2017.02.16

『風雲ライオン丸』 第6話『黒豹よ三吉を助けろ!』

 人間の子供を動物に変える研究のため、子供を狩り集めるケカビーに三吉が攫われてしまった。三吉を助け出すために豹馬を雇う志乃だが、途中で加わった獅子丸の目がケカビーの忍法で見えなくなってしまう。三吉が実験台になる時が近づく中、ようやく目が癒えた獅子丸に豹馬は勝負を挑もうとするが――

 開幕早々、ウェスタンな感じの村を襲撃する地虫忍者たち。何の説明もないので違和感バリバリですがそれはさておき、村の子供・平太と、折悪しく村にやってきた武士の子・信之助が攫われ、大人たちは武士を含めて皆殺しに……実はこれは奴隷にするため人間の子供を動物にする実験(???)のための人間狩り。あと三日の内に実験を完成させろと無茶を言うアグダーの命を受け、実験担当のケカビーが子供たちを集めていたのです。

 そしてその標的にされるビックリ号ですが、いきなり馬車の後ろから自分が発明した竹製の……爆発する水鉄砲? で地虫を蹴散らす三吉が恐ろしい。しかしケカビーの投げ縄に三吉が捕らえられ、志乃も万事休す……というところに、「礼は後でたんともらうぜ」とらしい台詞とともに豹馬が登場、地虫を蹴散らします。そんな豹馬に対し、志乃は、あるだけの金を払うと言って彼を雇うのでした。
 一方、件のウェスタン村を通りかかった獅子丸は、まだ息があった武士の最期を看取り、子供が攫われたことを知ります。

 さて、ケカビーの基地らしい、なんか凄いトーテムポール? が立ったテントに捕らえられていた三吉ら三人の子供。怖がって泣く平太に進之助が説教しているところにやってきたケカビーは平太を実験台に選び、自分のカビを混ぜたらしい液体を飲ませますが……そのシルエットは獣人のそれになったものの、しかし実験は失敗と宣言されます。
 一方、三吉を追う志乃と豹馬を密かに狙う地虫を脇から倒した獅子丸ですが、現れたケカビーが投げつけてきたものを切り払うとそれが爆発。吹き出したカビによるマントル忍法カビ流れで視力を奪われてしまいます。

 豹馬と獅子丸の連携で何とかケカビーを撃退した一行。獅子丸にどんな猛毒にも効くという三吉の薬を塗る志乃ですが、治ると思えば治る、治らないと治らない、しかし三吉は助けようと思えば助けられると、獅子丸は動ぜず先に進みます。
 さて、戻ったケカビーは、先ほどまでの態度はどこへやら、泣き出す信之助を実験台に使いますが、映像にもならず上半身だけ獣人化したと台詞で処理される始末。そして期限の明日、三吉も実験台にされることに――

 その晩、満月に向かって獅子丸の治癒を一心に祈る志乃、その満月に向かって盲目のまま刀を振るう獅子丸、その姿を見て奴は月を斬った!? という驚く豹馬……三人三様に過ごした一行。翌日、目が見えてきた獅子丸の目の焦点が志乃の横顔に合い、そしてその獅子丸を見て嬉しそうに微笑む豹馬というシーンも合わせて、本作には珍しい、仲々珍しい、若者たちの瑞々しい描写であります。
 しかしそこで獅子丸に勝負を挑むのが豹馬。そんな豹馬をなだめるために刀を抜く獅子丸も獅子丸ですが……しかしそこで平然と豹馬の腕に鞭を絡め、あなたは私に雇われているのよ、と言い放つ志乃が一番大人でした。

 そんな三人を迎え撃つケカビーと打ち合い、ケカビーの狼牙棒をはじき飛ばす豹馬ですが、しかし狼牙棒が爆発。そこから赤いカビを撒き散らす忍法カビ隠しにたじろいだものの、変身した獅子丸が志乃と豹馬を先に行かせ、単身ケカビーに挑みます。丁度その時、実験を監督に来ていたアグダーはブラックジャガーが来たと聞いてさっさと姿を消し、三吉は無事に救出されるのでした。
 さて、激しく斬り合う獅子丸とケカビーですが、鍔競り合いの中、ケカビーが口から微妙な角度でカビを吹き出したのに不意を突かれて刀を落とされ、さらにそこで水死体みたいなポーズで空を飛んで来るケカビーに苦しめられます。しかし、そこで豹馬が投げた刀をキャッチ、ケカビーを撃破するのでした。

 そしてピープロ的に助からないんじゃないかと心配した子供たち三吉の薬で人間の姿に戻り、さあ対決を、という豹馬を置いてさっさと獅子丸21歳は姿を消すのでした。


 本作にしては珍しく、作戦内容と怪人の能力が咬み合っていた今回、子供を獣人に変えるというのは仲々忌まわしいのですが、そちらの描写はあっさり目なのが残念。共通の目的のために行動する中で、少しずつ距離が縮まっていく獅子丸・志乃・豹馬の姿の方に重点が置かれていたということなのでしょう。


今回のマントル怪人
ケカビー

 古代の武人のような姿をしたカビの怪人。刀と狼牙棒を武器とし、赤いカビで相手の目を潰す忍法カビ流れ、カビの煙幕を作るカビ隠しを使う。子供を獣人に変える実験を続けていたが、豹馬と獅子丸の連携に倒される。


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 『風雲ライオン丸』 第5話「燃える水を奴らに渡すな」

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2017.02.09

『風雲ライオン丸』 第5話「燃える水を奴らに渡すな」

 犬山村一帯から涌きだした燃える水を狙い、たちまち村を占領した怪人ガー。燃える水を汲み上げるために周囲の人々をさらう地虫忍者に志乃までが攫われてしまった。村に潜入した獅子丸は志乃と村人たちを救出、三吉が仕掛けた爆発の隙に脱出するが、怒りに燃えるガーが執拗に後を追う。

 炭坑か何かの中で地面を掘る村人たち。と、地中から何かが吹き出した……と思えばそれは燃える水、つまり石油。いち早くその価値に気づいているマントル一族はガーを派遣、もの凄い勢いで村一帯を占領すると、村人を使って採掘を開始します。しかしそれでも人手が足りぬと地虫忍者は人狩りを始めるのですが……それに捕まったのが志乃。三吉が水を汲みに行った間に地虫に捕まってしまったのであります。

 そして地虫の魔手は、それとは別の場所で呑気に肉を食っていた獅子丸にも及びますが、獅子丸はからくもこれを退けます。
 一方、単身姉の後を追う三吉は、姿を隠しながら地虫の後を付けるのですが……険しい表情で脇の木に手を伸ばした彼の手がまるでわざとのように掴んだのは、彼の苦手なデンデンムシ。悲鳴を上げたおかげで地虫に追いかけられ、無駄に長い追いかけっこの末に捕まった三吉は、獅子丸に助けられるのでした。そして地虫の一人を生かして木から吊り下げ、「言わなければ黙って地獄へ行け」と手裏剣で脅して行き先を吐かせる獅子丸、マントル殺すマンに容赦はありません。

 さて、村の様子を探る獅子丸と三吉ですが、地虫は闇夜は人間を襲ってはいけないという迷信があるという獅子丸(どこで知ったのか……)は、夜に月が隠れた隙に村に潜入。残された三吉は、燃える水のガスが炎を上げているのを見て、「吹き飛ばしてやる」と、据わった目で物騒な言葉を吐きます。
 そして捕らわれの志乃と村人たちを解放した獅子丸ですが、逃げる途中で雲が晴れ、地虫が活動再開。当たる幸い斬りまくる獅子丸ですが、その時三吉が仕掛けた爆薬(前回の爆弾?)がそこら中で盛大に爆発。夜だけに周囲の闇に映える炎はえらい迫力で、特に櫓が爆発炎上するのはやり過ぎ感が――

 それはさておき、その隙に馬車に飛び乗って逃げる三人ですが、ここまでやられたガーは怒り心頭。「追って追って追いつめて、生まれてこなければよかったという目にあわしてやる!」とスゴい台詞を吐くと、「既知外みたいに」(獅子丸談)彼らを探し回ります。
 そこで馬車を藁を山積みにした荷車に偽装して峠を越えようとする三人。そこに地虫たちとガーが襲いかかりますが、馬車には誰も乗っていません。これはこれで怪しいのですが、深く考えていないのかガーがその場を去ると、藁の下から志乃と三吉、台車の下から獅子丸が顔を出します。間抜けなガーを出し抜いて無事に脱出した……と思いきや、やっぱり待ち受けていたガーと地虫。

 二人を先に行かせて一人戦う獅子丸を苦しめるガーの奥の手・口からの毒粉。しかし獅子丸はガーの頭にマントをかぶせた隙に脱出、ロケット変身! 最近は様になってきたクレーン吊りでの対決は、ガーが蛾モチーフということもあってなかなか面白いのですが……しかし地面に落ちたガーに、上から落下して刀をブッ刺すというライオン滝落としが容赦なく炸裂。
 これで爆破か……と思いきや、ガーの首が分離して飛行! 口からの毒粉でライオン丸に襲いかかりますが、しかし手裏剣で撃墜されたガー首を、今度こそライオン風返しが爆破するのでした。

 そしてまた二人と別れ去っていく獅子丸。以前はかかわりになりたくなさそうだった志乃と三吉も、今回はかなり同情的に彼の戦いの毎日に想いを巡らせるのでした。


 特撮ヒーローもの、特に特撮時代劇には定番の、悪の組織による強制労働ネタの今回。労働の対象が燃える水というのはなかなか面白いのですが、三吉による爆破シーン以外あまり話に絡んでこなかったのは残念。そしてあの後燃える水は……あれで全部爆発して、結局マントル一族の手には渡らなかったということでしょうか。


今回のマントル怪人
ガー

 犬山村一帯で見つかった燃える水奪取を命じられた蛾の怪人。両方に巨大な刃のついた棒と、口からの毒粉を武器とする。獅子丸に出し抜かれて執拗に襲撃するがライオン滝落に倒され、首だけを分離してなおも襲いかかるが及ばなかった。イボや棘のある胴体は、幼虫がモチーフか。


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2017.02.03

『風雲ライオン丸』 第4話「シトシト爆弾を守れ!」

 強大な威力を持つシトシト爆弾の秘法書を瀕死の男から預けられた豹馬。その行方を追うシャゴンは獅子丸が持ち主だと思い襲いかかる。一方、志乃と三吉と行動を共にする豹馬だが、三吉は秘法書を読み解いて爆弾を作り上げてしまう。そこに襲いかかるシャゴン。獅子丸も駆けつけ、決戦が始まる。

 この爆弾があれば天下を取ることも夢ではないというシトシト爆弾のデモンストレーションを行い、それを見ていた三人の男たちにアバウトに爆弾の残り与える老人(そのままフェードアウト)。しかしその爆弾を狙うマントル一族はシャゴンを派遣、男たちは地虫忍者に殺され、瀕死の一人が近くにいた深編笠の男に秘法書を預けるのですが……それが豹馬。何故か椿を咥えていた豹馬は襲いかかってきた地虫を一掃して去るのでした。

 一方、旅を続ける志乃と三吉ですが、二人の馬車を狙う怪人シャゴン……と思いきや、彼が待ち受けていたのは秘法書を持つ豹馬。のんびり立ち小便する三吉に、早く行けと焦るシャゴンというのは、本作には珍しいギャグシーンかもしれません。
 ようやく豹馬がやって来たものの、さらに獅子丸もやってきたのでシャゴンはどちらが標的か混乱。両方とも殺せと言いだし、地虫は豹馬を、シャゴンは獅子丸を追うことになります。ちなみにこの時の獅子丸、流れ星が落ちたところに怪人の巣がある……というナレーションとともに馬を走らせていたのですが、そんな設定初めて知りました。

 そして獅子丸をライフルで狙撃するシャゴンですが全然当たらず。ファニングで連射するものの(ライフルでできるのかしら……)、投げられたマントに気を取られた隙に手裏剣を撃たれて銃を取り落とし、さらに秘法書のことを勝手に喋ってしまう体たらく。獅子丸を若造呼ばわりしますが、赤い煙とともに消える姿は何とも格好悪い――
 一方、豹馬の方は志乃たちの馬車と出くわしますが、三吉は彼をあいつ呼ばわり。あいつじゃわからないという志乃ですが、冷静に考えてみれば豹馬は二人に名乗っていなかったかも。いずれにせよ、豹馬を冷たい目で見る二人は、彼からの用心棒の申し出をあっさり拒否します。

 と、馬車の行く先に大きな岩が。岩をどけようと手を貸す豹馬ですが、その間に彼が脇に置いた秘法書に三吉が興味を持ちます。漢字が羅列されている秘法書をまたたく解読し、試作を始めた三吉、豹馬たちの力でも動かせない大岩に爆弾を投げつけると、時間差で大爆発! ……三吉が一番凄い。
 と、そこに何者かの気配を感じた豹馬は二人を徒歩で先に行かせますが、周囲を謎の虚無僧たちが取り囲みますが、もちろんその正体は地虫たちであります。変身し、そこに現れたシャゴンの射撃も軽々と躱す豹馬ですが……着地したはずが落とし穴に転落。捕らえた豹馬の始末を任せてシャゴンは消えます。

 さて、地虫に見つかって追われる二人は、爆弾を投げながら逃げますが、その前にシャゴンが出現。そこに駆けつけた獅子丸は、鞭を使って試作品を奪いますが、テレポートしたシャゴンが再び奪取。今度は爆弾を投げつけてくるシャゴンの前に、動くに動けなくなってしまいます。
 と、そこに地虫をあっさり片付けてやってきた豹馬は、志乃と三吉に先に行こうと薄情なことを言い出しますが、もちろん二人が同意するはずもありません。怖いのね、と言われても動じず、金になるなら何でもするというゲスっぷりを見せる豹馬に、金を渡す志乃。そこで初めて変身した豹馬が攻撃を引きつけている隙に獅子丸は脱出、豹馬は地虫を相手にするとあくまでも省エネ野郎です。

 それはさておき変身のチャンスを得た獅子丸は、その勢いでシャゴンの手の爆弾をキックで叩き落としつつ名乗り! 刀を手にライオン丸に挑むシャゴンですが、だいぶ様になってきたクレーン吊りの末にばっさりとやられるのでした。
 そしてそのまま獅子丸が去って行き物語は幕……第2話の軍資金といい、シトシト爆弾の行方は一体(たぶんこの先も語られない)。


 女子供に嫌われても動じず、あくまでも金を求める豹馬の銭ゲバっぷりが印象に残る今回。普通だったらラストバトルで渋々無償で動くかと思いきや、本当に金をもらって初めて動くという展開は地味に強烈で、金を渡す志乃といい、本当にドライな世界です。しかしマントル殺すマンの獅子丸よりも人間臭くて魅力的に見えてしまうのもどうか……


今回のマントル怪人
シャゴン

 シトシト爆弾の製法を記した秘法書を追う怪人。ライフルを武器とし、赤い煙となって姿を消す。尊大な態度の割にはあまりに強くなく、ラストの一騎打ちでもあっさりと倒される。冷静に考えたらシャコというよりエビっぽいビジュアル。


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 『風雲ライオン丸』第3話 「火を吹く亀甲車」

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2017.01.27

『風雲ライオン丸』第3話 「火を吹く亀甲車」

 里見城下で蔓延する疫病の特効薬であるモチナシ草を、十五里離れた小沼村から運ぶことになった志乃と三吉。しかしモチナシ草はマントル怪人ドカゲに狙われていた。馬車を走らせる二人に幾度となく襲いかかるドカゲ。二人は豹馬の、獅子丸の助けを借りて先を急ぐが、その前に奇怪な車が――

 馬車(ビックリ号)で旅を続ける志乃と三吉が、途中の小沼村で引き受けることになったのは、村でしか生えないモチナシ草という薬草の輸送。疫病に苦しむ里見城下の人々のため、この薬草を運ぶことになったのですが……しかしそれを奪うべく命を受けたドカゲと配下の地虫忍者が二人を追います。
 途中、草むらに怪しげな岩を見かけた三吉が訝しむ一方で、突然車輪が止まってしまった馬車。志乃が下を覗き込んでみれば、地中から突き出た何本もの腕が車輪を捕らえているではありませんか。

 もちろん地虫の仕業ですが、ホラー的な演出の間に志乃が慌てて馬車を走らせたために置いて行かれることに。と、怒ったドカゲはマントルの掟と称して地虫を一列に並べると、先頭の一人以外が刀を掲げて……と、その後ろの地虫が前の者を斬り、次はその後ろが前を、と繰り返して最後はドカゲが最後の地虫を斬るという、狂気の総括であります。

 そんな間も馬車を走らせる志乃ですが、そこに待ち構えていた地虫の群れが再び襲撃。と、そこに駆けつけた獅子丸が地虫を蹴散らす間に逃れた二人は、敵を撒くために街道を外れ、川沿いの道を行くことになります。しかし、普通の道ですら危なっかしい馬車ですから、岩だらけの河原を走るのは危険極まりない。案の定、大切なモチナシ草の包みが幾つも川に流され、うち一つは手の届かないところに……元気な三吉もさすがに落ち込んで涙がポロリ。それでも志乃の優しい励ましを受けて立ち上がった三吉ですが――

 そんな間に馬車を奪って駆け抜けていくドカゲ。慌てて追いかける二人ですが、再び駆けつけた獅子丸は地虫を倒すと、ドカゲを引きつけて去って行きます。
 しかしなおも追いすがる地虫。密かに三吉が作っていた竹製のランチャーで目潰し弾を打って地虫を撃退していくものの、多勢に無勢、二人とも馬車から引きずり出されて……というところに響き渡る朗らかな若い声。偶然居合わせた豹馬が、退屈しのぎと二人の救援に駆けつけたのです。前回とは違う変身フォーム(しかし途中の微妙なメイクは変わらず)でブラックジャガーに変身し、地虫を蹴散らす豹馬。と、積み荷がモチナシ草と知った彼は金儲けのチャンスを目を輝かせますが、二人が人助けのために働いていると知り、つまらんと去っていくのでした。ちゃっかり今回のことは貸しにしておくと言い残して。

 さて、ようやく里見城下まであとわずかまで来たところで、再び現れた謎の岩。あからさまに周囲から浮いたその姿を怪しむ三吉の前で現れたその正体は――マントル一族の秘密兵器・亀甲車、いわば装甲車であります。そのデザインは亀というよりネズミとアルマジロとカタツムリを足してどうにかしたような不思議な外観ですが、しかし突き出した砲台から次々と放たれる爆裂弾は、この時代特有の本気の爆発連打で馬車を追い詰めます。
 そこに三度駆けつけたのは獅子丸! 二人をかばった獅子丸は、放たれた爆裂弾を拾い上げると爆発前に投げつけ、亀甲車を沈黙させると、残るドカゲと地虫に対し、ライオン丸に変身して立ち向かいます。

 しかし何故かドカゲが額につけている鏡に、殺気マンマンのライオン丸の顔が映る演出はいいのですがドカゲの実力はいまいち。剣を跳ね飛ばされ、ライオン丸が拾えと言っている隙に、左腕につけていた鈍器状の装甲を取り外して投げつけるのですが……爆弾となっている先端も効かず、下の部分を輪投げの要領で投げてライオン丸の刀を封じようとしても投げ返され……ライオン風返しで爆破されるのでした。
 そして志乃と三吉は無事に里見城下に到着し、獅子丸は二人と別れ、相変わらずの硬い表情で再びマントルを探す旅に――


 本作の特徴であるウェスタン風味が全面に押し出された今回、馬車という時代劇では実は珍しい乗り物を使ったチェイスというのはなかなか面白いアイディアだと思います(豹馬のキャラが出ているのも楽しい)
 ただ、志乃は基本的に猪突猛進(迂回路は使いましたが……)なので攻防戦としての楽しさに乏しかったのがちと残念。タイトルに登場する亀甲車も、もう少しケレン味を持たせればいいのに……とは思います。


今回のマントル怪人
ドカゲ

 モチナシ草を狙って志乃と三吉を追うトカゲの怪人。片腕を覆う防具は取り外し可能で、先端は爆弾になっている。亀甲車と連携して二人を襲うがライオン丸に一蹴される。長い尻尾を持つが特に意味はなかった。


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2017.01.20

『風雲ライオン丸』 第2話「荒野を走る黒豹」

 バラチの卑劣な罠にはまった獅子丸を助ける謎の青年剣士・黒影豹馬。一方、父の友人であったという百草寺の住職を訪ねる志乃と三吉だが、バラチは住職が対マントル一族のために蓄えていた軍資金を狙っていた。捕らえられ、窮地に陥った三人のもとに、豹馬が、獅子丸が駆けつける。

 冒頭、川辺で馬に水を飲ませながら自分は鶏もも肉にかぶりつく謎の深編笠。そこに現れた三人の破落戸は、大胆に深編笠の馬を奪おうとするのですが……散々挑発してきた相手を一瞬のうちに倒したその素顔は、総髪白面の青年でありました。

 一方、厳しい表情で旅を続ける獅子丸は、路傍に転がされたバラの花が突き刺さった死体に顔色一つ変えることなく、マントル一族の存在を感じ取ります。そしてその前に現れたのは、バラ+イタチという意表をついたモチーフの怪人・バラチ……いかにも強者めいた口調ですが、獅子丸にライフルをつきつけ、「飛び道具には敵うまい」とそのまま射殺しようとするかなりの卑怯者であります。
 しかし獅子丸はそのバラの花を打ち出す攻撃をマントで受け止め、バラチと対決するのですが……しかしどこまでも卑怯なのか、崖の上に地虫忍者を伏せていたバラチ。上から転がす岩に撹乱され、腕に矢を受けた獅子丸は、それでもライオン丸に変身、今度こそバラチと対決……と思ったらまだ上には伏兵が!

 ここまで来るとむしろ獅子丸が迂闊すぎる気もしますが、しかし彼が気づかぬ間に、地虫は導火線式のバズーカというとんでもない火器で彼に狙いを……と思いきや、その邪魔をしたのは先ほどの青年剣士。地虫を一掃され、形勢不利と見たかバラチが去った後、剣士は黒影豹馬と名乗り、獅子丸の腕が治ったら決闘しようと一方的に語って去るのでした。
 そして一人旅を続ける獅子丸は志乃と三吉に再会。行方不明の父の知り合いだという百草寺の住職を訪ねるという二人と野宿する獅子丸ですが、翌朝早くには別れも告げず、さっさと近くにあるマントル一族の陣地を求めて去ってしまいます。
(ここで志乃がギターっぽい楽器をかき鳴らしながら歌う「志乃の数え唄」が結構イイ)

 さて、百草寺を尋ねた二人ですが、住職は父の行方は知らないとのこと。一方、獅子丸に興味を示した住職は、マントル一族の脅威から人類を守るためには彼のような人間を集めて軍団を作ることが必要と、仏門の人間とは思えぬ発言をいたします。しかもそのための軍資金まで溜め込んでいるというのですが……そこに現れたのはバラチ。
 慌ててすっとぼける住職ですが、バラチの目的はその軍資金。住職を捕らえて鐘の中に立たせ、そのまま鐘をゴンゴン突くという、絵的には間が抜けているものの実際にやられたらかなりキツそうな拷問で痛めつけます。それには毅然と耐えた住職ですが、三吉が鞭打たれ、さらに志乃までも……となっては堪えられず、軍資金の場所に案内することを誓うのでした(ここで住職が見せる打ちひしがれた眼差しがイイというかイヤというか)。

 そしてついに掘り出されてしまった軍資金の櫃ですが……そこに突如踊り込んできたのは豹馬。抜いた刀をブンブンと回転させるポーズから微妙なメイクを経て、その名の通りのブラックジャガーに変身! さらに地虫を痛めつけてバラチの行き先を聞き出した獅子丸も駆けつけてロケット変身、ライオン&ジャガーとバラチ一味の決戦が始まります。
 自分の体を巨大な火の玉に変えて体当たりする火炎変化を繰り出すバラチ。しかし大してダメージを受けないライオン丸は、(今回もちょっと微妙な吊りの)空中戦の末、バラチを斬って落とすのですが……バラチが落ちたのは軍資金の櫃の上であります。あ、もしかして……とこちらの嫌な予感は当たり、そのままライオン風返しでバラチを爆破する獅子丸。その後軍資金のことは全く話が出なかったことを思うと――

 そして戦い終わり、獅子丸との決闘を望む豹馬。遊びじゃないと言われて真剣だ! と刀を抜くのはギャグかと思いましたが、相手にせず、馬に飛び乗ると去っていく獅子丸。そして志乃も、こんな連中と関わっていると命がいくつあっても足りないと言って別に去り、どこまでもドライな幕切れであります。


 ブラックジャガーの初登場以上に、バラチの卑怯っぷりが印象に残った今回。もう一つ印象に残ったのは、モブかと思いきや結構大きなことを考えていた(しかしその後活かされることはなかった)住職ですが……その後語られる志乃たちの父の素性を考えれば、なかなかドラマが感じられます。


今回のマントル怪人
バラチ

 バラを打ち出す銃と、斧に変化する槍を武器とする怪人。自らを巨大な火の玉に変えるバラチ火炎変化も使う。百草寺の住職が蓄えた軍資金を狙うが、獅子丸にあっさり倒される。大物めいた口調だがやることは卑怯。


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 『風雲ライオン丸』 第1話「飛び出せ弾丸変身!」

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2017.01.13

『風雲ライオン丸』 第1話「飛び出せ弾丸変身!」

 マントル一族の日本侵略が始まった。村祭りを襲撃する怪人ネズマと地虫忍者たちに立ち向かう弾影之進と仲間たちだが、歯が立たず全滅。兄の末期の言葉に戦いを決意した影之進の弟・獅子丸は、ネズマたちに襲われた旅の姉弟、志乃と三吉を守りつつ、ネズマに戦いを挑む。

 特撮時代劇全話紹介シリーズ、今回からはハードな作風が語り草となった『風雲ライオン丸』であります。

 その冒頭に登場するのは、兄・影之進と激しい武術の鍛錬を行う青年・弾獅子丸。演じるは前作『快傑ライオン丸』で獅子丸を演じた潮哲也氏ですが、本作では別人の設定。しかしその甘いマスクに浮かぶ明るい笑みは、同じものを感じさせますが……この先、彼は笑顔を忘れるほどの苛烈な運命を歩むこととなります。

 西日本の地底深く潜み、直径1,000m(!)という巨大な顔を持つ謎の存在・マントルゴッドに率いられるマントル一族。その彼らが日本全土を手中に収めるべく活動を開始したのであります。その東部戦線の指揮官となるのは、万能車両・六能陣車に乗った異形の男・アグダー。そして尖兵となるのは、マントル怪人近衛師団十三人衆(その後使われない設定)の一人・ネズマ――

 大仏の前で村祭りを楽しむ人々の前で突如ひび割れ、崩れていく大仏の内部から現れ、手当たり次第に人々に襲いかかっていくネズマと戦闘員の地虫忍者たち。異変を予見して集合していた影之進と仲間たちも敵の前に歯が立たず、仲間たちに逃された影之進を除き全滅し、影之進は、最期の力で獅子丸にマントル一族の侵略の開始を告げるのでした。
 虐殺の現場に向かい、その場に残っていた地虫忍者を手裏剣の連打で皆殺しにする獅子丸。しかしネズマの姿はそこにはなく――

 と、その頃ネズマたちが襲っていたのは、幌馬車で旅する志乃と三吉の姉弟であります。仕掛け一つで両輪から何本もの槍が飛び出す剣呑な馬車で地虫忍者を蹴散らしていこうとする二人ですが、しかしネズマの鞭に車輪を取られ、馬車は横転。絶体絶命のピンチに登場したのはもちろん獅子丸であります。
 が、彼とても二人を守って多勢と戦うのは容易ではなく、近くにあった小屋に避難、夜を明かすのでした(ここで色々と話しかけてくる志乃に、ぶっきらぼうな態度で接する獅子丸が、「本作の獅子丸」としての個性を出していて印象的)。

 夜のうちに小屋に仕掛けておいた罠にネズマが引っかかっている間に先を急ぐ三人。しかし復仇に燃えるネズマたちが追いつき、ついに絶体絶命となったその時――獅子丸は背中に隠していたロケットに点火、忍法ロケット変身の炎とともに天空高く舞い上がり、戻ってきたその姿は兜を被った黄金の(?)獅子、風雲ライオン丸!
 地虫忍者を蹴散らしたライオン丸はネズマと対決、一度はネズマの放った四頭の鎌によって地面に縫い止められ窮地に陥るも、奪ったネズマの鞭でネズマを捕らえ形勢逆転。降伏は死に値すると拒んだネズマと最後の対決に望みます。

 宙高く舞い上がっての剣戟の末、ネズマを斬ったライオン丸。その彼に、マントル一族とは何者か、誰に率いられているか問われたのにも答えず、マントルゴッドの名を讃えて(えっ)倒れるネズマに、ライオン丸はライオン風返しで止めを刺すのでした。
 そして志乃や三吉たちの声を背に、一人獅子丸は戦いの旅路へ――


 というわけで、マントル一族の登場と、それに孤独な戦いを挑む獅子丸の姿に焦点を絞ったこの第一話。そのためか、ネズマの行動が侵略の尖兵らしからぬ小規模なものだったり、影之進たちが結局何者かわからなかったり(どこかの家中に仕える侍たちのようでしたが)、何よりも獅子丸がロケット変身できる理由もわからず……と、正直なところ唐突な印象は残ります。
 しかし最後の点は、その辺りを伏せておいたがためにクライマックスでの変身→逆転が実に印象的なものとなり、その変身ヒーロー史上に残るであろう変身シーンのインパクトも含め、ヒーローものの第一話としてはなかなかの滑り出しではないでしょうか。

 ネズマとの地に転がり、宙を舞うバトルも、なかなかの見応えでありました(ちょっとクレーンによる吊りチャンバラは不安定感が強かったですが……)


今回のマントル怪人
ネズマ

 マントル一族の東部戦線侵略の一番手となったマントル怪人近衛師団十三人衆の一人。平刃の槍と革鞭、四頭の鎌を武器とし、鎌からは火の玉も放つ。地虫忍者とともに村祭りの人々や影之進たちを殺害したが、ライオン丸との死闘の末に倒される。


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2017.01.07

『飛び出す冒険映画 赤影』

 昨年は『仮面の忍者赤影』を全話紹介いたしましたが、TVシリーズに加えてもう一本、赤影は存在しています。それが本編終了後に東映まんがまつりで上映された本作。TV本編と同様、Amazonプライムで観ることができるようになりましたので、ここに紹介いたします。

 本作はいわゆる総集編、第一部金目教篇から第1・2・5・6話を編集し、50分強の作品にまとめたもの。しかし単純な総集編ではなく、新撮部分を追加し、その部分が立体映画(それゆえ「飛び出す」)となっているのがミソであります。

 今でこそ3D映画は珍しくありませんが、本作は赤と青のセロファンのついた専用のメガネを用いるタイプ。このメガネ、赤影の仮面型をしていたとのことで、なかなかニクい趣向であります。
 もっとも本作、新撮部分のみが立体のため、その部分になると仮面をつけなくてはいけないのですが、その直前に赤影や白影が仮面をつけるよう、画面のこちら側に呼びかけるのが何とも楽しいのです。
(オープニングの時点で、カラフルな光を背景に赤影のシルエットが語りかけてくるのもイイ)

 もっとも、今回観たAmazonプライムビデオ版では、この立体部分は白黒で、他のシーンがカラーなのに対して逆に見劣りしてしまうのが皮肉ですが――


 さて、内容の方は上で述べたとおり、4話分の再編集。簡単に挙げれば以下のようなシーンから構成されております。

・金目教の暗躍と赤影・青影の派遣
・赤影vs鬼念坊(新撮)
・赤影vsガマ法師の大ガマ(一部新撮)
・捕らわれの青影を襲う悪童子。白影vs悪童子
・赤影vs傀儡甚内、樹上の戦い
・幻妖斎の罠に捕らえられた青影を救う赤影
・敵の罠にかかった白影。白影vs朧一貫(新撮)
・金目像大暴れ。赤影vs幻妖斎(新撮)。金目像vs三人

 バトルシーン中心の編集(そのため数分おきに流れる印象の忍者マーチ)でかなり駆け足ではあります。また、いきなり霞谷近くの寺の住職と娘が登場するなど一部繋がらない部分もあります。
 しかし全体としてみれば、夢堂一ッ目を除く七人衆を全員登場させており(闇姫はほとんど顔見せ程度ですが)、なかなかよくできた編集であるかと思います。


 そして上でも挙げていますが新撮場面は以下の4シーンであります。

(1) 赤影と鬼念坊との対決。鬼念坊の振り回す金棒がかなりオーバーに大きく見えます。これを躱した赤影が一刀を浴びせると、鬼念坊の写真がビリリと破けるという豪快な演出にひっくり返りました。

(2) 赤影と大ガマの対決の一部。おそらく大ガマの吐く炎が飛び出すのだと思いますがシーンとしては短め。

(3) 単独行動の白影を襲う朧一貫。下忍を蹴散らされた一貫、白影を置いて崖の上に登ったと思ったら、そこから下駄を手に飛び降り、飛び出した文字通りの下駄の刃で襲いかかる忍法はげたかを披露します(一度攻撃した後、バタバタ羽ばたいて上に登っていくのが愉快)。しかし見切られて破られ、ペラペラの紙に――

(4) 金目像から楓を救い出した赤影の前に現れた幻妖斎、忍法風水雷で猛烈な嵐を起こし、赤影たちを圧倒。さらに崖まで崩れ絶体絶命の赤影……が、仮面の宝石が輝けば重力反転(フィルム巻き戻し)、驚く幻妖斎は岩に潰され息耐えた(?)のでした。


 というわけでなかなか見応えのある新撮シーンですが、これが実質最後となった出演者たちの熱演が嬉しい。
 特に新撮部分の幻妖斎は、もんのすごいオーバーアクト(特にアップはほとんど顔芸レベル)が実に楽しそうで、やはり幻妖斎は行者姿がイイなあ……と再確認したところです(あと、妙にもみあげがワイルドな赤影)。


 そしてラストは赤影がこちらに向かっていきなり拳を突き出し、これに驚かなかった人は忍者の素質があるよ、ハハハと笑っておしまい。
 これが最後の赤影かと思うとかなり寂しいのですが、しかし最後まで赤影は笑っていたと思えば、それはそれで素敵なことだと思うべきでしょうか。


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2016.12.16

『仮面の忍者赤影』 第52話「六大怪獣包囲陣」

 地獄谷で陽炎と青影が処刑寸前のところに現れた赤影と白影。奇策で黄金の仮面を奪い、二人を救出した赤影たちだが、雷丸は思わぬ形で逆転の罠を仕掛けていた。ジジゴラとその体内から復活した怪忍獣たちに包囲された赤影たち。絶体絶命の窮地に、陽炎の呪文が黄金の仮面の真の力を引き出す――!

 陽炎だけでなく、ジジゴラの口から出てきた青影も磔柱に縛りつけられ、処刑はもう目前のところに馬で駆けつけた赤影と白影。二人に対し、雷丸は結局自分では解き明かすことができなかった黄金の仮面の真の秘密を明かすよう迫ります。人質を取られ、苦悶する赤影……と、次の瞬間にはいつものエフェクトで赤影が崖の上に参上!
 あれ、場面の繋ぎがえらい雑だなあ、と失礼なことを思ってしまいましたが、ごめんなさい、赤影と白影は依然として雷丸の前に。ではこちらの二人は一体と思いきや、こちらの赤影の方は驚く雷丸に猛然と飛びつき、黄金の仮面を奪還、崖の上の赤影も二人を救出いたします。これは新たな味方が登場!? と思いきや、実は馬上の白影は変わり身の人形、仮面を奪った赤影は白影の変装でした。

 そして本当に久々の(本物は第二部以来?)の白影の忍凧で一行は悠々とその場を脱出するのですが……一安心と思ったところで、青影から変な匂いがすると言い出す陽炎。その言葉に怪訝な表情を見せる赤影と白影ですが、突然青影が腹痛を訴えたため、一行はひとまず野宿することとなります。そして一行が寝静まった頃、むくりと起き上がった青影は怪しげな発煙筒を焚いて黄金の仮面を奪い取り、どこかの洞窟に入っていくのですが――
 そこで待ち受けていた雷丸は、つけてきた人間がいると指摘、もちろんこれは赤影と白影であります。青影を取り押さえて雷丸に迫る二人ですが……そこで青影が一瞬のうちに見上げるほどの巨漢に変身! 自分よりも遙かに小さな青影に化けたでっかでか東馬の術と怪力にさすがの二人も取り押さえられ、形勢は再び逆転するのでした。

 実はここはジジゴラの体内、本物の青影は、冷凍保存(?)された五大怪獣に囲まれて牢に入れられ、赤影と白影も意識朦朧な状態に。一方の雷丸は仮面を手にして祝杯を挙げるのですが――。と、そこで青影が、かつて姉が練習していたという呪文を思い出します。「ぱよよ~ん……」ってハァ? というこちらの困惑をよそに青影が唱えた呪文は黄金の仮面を巨大化させ、その下敷きになった雷丸は「わしは死ぬぞー」と赤影に助けを求めます。
 こういう時にはとことん下手に出る雷丸ですが、青影の再呪文で救出された途端「ジジゴーラ!」とジジゴラを起動。さらにジジゴラの口から飛び出した五大怪獣が巨大化(等身大だったギロズンまで……)文字通りの六大怪獣包囲陣であります。その間にあっさりと東馬を倒した赤影と白影ですが、ギロズンの煙に動きを止められ、ガガラの火炎にザバミの泡と猛攻に晒されることに――

 と、一人野宿の場所に残されていた陽炎は異変を察知、岩にぶつかりながらもその場に駆けつけ、赤影たちを救うために呪文を唱えます。「ぱよよ~ん。ぴよよ~ん。ぷよよ~ん」……誰ですかこんな呪文を考えたのは、というこちらの静かな怒りはさておき、黄金の仮面の宝珠から赤い光線が次々と放たれ、五大怪獣は連続爆破。そしてジジゴラも光線に打たれて苦しむと……その姿は雷丸になり、そのまま息絶えるのでした。白影は「人間ではなかったんですな」と言っていましたが、いや雷丸とジジゴラは別々に行動していたわけで、この辺りは実にアバウトだなあ……

 何はともあれ悪は滅び、赤影たちは飛騨に帰っていきます。青影は赤影に譲られた仮面をつけ、そして赤影は黄金の仮面をつけ――
「天下晴れての日本晴れ! いやーいい気持ちでござるわい」という白影の言葉そのままの大団円であります。


 ……と言いつつ、やっぱり色々とアバウトな点は気になった最終回。呪文とかジジゴラの正体とか色々ありますが、赤影があまり活躍しなかったのが個人的には気になりました。


今回の怪忍者
魔風雷丸

 魔風忍群を率いる頭領。悪辣かつ残忍、卑怯だが、普段は剽軽な表情を見せる怪人物。数々の罠と陰謀で赤影を苦しめたが、一心同体の(?)ジジゴラが倒れて共に滅んだ。

でっかでか東馬
 名前通りの怪力の巨漢。その体とは裏腹に青影に完璧に変装して黄金の仮面を奪ったが、戦闘力はさほどでもなく、あっさり倒される。


今回の怪忍獣
再生怪獣軍団

 ジジゴラの体内で保存されていたグロン・ギロズン・ガガラ・ザバミ・バビランの五体。雷丸の命で巨大化し、赤影たちをその能力で苦しめたが、陽炎の呪文によって黄金の仮面から放たれた光線で倒された。


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2016.12.09

『仮面の忍者赤影』 第51話「決戦魔風忍群」

 雷丸に囚われたまま陽炎に続き、ジジゴラに青影までもが捕らえられてしまった。赤影たちの助けを待つ二人は、これまでの魔風忍群や怪忍獣との戦いを思い出していた……

 根来篇に続き、この魔風篇もラスト一話前は総集編。囚われの身となった陽炎が影の里が滅びていく過程と自分を巡る戦いの数々を、そして青影が姉を助けだすための怪忍獣たちとの戦いを思い出すという趣向であります。

 今回描かれるのは以下のシーンであります。
・魔風忍群とグロンによる影の里襲撃
・陽炎たちの脱出と影館の大爆発
・ギロズンに襲撃される陽炎たちと陽炎の身体検査
・闇の黒蔵が化けたニセ赤影との対決
・ガガラ出現と口無水乃の死
・ガガラ対ザバミと足切主水の最期
・バビランとの対決
・ジジゴラに攫われる青影

 登場忍者は夜目蟲斎、血汐将監、闇の黒蔵、口無水乃、足切主水、花粉道伯そして雲間猿彦……というわけで今回も怪忍獣中心のセレクトであります。
 一応猿彦も登場はするのですが、ほとんど顔見せ的な扱い。この魔風篇の一つの柱であった彼の葛藤、犬彦との対峙はさすがに短い時間で描けないということかと思いますが、少々残念ではあります。
(ちなみに今回の編集では、足切主水がザバミもろともガガラに敗れたような描写なのが楽しい)


 さて、根来篇同様、こちらも最終回一話前に魔風篇を振り返ってみれば、やはり怪忍獣の活躍が印象に残るとはいえ、物語の方向性としては全く異なっていたというのが(当たり前といえば当たり前かもしれませんが)正直な印象であります。

 以前にも触れましたが、根来篇が武将同士の争いに雇われる形でそれぞれの忍者集団が戦いを繰り広げたとすれば、今回の魔風篇は、純粋に忍者集団同士の争い。これまで赤影たちの雇い主として登場した織田家の人間は全く登場せず、影一族同士の生存のための戦いが描かれることとなります。

 その点では、ある意味もっとも歴史との接点が少ないパートと言うことができますが――まあ、特に第二部などは接点とはいっても本当に申し訳程度だったわけですが――もちろんそれで物語がつまらなくなるかといえばそういうことはありません。
 陽炎と黄金の仮面争奪戦という比較的シンプルな筋立ての中で、忍者と忍者、忍者と怪忍獣の、余人(武士)を交えぬことで純度の高い戦いを描いてみせたのには、また別の面白さがあります。

 そしてその面白さの一翼を担っていたのが、敵の首魁たる魔風雷丸であることは間違いありません。
 歌舞伎的なメイクでコミカルな(そして時に飛ばしすぎて意味不明な)オーバーアクトというのは、悪い意味で子供番組の悪役的になりかねませんが、そこに妙な存在感を与えた汐路章の怪演はもちろんのこと、意外にもクレバーな立ち回りが独特の存在感を与えていたと感じます。

 これまでの忍群の首魁が、野望とカリスマで部下を率いてきたのに対し、それに加えて妙な愛嬌と凶暴性、そして悪辣さと冷酷さ(部下の家族を人質に取る、というのは悪の組織にはまま見られる描写ですが、それが制度化されているというのは凄まじい)を持つ彼の姿からは、妙なリアリティが感じられます。

 というよりその存在と立ち振る舞いは、戦国時代の混沌から生まれた戦国武将たち(というよりその原型である室町後期の下克上から生まれた者たち)のネガの姿を思わせる、というのはさすがに考えすぎかもしれませんが――


 第二部以来久々に超科学(という名の手抜き)描写があったり、やはり雷丸と一部の配下のやり取りにはやり過ぎ感があったりと、色々と頭を抱える部分もあった魔風篇ですが、残すところはあと一話。
 最後の最後にまた頭を抱えるような気もしますが、何はともあれ長きに渡ってきた赤影最後の戦いを楽しみにしておきましょう。


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2016.12.03

『仮面の忍者赤影』 第50話「とかげ忍獣じじごら」

 カラスの群れに異変を感じ向かった先で樹から吊された百姓・半助を見つけた赤影たち。魔風から逃れた仲間がいると聞いた赤影は青影を囮に残し、半助の案内で天狗山に向かう。しかし半助の正体は、魔風の不動金剛丸だった。辛うじて金剛丸を退けた赤影たちだが、その前に巨大な影が出現する……

 気がつけばもう残り3話ですが、相変わらず陽炎が連れ去られた敵の本拠はわからぬ状態の赤影たち。と、空を覆うカラスの群れに異変を感じた赤影たちが森の中に向かってみれば、そこには高い木に吊された男の姿がありました。死体かと思って降ろしてみればまだ息のあった男は近隣の百姓・半助。魔風に攫われて強制労働していたところを仲間たちと逃げ出したのですが、自分のみ捕らえられて吊されていたと彼は語ります。
 と、そこで何かを察した赤影と白影が周囲の木々に攻撃を仕掛ければ、木から激しく吹き出す赤い血潮! 青影が目を丸くして見つめる中、周囲の木は全て魔風の下忍に変わるのでした。さらに鉄砲隊が周囲から銃撃してくる中、赤影たちはとりあえず爆発を起こしてそれに紛れて消えます。

 さて、半助から仲間たちが天狗山の洞穴にいると聞かされ、そちらに向かうこととした赤影。筏で川を行く一行ですが、そこにジョーズの背びれの如く水面に突きだした白刃が迫ります。気付いた時には次々と筏の丸太を束ねる綱を切っていく白刃。赤影たちが水中に攻撃を仕掛ければ、水面を赤く染めて浮かび上がる下忍たちの死体……。しかし既にバラバラになった筏を放棄して、一行は大ジャンプで岸に飛び移ります。
 それにしてもうち続く魔風の攻撃。一計を案じた赤影は、青影に後を任せると(本当に軽く任せるのが逆にイイ)、自分たちは天狗山を目指します。一人残った青影は、三人分の藁人形をこしらえると、焚き火を囲む態を装いますが……しばらくは下忍の目をくらましたものの、やはり青影一人がちょこまか動いているのはどう見ても怪しく、下忍の襲撃を受けてしまいます。それを軽々と躱した青影ですが、その前に巨大な影が――

 一方、無事に天狗山の洞穴に到着した赤影たちですが、人の気配が感じられません。それでも中に入ってみれば、そこにも下忍たちが待ち伏せていたではありませんか。撃退して表に飛び出した赤影と白影を待ち構えていたのは半助……いや、魔風十三忍が一人・不動金剛丸! 高みに立ち、二本の野太刀(の鞘という中途半端な場所)から光線を放つ忍法地雷火陣で周囲は大爆発、影一文字で大ジャンプした赤影にも空中で光線が直撃、地上の白影も爆発に飲み込まれます。
 えらく芝居がかった所作と台詞で地上を見回し、勝利を確信する金剛丸。しかしそこに何故か地蔵に化けた(忍法石仏?)赤影参上! 白影ももちろん健在で、二人の攻撃の前に、あっさりと金剛丸は沈むのでした。

 が、突如そこに現れる巨大な影。巨大な一本角と一つ目の怪忍獣ジジゴラであります。ここでなんか唐突な感じで弱点を探ろうと仮面を透視モードに変える赤影ですが……ジジゴラの胃の中には青影の姿が。さしもの赤影も、手出しできずに焦りの表情を浮かべます。
 さらに腕の皮膜で宙を飛びながら、ジジゴラが一眼から破壊光線を連打。追い詰められた赤影たちの耳に響くのは、瀕死の金剛丸の叫び……陽炎と青影を助けたければ地獄谷へ来いというメッセージを残し、金剛丸は爆死するのでした。

 そしてその地獄谷では、柱に縛り付けられた陽炎を満足げに見やる、黄金の仮面姿の雷丸の姿が……


 これまでもそうでしたが、二段三段構えのトラップが印象に残る今回の魔風の攻撃。赤影たちを油断させるため、半死半生でぶら下がっていたこ金剛丸のガッツには脱帽です。
 その金剛丸、ダブル野太刀をひっさげた毛皮のベストというえらくワイルドで格好良い姿だったのですが、意外とあっさり倒されたのは残念でした。


今回の怪忍者
不動金剛丸

 二本の野太刀を武器とする巨漢。太刀の鞘などから放たれる破壊光線・地雷火陣が最大の武器。魔風から逃れてきた百姓に化けて赤影たちを誘導、幾度も下忍たちの罠に誘いこんだが、全て突破された末に自らも敗れ、地獄谷に来いと言い残して死亡する。

今回の怪忍獣
ジジゴラ

 巨大な一本角と一つ目、脇の下の皮膜が特徴的な怪忍獣。皮膜で自在に空を飛び、目からリング状の破壊光線を放つ。単独行動をとっていた青影を捕らえたその正体は……?


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