2012.10.09

「戦国無双Chronicle 2nd」 年代記にして銘々伝の面白さ

 ニンテンドー3DSのロンチソフトとして発売され、意外な面白さにファンを驚かせた「戦国無双Chronicle」の新作、「戦国無双Chronicle 2nd」が発売されました。前作の面白さはそのまま、旧来のシリーズの味わいも取り込んでみせた快作であります。

 「戦国無双」というゲームについては、今さらここで説明するまでもありますまい、一騎当千の戦国武将(でない人間もたくさんいますが)が活躍する戦国アクションゲームです。
 正直なところ、「無双」シリーズのゲームは毎年何作も発売されているため、食傷気味の部分もあったのですが、そんなゲーマーも感心したのが前作「戦国無双Chronicle」。
 各ステージ毎の操作キャラクターを複数設定し、タッチパネルでそれを随時切り替えることにより、刻一刻と変わっていく戦場の状況に対応していくというのが、抜群に面白く、かつ新鮮で、「無双」シリーズの新たな可能性を見せてくれた、と言っても過言ではない作品でありました。

 その「戦国無双Chronicle」を引き継いだ本作は、前作の登場キャラに加え、藤堂高虎・井伊直虎・柳生宗矩(!)と三人の新キャラを加えたパワーアップ版…と言うと、近頃はやりの完全版的印象がありますが、実際のイメージは大きく異なります。

 というのも、前作はクロニクル(年代記)の名の如く、河越夜戦から大坂夏の陣までがほぼ一直線に描かれていたのに対し、本作は、中心となる武将毎に分かれた物語が描かれる、並行的構造。
 しかも武将によっては、史実とは異なる展開となったり、あるいは別の武将の物語を反対側から描いていたりと、ifの部分がよりクローズアップされているのであります。

 なるほど、ステージ自体は前作でも登場したものであっても、そこで展開される物語が異なれば、これは全く異なるものとして見ることができましょう。
 実は、「戦国無双」シリーズとして見れば、前作のクロニクルスタイルがむしろ異色で、各武将毎にストーリーが(if展開も含めて)描かれる本作の方が、シリーズの本流に戻ったとも言えます。

 個人的には前作のスタイルも気に入っていただけに、少々残念に感じるところがないわけではないのですが、しかしどうしても登場武将の活躍に濃淡が出てしまった前作に比べれば、より平等に活躍を描くことができる今回のスタイルは、武将毎のファンが存在するシリーズにおいてはむしろ正しいチョイスとかもしれません。むしろ、クロニクル的部分を残しつつ、従来の武将銘々伝的な要素を取り込んだ、おいしいところ取りのスタイルと言っても良いのではないでしょうか。

 さらに言えば、ステージ数が増えたことで、ちょっと驚くような人物や事件が描かれるようになったのも実に楽しい。
 取りあえず最初に選んだ今川の章(実質は井伊直虎の章なのですが)では、小野道好が無駄に存在感をアピール。この人が目立つゲーム(というかフィクション)初めて見ましたよ!
 その他、浅井の章では長政を差し置いて斎藤龍興が大活躍したりと、全般的に今回はモブ武将が大健闘した印象があります。

 もっとも、おかげでいつもの無双アレンジされた武将たち(のコスチュームやキャラクター)が、えらく浮いて見えるのも痛し痒しですが…


 それはさておき、本作が前作をプレイした方でも間違いなく楽しめる作品であることは――そしてもちろん、本作で初めて戦国無双をプレイするという方にも面白い作品であることは間違いないお話。無双アレンジが苦手な方もいらっしゃるかとは思いますが、想像以上に真面目に歴史ものしている部分もあり、食わず嫌いの方ほど楽しんでいただきたい、そんな快作であります。

「戦国無双Chronicle 2nd」(コーエーテクモゲームス ニンテンドー3DS用ソフト) Amazon
戦国無双 Chronicle 2nd


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2012.07.16

「十 忍法魔界転生」連載決定記念 「魔界転生」総まくり

 時代伝奇ファンにとって最近最も大きなニュースは、せがわまさきによる山田風太郎の「魔界転生」の漫画化、「十 忍法魔界転生」の連載開始ではないでしょうか。
 この作品自体は連載開始後に取り上げたいと思いますが、ここで、今までに発表された「魔界転生」という作品のバリエーションを振り返ってみるのも悪くない試みでしょう。

 言うまでもなく「魔界転生」は山田風太郎による小説ですが、この作品の持つものは、後世のクリエーター(そして売り手)にとって大いに魅力的であったらしく、商業作品を挙げただけでも、かなりの数にのぼります。
 そのうちの多くはこれまでこのブログ等で取り上げていますし、まだの作品についても近いうちに取り上げたいと思いますが、ここではリストアップがてら、簡単に各メディアごとに各作品に触れてみたいと思います。

○小説
「魔界転生」(1964-65)(山田風太郎 角川文庫ほか) Amazon
 言わずとしれた元祖であり、作者の作品の中でも最も有名な作品でしょう。旧題「おぼろ忍法帖」、後に「忍法魔界転生」、そして現在のタイトルに変更。
 忍法帖としても、剣豪小説としても破格の作品でありますが、立川文庫等で語られてきた剣豪たちの物語を、一種のパロディとしてまさに転生させて、こうして現代まで残したことが、ある意味最大の意義かもしれません。

○映像
「魔界転生」(1981)(監督:深作欣二 東映) Amazon
 魔界転生の名を一躍知らしめることとなった角川映画。十兵衛役ははまり役の千葉真一ですが、それに勝るとも劣らぬ存在感を沢田研二演じる天草四郎が見せたことで、以降の作品のほとんどでは、四郎が敵の中心として描かれることに…
 物語的には、骨子の部分と登場人物を借りたほとんど別物でありつつも、それでもなお面白い名作。本当に燃え落ちる舞台の中での、十兵衛と但馬守(若山富三郎)のラストバトルは、既に伝説であります。

「魔界転生 The ARMAGEDDON」「同 魔道変」(1996)(監督:白井政一 徳間ジャパンコミュニケーションズ) Amazon
 全二作のビデオシネマ。十兵衛役は渡辺裕之。ビデオシネマであることを考えればまずまずですが、オリジナル部分で時々妙にぶっ飛んだシーンを楽しむべきでしょうか(春日局の転生は魔界転生史上に残る珍シーン)。
 珍しく四郎が敵方の中心ではなく、原作の森宗意軒の立場に由比正雪がいるのも特徴。日本では未DVD化。

「魔界転生 地獄篇 第一歌」「同 第二歌」(1998)(監督:浦田保則 アミューズ・ビデオ) Amazon
 全4巻予定のOVA作品。残念ながら2巻までが発売されて未完となっています。十兵衛の声は玄田哲章、四郎の声は置鮎龍太郎。
 転生衆が集まってきたところでの終了でしたが、十兵衛と四郎が島原の乱で一度対決するなど、オリジナル要素、それもアニメらしいぶっ飛んだ部分(荒木又右衛門の足八本とか)が多く、未完、さらに日本では未DVD化なのが惜しまれます。

「魔界転生」(2003)(監督:平山秀幸 東映) Amazon
 十兵衛役は佐藤浩市、四郎役は窪塚洋介。魔界転生の過程がかなり独特なため、登場する転生衆も一風変わったキャラクターが登場しますが、一本の映画としてみた場合には今ひとつ盛り上がらないというのが正直なところです。

○漫画
「魔界転生」(1987)(石川賢 講談社漫画文庫ほか) Amazon
 あの石川賢による魔界転生漫画化の、いや時代伝奇漫画の金字塔。原作の設定を踏まえつつも、作者が幾度かモチーフとした神と悪魔の戦いの次元まで達した作品内容は、ある意味原作を超えたと言えます。
 無茶苦茶やっているようで、キャラクターのビジュアルなどは存外原作の描写を踏まえているのも見事。

「魔界転生」(1999)(とみ新蔵 リイド文庫 全2巻ほか) Amazon
 現在のところ、原作にほぼ忠実な唯一の漫画版。剣豪漫画の巨匠が描くだけに、剣戟描写は確かなものがあります。あまりにも真っ当なすぎる漫画化なのがかえって寂しい、というのは失礼かもしれませんが…

「魔界転生 夢の跡」(1997)(鳥羽笙子 角川書店あすかコミックスDX 全2巻) Amazon
 なんと田宮坊太郎を主人公とした極めてユニークな作品。四郎によって魔界転生した坊太郎が、かつての想い人と瓜二つの娘と出会ったことから…と、少女漫画的趣向を取り入れることで、十兵衛vs四郎の物語でありつつも、坊太郎視点で描くことにより、全く異なる味わいの作品となっています。

「魔界転生 聖者の行進」(2003)(九後奈緒子 角川書店あすかコミックスDX) Amazon ブログ記事
 2003年映画のタイミングで発表された漫画。独特の絵柄・描写のために好き嫌いははっきりわかれるかと思います(特にアクション描写は感心しません)が、四郎に死という救いを与えようとする十兵衛、望まぬ生を嫌悪し十兵衛の強さに天主の姿を見る四郎と、キャラクター描写は面白い作品です。

○舞台
「柳生十兵衛 魔界転生」(1981)(JAC)
 千葉真一が十兵衛を、志保美悦子が四郎を(!)演じた豪華版。配役を見ればわかるように、天草四郎女性説に基づいているとのこと。未見なのが非常に悔しい…

「魔界転生」(2006)(G2 松竹ホームビデオ) Amazon ブログ記事
 中村橋之助が十兵衛を演じた舞台…というとかなり意外に感じられるかもしれませんが、確かに線は細いものの、成宮寛貴演じる四郎(これがまたはまり役)らの悲しみを受け止める人間味溢れる十兵衛像はなかなか良い。ストーリー的にも原作に近いのが特色ですが、最大の弱点は殺陣が今一つなところでしょうか。

「魔界転生」(2011)(劇団ヘロヘロQカムパニー) ブログ記事
 関智一率いる劇団ヘロヘロQカムパニーによる舞台で、関智一の十兵衛をはじめ、浪川大輔の四郎など、有名声優も多数出演。
 転生シーンなど、舞台でここまでやると思わなかった描写の数々も面白いですが、最大の特徴は深作版と原作の良いところ取り的にアレンジされたストーリー。ラストがちょっと慌ただしいですが、意欲作です。

※演劇については上記以外も上演されているかとは思いますが、とりあえずある程度のメジャーどころをピックアップしました

○ゲーム
「魔界転生」(D3パブリッシャー プレイステーション2用ソフト) Amazon
 2003年版映画に合わせて発売されたのですが、何故かローグライクゲーム。ベースとなっているのが悪名高きSIMPLE2000シリーズの「THE ダンジョンRPG 忍 魔物の棲む城」――というだけでゲーマーの方にはどのような作品か予想できると思います。最初はフルプライスで、後にSIMPLEシリーズで再販されましたが、ワゴンの常連でした。


 以上、大変駆け足でしたが、これまで発表された「魔界転生」はほぼカバーできているかと思います。

 個人的なオススメを挙げるとすればとしては、原作はもちろんとして、深作欣二の劇場版と、ヘロヘロQカムパニーの舞台版は、魔界転生初心者(?)が見ても楽しめるのではないかな、と思いますので、ぜひ(石川賢版は次点)。

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2012.07.13

「ぐわんげ」 闇と黄金と破壊の室町シューティング

 Xbox360購入記念の時代劇ゲーム特集(ということにして下さい)第2弾はケイブのシューティングゲーム「ぐわんげ」。
 いわゆる弾幕シューティングに分類される作品ですが、舞台は室町時代、主人公は式神を連れた三人の男女という、極めてユニークな作品であります。

 13年前(!)の1999年にアーケードゲームとして発売され、長らく家庭用に移植されてこなかった作品ですが、現在はXbox360のダウンロード配信でプレイすることが可能となっているのはありがたいお話です。

 時は室町時代、主人公は狂気に陥り人食いと化した仮面の男・シシン、鬼討ちの家に生まれながらも式神を宿し家を追われた少女・小雨、凶暴な式神を宿した賞金稼ぎの少年・源助の三人。本作は、この三人がそれぞれの目的のため、黄泉への扉の先にあるという獄門山に潜む神を討つために戦いの旅を繰り広げる様がバックグラウンドとして設定されています。
 あくまでも室町時代というのは設定上で、史実と絡むということはほとんど全くないのですが、しかし作品の設定からビジュアルに至るまで、全体を支配する昏い(そして時に荒々しい)ムードは、室町時代の雰囲気を良く表しているのではないか…と個人的には感じます。

 何しろ、本作で言う式神とは、いわゆる陰陽師が使役するそれとはまた異なる存在。
 主に宿り、超常的な力を貸すものの、主とは別の意志を持ち、そして力を貸す代償に主の命をわずか一年で食らい尽くす、一種の寄生生物なのであります。
 つまり主と式神の関係は、主従や相棒と言うよりも、お互いに利用しあう関係。両者の間の緊張関係が生む殺伐とした空気は、本作の基調を成しているという印象があります。

 そしてゲームシステムとしても、この式神は極めて大きなウェイトを占めます。呼び出された式神は> フェデラル・ヒルで、敵の放つ弾に重ねることでそのスピードを遅くする能力を持ちます。同時に式神は敵に重なると爆弾を落としてダメージを与えるのですが…
 面白いのは、式神によって敵が倒された場合、その敵が放っていた弾で、式神の力で遅くなっていたものは、金(得点)に変わるという点です。つまり式神の存在は攻防一体の上に稼ぎの手段であり、そして稼ぐためには敵弾を画面上に出来るだけ多くの敵弾を出させる必要がある。
 このハイリスクハイリターンの構図が、プレイヤーの意志が、わかりやすく明確な形で反映されるのには、感心させられました。

 と、これはもちろんゲーマーとしての感想。時代ものとしては、先に述べたとおりあくまでも設定上に留まる…のではありますが、しかし個人的には、本作をプレイして受ける印象は、奇妙なほど「室町時代」を感じさせるのです。
 式神をはじめとする魔という闇の存在、その闇を前にしても尽きぬ人の欲望の象徴である金、そして画面上にぶちまけられる無数の破壊。
 闇・黄金・破壊…そのそれぞれが一体となって、どこか美しいビジュアル絵巻を成す様が、実に「室町」的である。というのは、これは室町伝奇好きの牽強付会な見方に過ぎるかもしれませんが、しかし本作が、本作でしか描けない世界を、設定から操作感、ゲーム性まで一体となって描いているのは、間違いありません。


 まあ、登場する妖怪の中には江戸時代の(妖怪画を元にした)ものも含まれていますし、敵の中でやたら木造戦車が目立ったりするので、やはり「的」どまりに留めておくべきなのかもしれませんが、それはそれで。

「ぐわんげ」(ケイブ Xbox Live Arcade用ソフト)

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2012.07.06

「サムライスピリッツ閃」 リアルさとゲーム性の間で

 アーケード版が約4年前、家庭用が約2年半前に出たものを今頃レビューするのも大変恐縮ではありますが、Xbox360購入(これまた今頃…)記念ということで、家庭ではXbox360でしかできない時代ゲーム、「サムライスピリッツ閃」であります。

 念のためおさらいしておけば、「サムライスピリッツ」シリーズはSNK/SNKプレイモアによるいわゆる対戦格闘ゲーム。
 1993年(19年前…!)の「サムライスピリッツ」以降、2Dもので6作(「零SPECIAL」を含めれば7作)、3Dもので4作(家庭用オリジナルの「剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃」を含む)と、結構な作品数を数えるシリーズです。 登場キャラが武器を持つことによる一撃の重さ、伝奇性濃厚な世界観とキャラクターと、他のゲームにはない特徴を持つ本シリーズですが、もちろん私も大ファンであり、最近は家庭用オンリーではあるものの、欠かさずプレイしております(が、腕はド下手)。

 さて、前置きが長くなりましたが、本作は現時点でのシリーズ最新作にして、約10年ぶりの3Dもの。前作に当たる2Dものの「天下一剣客伝」がシリーズ最終作を謳っていただけに、当時は復活をずいぶん嬉しく思った記憶があります。

 登場キャラの方は、全26名のうち、主人公格の猛千代をはじめとして、実に半数以上の14名が新キャラ。物語の方も、従来とは一新され、欧州のレスフィーア王国なる国家を巡る冒険となっています。
 システム的にはまず標準的な3D格闘ゲームと言いましょうか…定番の打ち上げからの空中コンボはありますし、また軸避けと縦斬り・横斬りを絡めた攻撃体系は、3D武器持ち格闘ではまず定番のものでありましょう。


 そんな格闘ゲームとしての格好は整って見える本作なのですが…しかし、初めてプレイした時には、正直なところ悪い意味で驚かされました。
 …イラストと実際のグラフィックが全然違う。

 いえ、もちろんキャラのイメージイラストと実際のゲーム中のキャラ造形が異なるのはある意味当たり前、2Dと3Dなのですから同じ方がおかしい(というのは言い過ぎか)。
 しかし本作においては、北千里による適度に漫画チックなイラストと比べると、3Dモデリングされた「不気味の谷」というのは言い過ぎにしても、別物感が強く漂います(試合開始前のロード画面に大きくイラストが表示されるので尚更)。

 またゲーム性の方も、大斬り一発の脅威こそシリーズの味を感じさせてくれますが、いわゆる飛び道具が削除されたことで、どうしても近距離での差し合いが増えて、窮屈な印象が漂います。
 もちろんこれはこれでリアルなチャンバラということはできますが、今度は空中コンボの存在が…
 この辺りは、格闘ゲームとしての定番と、シリーズの個性とのせめぎ合いではあると思いますが、どうせやるのであれば、思い切りどちらかに極端に振れて欲しかった、とは感じます。

 そして個人的にもっとも大事なキャラ(とストーリー)なのですが、こちらも今一つ…地味の一言。
 それなりにキャラ造形の積み重ねがあるシリーズおなじみのキャラはともかく、新顔のほとんどは、デザインに一発でこれ、という取っ掛かりがあるキャラが少ないのが苦しい。
 新主人公の猛千代も、ぱっと見のデザイン的には悪くないのですが、動かしてみると悪く言えばモブキャラ的に見えてしまうのが苦しい。和風ゴスのヒロイン・鈴姫はその中でも一人気を吐いていると言えますが…
(ちなみに物語の中心が海外ということもあって、新キャラのほとんどは外国人。これがまた個性の薄さに繋がっているように感じられるのです)

 もっとも、良くも悪くも地味な、実際の世界にももしかするといそうなキャラクターデザインというのは、SNKの格闘ゲームの味の一つではあります。ラスボスがプロイセン軍人的なコスというのも、これはこれで悪くありません。
 しかし、先に述べたゲーム性から来る地味さの部分もあり、もう少し踏み出しても良かったのではないか、とは正直なところ感じます。
 それであればせめてストーリー面で弾けてくれれば良かったのですが、魔界のマの字もない展開はどうにも…


 ネガティブな感想ばかりになって本当に申し訳ありませんが、これが正直なところ。新しいものを求めすぎて、違うものに行きあたってしまったというところでしょうか。
 来年はシリーズ20周年ですが、その時にはこのシリーズらしい新作に出会いたいものですが…さて。

「サムライスピリッツ閃」(SNKプレイモア Xbox360用ソフト) Amazon
サムライスピリッツ閃

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 「サムライスピリッツ 天下一剣客伝」 シリーズの魅力を再確認できる良作

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2012.06.30

「夜の魔人といくさの国 さまよえるヴァンピール」 吸血鬼も戦国史の一ページ?

 最近はTVゲームでダウンロード専用ソフトが増えていますが、その中には時代ゲームファンも見逃せない作品も含まれています。
 今回取り上げる「夜の魔人といくさの国 さまよえるヴァンピール」もその一つ。日本の戦国時代をモデルにした世界で、吸血鬼の生活を体験するという非常にユニークな作品です。

 本作は一見ファンタジーのようなタイトルですが、ここで言う「いくさの国」とは、戦国時代の日本を思わせる戦国乱世の島国。
 主人公は、この国に派遣されてきたヴァンピール=バンパイア=吸血鬼となって、覇王「織田のぶなが」の血を吸うことを目的として活動することとなります。

 というと、かのドラキュラ伯爵の如く堂々たる吸血鬼を想像しますが、主人公はまだまだ駆け出し。乗っていた船がいきなり転覆して、無一文の状態でいくさの国に上陸し、戦国ライフを開始することとなります。

 こうして始まるゲームは一日を昼と夜に分け、それぞれでコマンドを繰り返して進むこととなります。昼は人間の世界に立ち交じって(どうやら日光は平気な様子)仕事をしたり、町の人間と交流したりして暮らし、夜は吸血鬼となって町の人の血をすすったり、邪悪な魔力を発揮してしもべを操ったり…
 吸血鬼といえど、いきなり大魔力を発揮してのぶながを襲うのは不可能。まずは地道に表の世界で金や人脈をゲットして、裏でしもべや魔力を増やしていくというのが、まずは基本となります。

 さて、本作の舞台は、冒頭で述べたとおり戦国時代の日本的世界。織田家があるだけでなく、上杉・武田・今川等々、戦国大名が群雄割拠しています(言い忘れましたが、本作のマップは日本ほぼ全土をカバー。スタート地点はランダムですので、プレイによって別々の大名の城下町から始まることになります)。
 そしてこの世界で暮らすのは主人公だけではありません。大名や家臣といった武士たち、そして城下町で暮らす職人・農民・商人等の町人たち…ほとんど無数に感じられる人々が、日々の暮らしを送っているのです。

 そのため、ゲームでは主人公の全く与り知らぬところでも人々は動き、その結果の甚だしきは、大名家の興亡として表れることとなります(もちろん吸血鬼として勢力を伸ばして、裏から大名を操って他国を滅ぼすことも可能ですが)。
 そんな(全く無力ではないけれども)自分も大きな歴史の流れの中に立つ一人に過ぎない、という感覚が、吸血鬼というファンタジックな題材を扱いつつも、実に歴史ゲームしていて楽しいのであります。

 さらに本作は、ゴールに向かう道はほとんど無数にあります。
 吸血鬼として真面目に(?)活動に励んで急速にしもべを増やすだけでなく、商人や職人に徹してひたすら金を儲ける、土地の人間と結婚してごく普通の家庭を営む、はたまた国から国へ流浪の旅を続ける…
 この辺りの自由度の高さは、戦国ライフシミュレーションの名作「太閤立志伝」を彷彿とさせられました。


 もちろん本作は定価700円のダウンロードゲーム、グラフィックはほとんどなく、キャラクターのデータは数字で、行動の結果は文章で示されることになります。さらに、自由度が高すぎて何をしたらいいか戸惑うこともしばしばで、その意味ではプレイする人を選ぶゲームではあるかと思います。

 しかしそれでもなお、歴史の中で生きる(言い換えれば「さまよ」う)ということを、無味乾燥になる一歩手前で――この辺り、主人公を吸血鬼という適度に(?)人間離れした存在としたことが生きています――存分に味合わせてくれるというのは、実に得難い体験ではあります。
 一気にクリアを目指してプレイするのではなく、歴史の頁を一枚一枚繰るつもりで、少しずつプレイしていくとぴったりな、そんなゲームであります。

「夜の魔人といくさの国 さまよえるヴァンピール」(ポイソフト ニンテンドー3DSダウンロードソフト)


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2012.05.06

「風雲! 大籠城 改」 設定も楽しいタワーディフェンス

 時は太平、戦乱が遠い過去となった時代。しかしそんなある日、突如現れた闇の軍団が日本各地を襲撃、各地を守る城が危機に陥ってしまう。この窮地に幕府が頼ったのは籠城を専門とする忍者の一族・籠流だった。将軍直々の依頼を受けた当代の籠流当主・城守は、各地の城を守るための戦いに旅立つ。

 TVゲームのジャンルの中に、いわゆるタワーディフェンスゲームというものがあります。分類で言えば、シミュレーションゲームに分類されるリアルタイムストラテジーの、さらにサブジャンルということになるでしょうか。
 簡単に言えば、その名の通り、塔などの拠点を防衛するゲーム、決められた目的地への敵の侵攻を防ぐため、通路の途中に、様々な種類のユニットを配置して、敵の妨害・撃退を行うことにより、一定時間拠点を守る…という内容であります。

 本作は、そのタワーディフェンスを、時代ものに置き換えた作品。
 タワーをお城に、防御側のユニットは槍兵・弓兵・鉄砲・武将・大砲に、攻撃側のユニットは侍や忍者、妖術使いに――
 身も蓋もない言い方をしてしまえば、そのままタワーディフェンスの骨格に時代もののガワを被せたものではあるのですが、しかしそれでもゲームとして違和感なく、そして時代ものゲームとしても楽しいのは、元のゲームバランスの良さと、時代ものへのアレンジの巧みさなのでしょう。

 正直なところ、時代ものとしての本作は――ガワとしての部分を除けば――絵巻(ストーリー)モードの幕間の紙芝居的やり取りがメインなのですが、しかし、タワーディフェンスという概念を「籠城」という一言に置き換えて、その上で「籠城専門の忍者一族」という設定を提示してみせるのには、もう痺れるしかない…というのは甘すぎるでしょうか。
(真面目に見ると、メインキャラの中に大岡越前の弟がいることから享保年間と思われるのに、城守に付き従う老忍者が若い頃は戦国時代、という謎の設定ではあるのですが…まあ、五稜郭ステージがある時点でファンタジーではあります)

 と、妙なところで喜ぶ時代ゲームファンはともかく、純粋にゲームとして本作が良くできていることは、パッケージソフトとしての発売後、絵巻モードなしで数ステージを抜き出した(あるいは新たに設定した)「甘口」「辛口」「中辛」の各ダウンロードソフトが発売され、さらに先日、いわば完全版として「風雲! 大籠城改」が発売されたことからも察せられるというものです。

 単純なようでいて意外と合う合わないの出やすいタワーディフェンスですが、その入門編としても楽しめる良作であります。

「風雲! 大籠城 改」(河本産業 ニンテンドーDSiウェア)


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2012.03.04

「ひらり 桜侍」 見切りが生み出す真剣勝負感

 最近はダウンロード配信専用のゲームも当たり前になってきて、パッケージソフトだけに目を向けていると、嬉しい不意打ちを受けることがあります。
 ニンテンドー3DS用の「ひらり 桜侍」もそうしたダウンロード配信ソフトですが、なかなかにユニークなチャンバラアクションゲームとなっています。

 本作は、少年剣士・桜丸(初期の横山光輝キャラ的なビジュアルがちょっと楽しい)を操って、悪者に捕らわれたコノハナサクヤヒメを助け出すという3Dアクションゲーム。
 全三章構成と一見少なめですが、一つの章は結構な数のステージから構成されていて、一つのステージをクリアすることで、新しいステージへの道が開けていくというシステムとなっています。

 さて、桜丸の基本動作は、移動の他は基本的に「避ける」「斬る」のみ(その他「防御する」「アイテムを使う」もありますが)と、非常にシンプルなものなのですが、実はこれが想像以上に奥が深い。
 というのも、相手の攻撃をギリギリでかわすことにより、攻撃してきた相手に大きな隙が生じる(相手に連続攻撃できる)「見切り回避」という状態になるのですが、この状態を狙っていくのが実に熱いのであります。

 本作では、雑魚敵であれば、少なければ一回、多くとも数回斬りつければ倒すことができます。しかしそれは(耐久力の違いこそあれ)自分も同じ条件。
 つまり、基本的には一発くらえば大ダメージという真剣勝負状態で戦いが繰り広げられることになるのです。

 そして、実際の(?)チャンバラでもそうですが、闇雲に攻撃しても相手に刃が届くことはなく、むしろ自分の側に隙ができて斬られることもしばしば。
 そこで相手の攻撃を読んで、見切り回避を発動することにより、相手の攻撃を躱しつつ、相手の隙を誘う、というスタイルが必要となってくるのであります。
(ちなみに、相手の攻撃が出る瞬間に斬りつけるというテクニックもありですが、これも相手の攻撃を読むことが必要なのは言うまでもありません)

 そんな本作をプレイしてみると、その設定やキャラクター以上に「時代劇」しているゲームという印象が強くあります。
 下手を打てば一発で終わる、しかし守っているだけでも決して勝てない。そして、知識だけあっても、感覚として技を自分の元としなければ使いこなせない。
 そんな真剣勝負の感覚を、本作はゲーム的なディフォルメを加えつつ、巧みに再現していると申せましょう。

 もっとも、それ故に本作は難易度が――特にこの見切り回避を「体得」するまでは――かなり高く、それゆえ見た目の親しみやすさとは裏腹に、かなり敷居が高く感じられる面も否めません。
 その意味では人を選ぶ作品ではありますが、しかし、このチャンバラ感覚を、お手軽に楽しめるというのは実に魅力的。

 チャンバラ好きであれば、ぜひ一度試していただきたい(まあ、700円と安いですしね)佳品です。


 ちなみにニンテンドー3DSといえば、立体視が売りの一つですが、本作のグラフィックは実は3DSソフトの中でも屈指の3D映えをするものとなっているので、その点でも手にとっていただきたいところであります。


「ひらり 桜侍」(任天堂 ニンテンドー3DS用ソフト)


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2012.02.28

「えどたん」 探偵の目で江戸を見る

 推理小説ファンの高校生・天道未来は、落雷とともに230年前の江戸時代にタイムスリップしてしまう。そこで殺人事件に巻き込まれた未来は、自分の先祖で南町奉行所の同心・天道今一とともに事件解決に奔走することとなる。それ以来、未来は次々と難事件に巻き込まれることに…

 タイムスリップもののサブジャンルと言いましょうか、「現代人がタイムスリップして、現代の科学や知識を利用して活躍する」作品群があります。
 おそらくその元祖は、マーク・トゥエインの「アーサー王宮廷のヤンキー」辺りではないかと思いますが、我が国の時代ものにも、もちろんそうした作品が決して少なくない数存在するのです。

 本作「えどたん」も、そんな作品の一つ。偶然(?)、江戸時代にタイムスリップしてしまった推理小説ファンの高校生が、江戸の探偵――すなわち「えどたん」として活躍するオムニバス・アドベンチャーゲームです。

 わけもわからぬままに安永7(1778)年の江戸に現れてしまった主人公・天道未来。
 ところが彼の目の前には殺された岡っ引きの死体が転がり、彼はいきなり捕らえられる羽目になってしまいます。
 しかも彼を捕らえたのは、ご先祖に当たる常町回り同心・天道今一。何とか事件を解決し、濡れ衣を晴らした未来は、今一の家に転がり込んで、時に好奇心から、時に正義感から、様々な事件に挑んでいくことになる…

 というのが本作の基本設定であります。
 ごくごく普通の現代の高校生である未来の武器になるのは、推理小説仕込みの推理術と、自分と一緒に江戸時代にやってきたアイテム(警察の鑑識官である父に荷物を届けに行く途中でタイムスリップしたという設定)。
 「未来の科学で捜査」というわけで指紋やルミノール反応を駆使して、江戸時代であれば迷宮入りな事件のカラクリを解き明かしていく…というのが本作の魅力の一つと言えるでしょう。

 しかしそれ以上に楽しいのは、江戸時代の知識は学校の授業で教わる程度しかない――すなわち、文化・風俗・社会制度等についてはほとんど知らない――未来が、事件の捜査の中で様々な江戸時代のナマに触れていく部分であります。
 奉行所のような治安維持体制、芝居小屋といった娯楽、庶民と武家の様々な違い等々…時代ものファンであればお馴染みの知識ばかりですが、しかし主人公のような、そしておそらくプレイヤーの大多数にとっては、ほとんど異世界に近い江戸時代に関する知識。
 本作では、これらを、大げさにいえば主人公の目を通じて追体験することができるわけです(この辺り、否応なしに目の前の事物を精査しなければいけない探偵もの、というジャンルは実に適していると感じます)

 そもそも、現代人が過去にタイムスリップする作品の肝は、現代人が現代の知識を使って過去で大活躍する点だけではなく、現代人が過去の事物に直接触れることによるカルチャーギャップ(そしてそれによる成長と相互理解)にあるのではないでしょうか。
 本作もその基本に忠実に、現代(未来)と過去の出会いから生じる、双方向の作用を描いているのであります。


 実のところ、時代ものとしてそれほど深いところまで突っ込んでいるわけではなく、謎解きとしてもかなり簡単な部類に入ります(今時このトリックはないだろう、と突っ込みたくなるようなものもありましたし…もっとも、作中でもスタッフからも同様に突っ込まれているのですが)。
 もともと携帯電話向けのゲームだったためか、ゲーム的にも、ほとんどコマンド総当たりでクリアできるものであります(更にいえば、UIもそれほど良いとは言えません)。

 それでも本作を最後まで楽しくプレイできたのは、さすがこのメーカーらしい、ツボを押さえた個性的なキャラクターたちの描写・設定と物語展開があることはもちろんであります(特に終盤、実は主人公の存在が…となる辺りは、実に面白い)。
 しかしそれ以上に個人的に嬉しかったのは、上に述べたようなタイムスリップものの基本をきちんと押さえた、丁寧な作品であったからにほかなりません。


 時代ものやミステリのマニアにはどうかと思いますが、それらに興味のある方が気軽に触れる分には、実に楽しい作品…
 こういう作品があっても、もちろん良いと思います。

 ちなみに本作は続編が発表されており、先日完結したばかり。
 私が本作をプレイしたiOS版の続編はまだのようですが、発売されれば、もちろんプレイするつもりです。

「えどたん」(カプコン iOS用ソフトほか)


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2012.01.13

「戦国BASARA3 宴」 帰ってきたお祭り騒ぎ!

 年末の大作ラッシュもあって今頃恐縮ですが、ここしばらく少しずつ「戦国BASARA3 宴」をプレイしておりました。
 簡単に言ってしまえば、「戦国BASARA2」に対する「2英雄外伝」的な位置づけの、「3」の拡張版タイトルであります。

 というわけで、「3宴」の前に「3」が当然あるわけで、私ももちろんプレイしていたのですが――個人的には(あくまで個人的には)、あまりノれなかった、というのが正直なところでありました。

 「2」までは、設定あってストーリーなし…と言っては言い過ぎかもしれませんが、史実をディフォルメした設定を持つ戦国武将たちが好きにぶつかり合う、言ってみれば「スーパー戦国武将大戦」といった感覚。
 それが、史実とのギャップをいい具合に緩和した、一種のお祭り騒ぎとして魅力に感じられたのです。

 一方「3」は、これまで以上にストーリーに――言い換えれば史実、というか作中の歴史に――重点を置いた作品。関ヶ原の戦を舞台に、東軍と西軍の武将それぞれが激突する「3」は、中心となるストーリーがあるだけに盛り上がることは間違いありません。
 しかし、「2」までに登場した武将のうち、結構な人数が削除(ストーリー上死亡扱いなど)されたりプレイヤーが操作できないNPC扱いになっていたり…と、お祭り騒ぎを楽しみたい私のような人間には、いささか残念な内容ではあったのです。

 …と、そんな中に登場したのが、本作「3宴」。
 松永久秀、片倉小十郎、猿飛佐助、小早川秀秋、天海、最上義光、立花宗茂、大友宗麟と、8名のキャラクターにストーリーモードが追加。
 そのほかにも(前作ではストーリーモードに統合された扱いだった)天下統一モードで、全作NPCだった12名(松永を除く上記メンバー+)上杉謙信、かすが、前田利家、まつ、北条氏政)+松永久秀と武田信玄が使えるようになっています。

 結局、秀吉や半兵衛、濃姫に蘭丸ら、ストーリー上死亡したキャラの参戦はありませんでしたが(これはまあ仕方がない)メンバー的には、これでまず完全版と言ったところでしょうか。
 特に天下統一モードは、ストーリー性こそほとんどありませんが、日本全国を舞台にして、この賑やかな面々が国盗り合戦を繰り広げるという内容。まさしくタイトル通りに「宴」――お祭り騒ぎが復活した印象で、嬉しいところであります。


 …そして、それ以上に個人的に何より嬉しいのは――これは完璧にキャラファンの視点ですが――松永久秀のプレイヤーキャラ化であります。

 本作の久秀は、独特の美学のみを基準に動く一種の怪人。
 その言動は、常人からすれば完全に悪とも狂気とも取れるものではありますが、しかし完全に突き詰めてしまったその姿は――藤原啓治の声も相まって!――どこか魅力的ですらあります。
 史実からの過剰なディフォルメがごく普通のBASARAシリーズにあっては、むしろ地味な部類(でもまあ、攻撃技で周囲を爆破しまくるのが、実に本シリーズらしい)にはいるのですが、しかし、それがまた逆に印象に残るのであります。

 もちろん、史実では関ヶ原の時点では既に亡くなっている人物ではありますが、本作では生きていたという設定。
 おそらくは「死んだ」際に失った平蜘蛛の代わりとなる宝を求めて戦場をさまよい、政宗も幸村も三成も家康も信長も、すべて自分の獲物として狩ろうとするそのストーリーモードは、もちろん一種の外伝ゆえに許されるものでしょう。

 しかし、その無茶苦茶ぶりが、本シリーズらしく、また本人らしい…
 と、ここまで読めばおわかりかと思いますが、私は(本シリーズの)久秀ファン。本作を「3」以上に気に入ったのも、もちろん上記の通り、お祭り騒ぎが復活した点はあるのですが、それに勝るとも劣らず、久秀プレイヤーキャラ化の点にあります。
(そんな私でも、久秀が一番大きく場所を取っているパッケージは、本当にこれで大丈夫か不安になったりもしますが)


 と、まんまと売り手の思惑にはまった感もあり、その辺りは忸怩たるものがあるのですが、まずはお祭り騒ぎとキャラという、シリーズの魅力を値段分は楽しむことができたということで…

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戦国BASARA3 宴

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2011.03.05

「戦国無双Chronicle」 合戦を動かすという快感

 先日発売となった新ゲーム機「ニンテンドー3DS」。予想通り…といいますか、発売日には売り切れ続出だったのですが、比較的安定供給されているのか、数日遅れで手に入れることができました。
 というわけで、このブログ的には一番気になる「戦国無双Chronicle」紹介であります。

 さて、最初に正直なところを言ってしまえば、発表当初は本作に期待はしていませんでした。

 無双が3D化というのに、さして興味がそそられなかったことはありますが、何よりも、本作が、エディットキャラを主人公にして武将たちは脇役的に登場という内容が気に入らなかった点が大きい。
 ご存じの方も多いと思いますが、戦国無双は、有名武将等から一人選んで、そのキャラの史実をベースにしたストーリーをクリアしていくゲーム。そこから外れたことで、良く言えば様子見、悪く言えば手抜き的なものを勝手に感じ取っていたのですが…

 しかしこのスタイルが、実は面白かったのです。
 河越夜戦から大坂夏の陣まで、クロニクル…年代記の名に違わず、戦国史に名高い戦場を、名もなき兵士の視点で経験できるというのが、予想以上にエキサイティング。
 これまでのシリーズでは、各武将のストーリーで主人公に華を持たせるため、史実と異なる展開になることもままあったのですが、彼らをあくまでも歴史の登場人物の一人とすることで、かなり史実に近いストーリーが展開されるのに感心しました。

 主人公が様々な陣営、様々な合戦に参戦するのも、陣借りと思えば整合性もある…と、「陣借り平助」気分でプレイできるのも楽しいのです。
(まあ、設定上は実に70年間も戦場にいることになってしまうのですが、そこは目を瞑りましょう)


 しかし、それ以上に驚かされたのは、本作がこれまでのシリーズと比べて段違いにゲームとして面白いことであります。

 実は本作は、合戦中に操作するキャラクターを主人公以外の武将に切り替えることが((さらに、操作キャラ以外の武将に目的地や戦う相手を指示することが)できるのですが、これが非常に効果的なのです。

 戦国無双では、自分以外の武将も合戦に参加し、それぞれの場所で戦っているのですが、これまでのシリーズでは、結局戦うのはプレイヤーの操作キャラで、それ以外はあくまでもおまけ的な印象が強いものでした。
 しかし本作では、プレイ中にそのそれぞれの武将に(もちろん全員ではなく、最大四人までですが)切り替えることによって、ある程度戦場を自由にコントロールできるのが面白い。

 たとえば、二面作戦を展開してくる相手に、こちらも軍勢を二手に分けて当たらせる。ある武将が強敵を引きつけている間に、他の武将が敵の本陣に突撃する。敵陣で孤立した味方を救うために、全軍を集結させる…
 無双の最大の魅力である一騎当千感を保ちつつ、RTS(リアルタイムシミュレーション)的な戦略性を与え――そして何より、自分が主体的に合戦を動かしているという快感を、このシステムは与えてくれるのです。

 任天堂の公式サイトの名物コーナー「社長が訊く」の本作の回を見ると、無双シリーズの弱点である、ある場所からある場所に向かうまでの移動の単調さを解消させ、プレイ密度を上げるためにこのシステムを導入したとのことですが、その狙いは見事当たったというべきでしょう。


 残念ながら携帯機の限界か、一度に登場する敵キャラクターはさまで多くはありません。3D表示も、おまけという印象があります(あと、プレイに夢中になって3DSを持つ手を動かしてしまうと見えにくくなるのも弱点)。
 しかしそれでも、本作はハードの特性を活かしつつ、そして新しいアイディアを投入することによって、これまでにない魅力的な無双を成立させてみせたと感じます。

 初めてこのシリーズに触れる方にもおすすめできますが、何よりも、いままでシリーズをプレイしてきた人にこそおすすめしたい快作であります。

「戦国無双Chronicle」(コーエーテクモゲームス ニンテンドー3DS用ソフト) Amazon
戦国無双 Chronicle

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