さて、こうして集結した墓場の七人の任務は、十日のあいだ村を守ること。かつて行われた最大の合戦地(関ヶ原?)の死者を祀るために公儀によって作られたこの村を守るため、十日の後には公儀の援兵が到着するというのであります。
 しかしバリケードに隠れて守りを固めようとしてもそうもいかず……というのはゾンビものの定番。ほとんど休む間もなく村に襲撃を仕掛けてきた桁外れの巨体を持つ屍人「がしゃどくろ」の攻撃で防壁を破壊された村は、外敵に対して丸裸も同然。

 早くも総力戦を強いられることとなった墓場村ですが、しかし村人が手にする武器はありません(なるほど、時代背景を考えれば尤もな話ではあります)。
 ここで一色たちが藁をも掴む思いで頼ることとなったのは、物語の冒頭に登場した悪旗本が集めていた(のを邪魅羅がちょろまかして隠した)武器。そしてその中には、一色の家に代々伝わる退魔の刀が――

 かくて隠し場所に向かうのは、一色・邪魅羅・千両箱と七平太の二人の姉。しかし隠し場所は遠く、そこまでは無数の屍人が蠢く地を横断することになります。
 一方、村に残ることとなった七平太は、がしゃどくろの死体を調査した暮威から、屍人にまつわる恐るべき事実を知ることに――


 非力な人々が暮らす村を守るために戦うというのも「七人」ものの定番ですが、しかし守るだけの戦い、それも数もわからなければ文字通り不死身の体を持つ相手を向こうに回しての戦いは、一歩間違えれば単調になりかねぬものであります。
 本作はそこに十日間というタイムリミットを設けるとともに、一色たちが一度村を離れなければならない状況を設定することで、幾重にも捻った展開を用意してくれるのが嬉しいところです。

 しかしもちろん、村を出るも守るも、そこにあるのは屍人が蠢く地獄絵図。
 特に墓場村を襲った危機は、これまたゾンビものでは定番のものなのですが、しかし江戸時代の人間がそれを知るはずもないことから、惨劇が広がっていくというのが、なかなかいい。


 この先どれだけの惨劇が待つのか、そして素直に十日後に戦いは終わるのか……そして七人は生き残ることができるのか。
 まだまだ先の読めぬゾンビ時代劇のたどり着く先に期待であります。


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2017.03.24

『風雲ライオン丸』 第10話「うなる大砲 怪人ズク」

 オランダ渡りの巨砲を奪い、途中で虐殺を繰り返しながら目標である堺に向かうズク。後を追う獅子丸は、対決を望んでマントル側についた豹馬を一蹴して先に進む。なおも獅子丸の後を追う途中、ズクの非道を目の当たりにした豹馬の心に去来したものは。そして巨砲の標的となった獅子丸の運命は……

 オランダ渡りの巨砲を家老と名乗る男に引き渡すため輸送してきた武士の一団。しかし家老は身の証を求めた武士の目に斬りつけ、残る武士たちも、地虫忍者の正体を現した配下に皆殺しにされるのでした。この家老に変身していたのは怪人ズク。アグダーに巨砲で堺の町を吹き飛ばすことを命じられたズクは、途中ライフル魔状態で人々を虐殺しながら堺に向かいます。

 一方、目を斬られた武士を助けた志乃と三吉に知らせを受けた獅子丸は早速ズクを追おうとするのですが……その前に現れたのは、相変わらず獅子丸との決闘を望む、空気が読めない豹馬。自分を相手にせず先に進む獅子丸に歯がみする豹馬ですが――
 やがてズクの一行に追いついた獅子丸。迎え撃つ地虫を蹴散らしていく彼の前に最後に残った地虫の仮面の下から現れた顔は……豹馬! 獅子丸と対決するためであればマントルにも付く豹馬にさすがの獅子丸も怒り爆発、ついに変身して対決するのですが……獅子丸の腕を傷つけ、満を持して豹馬が繰り出した必殺のジャガーつばめ落としはあっさり躱され、峰打ちで胴を抜かれるのでした。

 傷の手当てもそこそこにズクの後を追う獅子丸。なおもその後を追う豹馬ですが、その彼が出会ったのはズクによる虐殺の後で、「豹馬」の名を呼ぶ女性。骸となった自分の息子「豹馬」を見つけ、悲痛な声で嘆き悲しむ女性の姿を目の当たりにした豹馬は――
 死地が待っていることを知りつつ、巨砲を追ってきた獅子丸に対し、爆薬を仕掛けた谷に巨砲を撃ち込もうとするズク。しかし豹馬は巨砲を守っていた地虫を倒し、獅子丸を救います。

 ついに獅子丸と肩を並べ、巨砲による爆発を躱しながら駆ける豹馬。地虫を蹴散らしながらズクに迫る二人ですが、ライフル銃の連射に身動きが取れなくなります。あと五発玉が残っていると勝ち誇るズクですが、その場に現れたのは冒頭でズクに斬られた武士。自らを盾にして五発を消費させ息絶えた武士の想いに応えるように変身した獅子丸は、豹馬が地虫を相手にしている間、ズクと最後の戦いを繰り広げます。
 空からの攻撃を仕掛けるズクですが、獅子丸はこれを撥ね除け、逆にズクの目を斬ると、ライオン風返しで巨砲もろともズクを吹き飛ばすのでした。


 ここ数回出番のなかった豹馬が、ようやく獅子丸の味方として立ち上がる今回。金に汚かったり、功名心から獅子丸に戦いを挑んでも相手にされなかったりと今ひとつ小者感があった彼は、獅子丸と戦うためにマントルに与するところまで堕ちるのですが――
 しかし、自分と同じ名の子供の死を嘆く母親の叫びをきっかけに改心するというのは、なかなかグッとくる展開であります。

 ただ、この展開だったらラストで活躍するのは豹馬のはずが、乱戦の中で彼はフェードアウト、代わって獅子丸を身を挺して助けたのが、巨砲を奪われた武士というのは、話としての平仄は合うものの、ちょっとどうなのかしら……という気はいたします。

 それにしてもローク車や亀甲車などのオーバーテクノロジーを保有するマントル帝国でも、大砲の技術はオランダには及ばないのか……


今回のマントル怪人
ズク

 ライフルと刀を武器とするミミズクの怪人。オランダ渡りの巨砲を奪い、堺の街を狙った。残忍な性格で、相手の目だけを斬ったり、無関係の人々をライフルで射殺していくなどの凶行を働いたが、ライオン丸には敵わず、逆に目を斬られた末に巨砲もろとも吹き飛んだ。


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