2017.07.15

『風雲ライオン丸』 第18話「マントルゴッド悪魔の要塞」

 マントルの地下要塞の中で、自分と瓜二つの娘・志津に匿われた志乃。戦いの末、深手を負って要塞内を彷徨っていた獅子丸も彼女に助けられ、虹之助と三吉も合流する。志津を連れて要塞を脱出する一行の前に立ち塞がる怪人ズガングを死闘の末に倒す獅子丸だが、その直後、思わぬ悲劇が……

 獅子丸と二人で地虫に扮してマントル要塞に潜入した志乃。彼女は獅子丸とはぐれた末に自分と瓜二つの顔を持つ――そして今回の冒険の目的である――志津と対面、要塞内でかなりの地位を持つらしい志津は、地虫を退けて志乃を匿います。
 一方、前回ヤリコウモリを倒した獅子丸ですが、無事では済まずに深手を負い、血を滴らせながらの逃避行。後から後から襲い来る地虫を何とか退けながら要塞内を彷徨います。そして入り口で待っていたところが、地虫に追われて要塞内に逃げ込んだ虹之助と三吉も奇怪な部屋に追い詰められるのでした。

 時代ものとは思えない妙に現代的なデザインで興醒めなそこは、マグマをエネルギー化しているらしい部屋。そこからマグマ溜まりを挟んで反対側の洞穴に逃げた二人は、巨大な卵が並ぶ部屋に迷い込みます。二人の目の前で割れた卵から現れたのは地虫忍者の幼虫……地虫忍者は本当に虫だったのか!? と驚く以前に、猛烈に気持ち悪い造形です。

 そんな中、獅子丸を追う怪人ズガング。どうやらヤリコウモリとは友人であったらしく、その槍を手に執念深く獅子丸たちを追います。辛うじてその追求を逃れた志乃は、獅子丸が傷を負って追われていることを知り、志津とともに彼を匿います。さらにそこに逃げ回っていた虹之助と三吉が合流、再び一行は勢揃いすることになります。
 そして自分のことを問う獅子丸たちに対し、自分は物心ついた時からこの要塞にいて何も知らないこと、そして自分は地虫に女神のように崇められていることを語る志津。結局探し求める志乃の父のことはわからぬままですが、しかし志乃は、志津も要塞を出て一緒に来るよう促します。

 と、志津が獅子丸たちを匿ったことを知りやってくるズガング。仲間たちを行かせて一人で戦う獅子丸ですが、傷で片手が使えず、洞窟内で変身もできない状態で苦戦を強いられます。が、一直線に外に続く通路に出た獅子丸は、そこでロケットを水平噴射! 脱出と変身を一度に済ませ(この辺りの細かい描写がいかにも「らしい」)、なおも追うズガングと最後の戦いに臨むのでした。
 しかし友の復讐に燃えるズガングは鎖鎌を操る強敵。途中、逆立ちして足で鎖鎌を振り回したり(ビジュアル的にはどう見ても股間にズガングの頭をつけて突っ立ち、手で振り回しているようにしか見えず、見てはいけないものを見た気分)、分銅からスカンクらしく黄色い煙を放ったりと大いに獅子丸を苦しめます。

 その危機に割って入った志津に対しても刃を向けるズガングを、辛うじて獅子丸はライオン滝落としで倒すのですが――皆が勝利を喜んでいる間、ヤリコウモリの槍に手を伸ばすズガング。投じられた槍は、獅子丸を庇った志津に刺さるのでした。
 ライオン風返しでトドメを刺しても時既に遅く、苦しい息で志乃に短刀を託す志津。その刀が父の打ったものと見抜き、志乃は自分たちがやはり姉妹であったと気付きます。そしてマントルゴッドの居場所を問う獅子丸に答えようとする志津ですが――その時、怒りに燃えるマントルゴッドの稲妻が落ち、哀れ彼女は石像に変わってしまうのでした。

 悲しみに暮れ、石像に手を合わせる志乃。そして獅子丸はまだ見ぬマントルゴッドに対し、改めて闘志を燃やすのですが――(この描写をよく覚えてきましょう)


 舞台はほとんど要塞内部ながら、地下帝国の動力源らしいマグマや、実におぞましい地虫誕生の間など、印象に残るシーンの多かった今回。しかしその中でも、志津の存在が物語の中心であることは間違いありません。
 何故彼女はマントルゴッドから特別な地位を与えられていたのか、そもそも何故マントルゴッドは地下要塞にただ一人の人間の娘を置いていたのか、そして父はどこへ行ってしまったのか……今回何一つ謎は解けないのですが、それだけに印象に残るのです。
(にしても、声は違う人とはいえ、志津さん、初登場シーンはとても志乃と同じ役者さんが演じているとは思えず……素晴らしい)


今回のマントル怪人
ズガング

 マントル地下要塞を守るスカンクの怪人。ヤリコウモリの友人だったらしく、その槍を手に獅子丸に復讐を誓う。鎖鎌の遣い手で、逆立ちした状態(という設定)で鎖鎌を操ることが可能で、分銅からは黄色いガスを放つ。死闘の末にライオン滝落としに斃れるが、最期の力でヤリコウモリの槍を投げ、志津に深手を負わせた。


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2017.06.23

『変身忍者嵐』 第19話「恐怖の人食い! 分身怪人!!」

 ダルマ爆弾を各地に売りさばく使命を受けたキバギツネは、子供たちを催眠術で操り、配下としていた。陰謀を察知したハヤテたちだが、タツマキたちが捕らえられ、分身を駆使するキバギツネに苦しめられる。幾重もの罠を突破してハヤテはキバギツネを倒し、子供たちを助け出すのだった。

 鬼火が漂う墓場で、掘り起こした死体の肉を食らっている(らしい)キバギツネという恐ろしいシーンから始まる今回、キバギツネのエネルギー源は死肉とのことですが、骸骨丸が呼びに来てキバギツネは子供をさらいに出かけます。はい、「恐怖の人食い!」要素終わり。
 そして寺子屋を襲撃したキバギツネは、寺子屋のお師匠さんを牙にかけると、子供をさらってしまいます(あ、もしかしてこの後お師匠さんは……)。と、魔神斎の前にかしこまるキバギツネと骸骨丸の前には大量のダルマという珍妙な絵面に首を傾げていたら、今回の作戦は、気温30度以上になると発火する黄燐を使い、爆薬を仕込んだダルマを全国に売りさばき、暑くなる季節には日本中で爆発して大混乱――という迂遠な作戦。そのダルマを売りさばくために子供たちをさらってきたという相変わらずの泥縄ぶりであります。

 案の定、年末でもない季節外れの時期にダルマを売って回る一団を目撃し、さらにタツマキの仲間の伊賀忍者からの知らせで、硫黄が強奪されたことを知った(そして何故か嬉しそうに、これで火薬が作れるわねというカスミ)ハヤテ一行は、速効でダルマが怪しいと睨みます。
 後を追った一行は、不当なダンピングでダルマを売りさばいていたという商人・黒兵衛が怪しいと睨み、その屋敷に潜入しますが、もちろん黒兵衛はキバギツネ。ハヤテたちが来ると睨んでいたキバギツネの吊り天井の罠でタツマキとツムジは今回も捕らえられ、辛うじて脱出したハヤテの前には、分身の術で二体となったキバギツネが立ち塞がります。

 今回はゲジゲジ魔のように映像で誤魔化さず、ちゃんと二体造形されているキバギツネ(そのせいかデザイン的にはシンプルかも……)は、分身と本体で微妙にずれて喋ったり、互いで会話したりと器用な(?)怪人。そして二体で何をするかと思えば、巨大なU字磁石を取り出して磁石吸い寄せの術で嵐の刀を吸い寄せます。手こずった嵐は、刀を竹光とすり替えるのがやっとで、タツマキたちを助ける間もなくその場から脱出するのでした。

 それでもカスミと二人で屈することなくダルマ爆弾を追うハヤテは、翌日再びダルマ売りを追いますが、カスミに子供たちが群がった、と思えばそれは下忍の変装。下忍の群れに引きずり倒されてもみくちゃにされてなんかマズい絵面になったカスミを救い出したハヤテは、手薄になったであろう黒兵衛屋敷にカスミを行かせると、自分はキバギツネを嵐旋風斬りで倒すのですが――それは分身。屋敷で待ち構えていた本体にカスミは捕らえられ、一家仲良く穴蔵に放り込まれます。
 一杯食わされたとハヤブサオーで屋敷に急ぐ嵐ですが、そこに待ち受けていたのは、キバギツネの命を受けて爆弾を片手に待つ下忍。そして嵐が通りかかるや、下忍は飛びついてもろともに自爆!

 勝ち誇るキバギツネですが、何だかよくわからない理屈で嵐は颯爽と屋敷に見参。救い出したタツマキ一家に囚われの子供たちの救出を任せると、自分はキバギツネとの決戦に望みます。今回もでっかい磁石を取り出すキバギツネですが、嵐は磁石にくっつかない金属の刀にしていたのだ! と何だかよくわからない理屈でこれを突破。奇策は尽きたか珍しく刀を手にして戦うキバギツネは、分身して嵐に襲いかかります。
 一対二の対決もものともせず豪剣を振るう嵐は、秘剣影うつしで敵の本体と分身を見分けてまず分身を倒し、今度こそ本体に嵐旋風斬り炸裂! ついにキバギツネを倒し、血車党の企みを粉砕するのでした。


 相変わらずアバウトな血車党の策(そもそも安売りで押し付けるくらいなら、こっそり置いてくればいいと思う……)といい、真面目に考えていても裏切られるよくわからない嵐の危機突破といい、今回もある意味非常に嵐らしいエピソードですが、しかしその一方で殺陣がえらく格好良いのもまた嵐らしい。
 ラストも二人の敵を相手に一歩も引かぬ立ち回りから、新旧必殺技の連打でキバギツネを倒すのが実に格好良いのであります。


今回の化身忍者
キバギツネ

 人間の死肉をパワー源とする狐の化身忍者。分身の術で二体に分かれ、磁石吸い寄せの術で相手の刀を封じる。ダルマ爆弾を日本中にばらまくため黒兵衛という商人に化け、さらった子供を催眠術で操って配下としていた。ハヤテに作戦を見抜かれ、幾つも仕掛けた罠も突破されて嵐旋風斬りに敗れる。


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2017.06.16

『風雲ライオン丸』 第17話「西から来た男」

 西の国から逃れてきた男と遭遇した獅子丸と志乃一行。しかし男は志乃を見るや悪魔と罵り、追ってきたヤリコウモリの槍に斃れる。男の言葉に行方不明の父の手がかりを感じた志乃は、獅子丸そして途中で出会った忍者・七色虹之助とともに西に向かう。地下要塞に潜入した獅子丸と志乃を待つものは……

 冒頭、アグダーの前に配下を率いて現れる怪人ヤリコウモリ。西のマントルゴッドの国から逃げた男を追ってきたというヤリコウモリは、東国攻めの指揮官であるアグダーに対して慇懃無礼な態度で、立場的には対等なものを感じさせます。
 さて、獅子丸一行がそのヤリコウモリに追われる男と偶然遭遇して――というお約束の展開かと思いきや、その男は志乃を見るや激しく怯え取り乱し、彼女を悪魔と罵るではありませんか。混乱する一行の前で、男に追いついたヤリコウモリが襲いかかり、男は深手を負ってしまいます。

 そこで志乃たちに男を任せ、一人残った獅子丸はロケット変身! 「なんだか知らんが目まぐるしい奴」と怪人のヒーロー評とは思えぬ言葉を吐くヤリコウモリと一騎打ちに臨んだ獅子丸ですが、次の場面では肩に深手を負って呻吟。ヤリコウモリにも手傷を与えたものの、フラフラと志乃たちのもとに戻り、男と枕を並べることになります。
 結局男は傷がもとで亡くなりますが、その直前に言い残したのは、暗黒に閉ざされた西の国の存在と、そこに志乃と瓜二つの女性がいるということ。もしや行方不明の父と関係があるのでは――と飛躍しているようないないようなことを考えた志乃は、獅子丸とともに西の国へ向かうことを決意します。

 さて、西の国に渡る舟に乗ろうとしたところで現れたのは、どこの人間かわからないごちゃ混ぜの方言を喋る妙な男・七色虹之助。甲賀の忍びということですが(前回登場した甲賀忍びたちとは関係あるのかしら)、西から逃げてきた男を救おうとしていたという彼も、獅子丸たちに同行することになります。
 三吉と同じくカタツムリが苦手だったり、どこか頼りなげな虹之助ですが、見張りの地虫を煙に巻く技など、その実力は本物。彼に三吉を任せ、獅子丸は志乃と二人、地虫に化けてマントル地下要塞に潜入することになります。

 その頃地下要塞では、(結果的には成功しましたが)男を殺し損ねたり、ライオン丸を倒さなかったりでヤリコウモリがマントルゴッド様にお叱りを受けていましたが、それを取りなしたのは一人の娘・志津。そしてその顔は確かに志乃と瓜二つ――と一瞬では気付きにくいのは、志乃の前から見るとショートっぽい時代劇離れした髪型に対し、志津の方はお姫様カットと、髪型から受けるイメージが大きく異なるためでしょうか。
 それはさておき、その間に地下要塞に入り込んだ獅子丸と志乃ですが、並みの地虫は誤魔化せても、ヤリコウモリの目はさすがに誤魔化せません。志乃を逃してライオン丸に変身した獅子丸は、暗闇で地虫相手に大立ち回り。さらにヤリコウモリと再び一騎打ちを挑みます。

 天井が高いのか、空を飛んで襲いかかるヤリコウモリに苦戦するライオン丸は、こちらも飛行だ! と「ライオン飛行斬り」を披露。……この技は快傑の方の技では、と思う間もなく見事に相手の首を切り落とし、しぶとく宙を舞う首も何とか叩き落として勝利を収めた獅子丸ですが、またも傷を追ってしまうのでした。
 一方、逃げ惑う志乃が紛れ込んだのは、地下要塞には似合わぬ部屋。そこにいたのはあの志津であります。そして待ちくたびれて動き出した三吉と虹之助も地虫に見つかり、追いかけられる二人の顔で次回に続きます。


 本作初の(唯一の)前後編となった今回描かれるのは、これまで謎に包まれていたマントル地下帝国の姿の一端。作中の描写からすると西日本は既にマントルに完全に制圧されたようですが(この辺り、史実に照らすと一種の暗喩なのかもしれない――と考えるとなかなか楽しい)、地底の巨大な顔という特撮史上に残る存在であるマントルゴッドにふさわしい、暗黒の地下世界という舞台はやはりインパクトがあります。
 キャラクターの方も、タイトルの西から来た男はあっさり死んだものの、志津、そして七色虹之助と面白い面々が登場して、この大事な時にいない錠之助(本当に何をやっているのか……)のこともすっかり忘れるほどであります。


今回のマントル怪人
ヤリコウモリ

 マントルゴッドの国から逃れた男を追ってきた怪人。穂先が自在に空を飛ぶ槍を操り、巨大な羽根で空から襲いかかる。アグダーとは対等に近い立場にいる模様。ライオン丸との最初の対決で深手を負わせるが、地底での二度目の対決で首を断たれ、首だけで飛び回るも叩き落されて爆死した。


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2017.06.08

『変身忍者嵐』 第18話 イノシシ大砲! 百万発!!

 紀州山賊が持つ隠し金山の在処を示す山の絵図を狙うイノシシブライ率いる血車レンジャー部隊。両者の抗争に巻き込まれたハヤテたちは、命を落とした山賊の頭領の妹・お杉から血車党と間違われ、捕らえられてしまう。処刑直前に始まった総攻撃の中、ハヤテは単身血車党に挑むが……

 斜面を走る姿がいまにも転けそうで心配になるイノシシブライと、紀州山賊のド派手な攻防戦が冒頭でいきなり展開される今回。山賊の砦を破壊すべく大砲を持ち出す血車党サイドですが、大砲は届かずに逆に山賊の銃撃と地雷で完膚なきまでに粉砕されるのがむしろ痛快であります。
 血車党の狙いは、隠し金山だけでなく、山々を繋ぐ隠し道の在処などを記した絵図。どこかで聞いた気がしますが実に伝奇的で良い設定です。頭領の命で絵図をバラバラにしてそれぞれ欠片を手にする一味ですが、この後これがほとんど意味を持たないのが惜しい……

 さて、勝利を収めて意気揚々と山をゆく一党の前に現れたのは堂々と二本足で歩くイノシシ……ってどう見てもイノシシブライですが、それを疑いもせず今夜の獲物だと鉄砲をぶっ放した二人の山賊(うち一人は言われなければ絶対わからない水木一郎)は、相手の固い皮膚が正確に跳ね返した銃弾を浴びて絶命。混乱の中、山賊の頭もやはり同じことをやって深手を負います。
 と、その銃声を聞いて駆けつけたのはハヤテ一行――やっぱりいつものパターンじゃないか! と思いますが、イノシシブライを追っていったハヤテが血車レンジャー部隊(血車党は上部組織が海外だし……)と戦っている間、頭を介抱して絵図の欠片を託されたタツマキは、頭の妹・お杉たちに仇と勘違いされて捕らえられるという展開なのが新しい。

 そして、後ろで乱闘しているのを尻目に笛を吹いたカスミに呼ばれてハヤブサオーで駆け戻ってきたハヤテも、うっかり地雷原に突っ込んで次のシーンには囚われの身に。そしてお杉によってお前らが血車党だろうと厳しい問いがされているところに、骸骨丸の血車忍法文字送り(後ろで一生懸命念じている下忍たちのパワーか、山賊の根城の壁に血文字が浮き出る)で、さらにそれを煽るような挑戦状が送られてきたおかげで、ハヤテたちは最悪の立場に追い込まれます(珍しく冴えている骸骨丸)。
 血車党が砦の下に集う中、みせしめに磔にされて、処刑されることになったハヤテたち。しかしハヤテを狙った矢が都合良く逸れて彼の右手の縛めを解き、ハヤテはそのまま嵐に変身! ここでツムジがハヤテ=嵐だと知ってはしゃぐのですが――えっ、今まで知らない設定でしたっけ!?

 それはともかく、やっぱり化身忍者じゃないか! と一般人から見た嵐の存在を物語るナイスなお杉の台詞に対し、身の潔白を示すため血車党滅ぼしてくる! と一人突っ走る嵐。しかし地雷原を避けて裏道を通っていたせいか、その間にイノシシブライはレンジャー部隊を大砲で撃ち出す作戦を敢行。しかし撃ち出されて傘を落下傘代わりに降りてくる下忍たちは鉄砲の良い的であります。ここで業を煮やしたイノシシブライは、俺一発で百万発分の威力だ! と無茶な理屈でサブタイトルを回収し、再び跳弾パワーを発揮して砦に雪崩れ込みます。その頃嵐はようやく敵陣に辿り着いて骸骨丸と追いかけっこをしていたのですが、その間も山賊側に被害が――嵐、根に持ってませんか。

 ようやく解放されたタツマキたちも乱戦に加わりますが、ツムジが嵐変身ごっことかやるくらいで何の役にも立たず、お杉を残して全滅する山賊。こうなったら絵図もろとも爆死したる! と白い死に装束で地雷原に突っ込もうとしたお杉を寸前で押しとどめた嵐は、イノシシブライに最後の一騎打ちを挑みます。
 しかし相手の皮膚には刃も通らない――と思ったら嵐は刀を捨ててベアナックルで殴りまくる! そのまま圧倒した嵐は、イノシシブライを大砲目がけて投げつけると、大砲もろとも派手に吹き飛ばすのでした。

 そして前非を悔やむお杉に対し、むしろ絵図を守り抜いてくれたことに礼をいい、励まして去るハヤテたち。しかし山賊は彼女一人に……と思ったら、突然子供たちが出てきたので(たぶん前回ラストに同時に撮ったもの)
まあ大丈夫なのでしょう。
 と、設定・演出ともに随所にガタガタな部分はありましたが、しかし山賊という第三勢力を絡ませることで、かなり内容的には面白いエピソードでありました。


今回の化身忍者
イノシシブライ

 銃弾をも跳ね返す鋼鉄の皮膚を持つイノシシの化身忍者。イノシシの牙に似た棒を得物とする。紀州山賊の持つ絵図面を狙い、血車レンジャー部隊を率いて彼らの砦を襲っていたが、嵐との決戦で散々に殴られ、大砲に叩きつけられて爆死した。


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2017.06.03

『風雲ライオン丸』 第16話「忍者の掟に明日はない!!」

 忍者たちを戦闘要員にするため各地を襲撃するマントル一族。甲賀も怪人ヤゴの襲撃を受け、頭領の三太夫が捕らえられる。三太夫の息子・小弥太は獅子丸の助力を断って単身父の救出に向かうが、ヤゴに敗れて自爆。獅子丸もヤゴの攻撃で失明してしまう。単身脱出した三太夫と出会った獅子丸だが……

 冒頭数分もかからず、ユニークかつ説得ある今回のマントル一族の狙いをきっちり説明するのにまず感心させられる今回。戦闘員として忍者を使うのは、史実の戦国時代を見てもむしろ自然であるといえるでしょう。
 しかし頭ごなしの命令に忍者たちが逆らうのもまた史実。マントル一族の計画に対し、反撃を試みる忍者たちの姿が冒頭で描かれますが、この辺りも、獅子丸の兄たちや、第12話の地獄党を見ていれば納得の描写です。

 さて、今回の中心となるのは甲賀忍者。その頭領・藤林三太夫(どこかで聞いたような名前……)を捕らえ、甲賀に命令させようと怪人ヤゴに指令を下すアグダーに対し、いきなりライオン丸が戦いを挑みます――が、アグダーは速攻で姿を消し、ヤゴが口から吐く白煙をくらって、ライオン丸は崖から転がり落ちるのでした。ちなみに以前からアグダー狙いに血道を上げていた錠之助は、一部始終を見物して「狙いはほめてやる」と上から目線であります。

 そして甲賀屋敷への攻撃を始めるヤゴと地虫たち。仕掛けだらけの忍者屋敷で、幾度もマントル側に奇襲を仕掛ける忍者たちは、かなり押しているように見えましたが……
 その一方、崖から転がり落ちてきた獅子丸は、通りかかった一人の青年と出会います。青年を甲賀者と見て、現在の状況を語る獅子丸ですが、三太夫の息子であった青年・小弥太は、父の安否を気遣うと、獅子丸を置いて甲賀屋敷に急ぎます。そして後から追いかけた獅子丸が見たものは、屍累々の屋敷――配下にするつもりの忍者をこれだけ殺してどうするのかと思いますが、ヤゴは既に三太夫を捕らえ、彼を拷問して、甲賀がマントルに味方するよう強いていたのです。

 そんな父を救うため、獅子丸の助けも借りず単身ヤゴに挑む小弥太。助太刀しようとする獅子丸ですが、そこに現れた錠之助は、小弥太が望んだことだと助太刀なしの尋常な勝負を行わせようとするのでした。しかしやはりこれは無謀、ヤゴの白煙は小弥太の体を化石のように固め、身動きできない彼を空から襲撃(久々の宙吊り飛行)。たまらず割って入った獅子丸も白煙で目を潰され、手の出せぬ間に、小弥太は自ら自爆して果てるのでした。
 さらに獅子丸にも刃を向けるヤゴは錠之助が退けたものの、小弥太を結果的に見殺しにした錠之助に収まらない獅子丸。「人に命を助けてもらうってことは、ひどく恥ずかしい思いをする時があるんじゃないか」と(自分が命を助けた獅子丸に)言い放つ錠之助に対し、「恥ずかしくても苦しくても、生きていくことが大事なんだ!」と、血を吐くように叫ぶ獅子丸の姿が心に刺さります。

 そして目が潰された状態で旅する中、自らマントル基地を脱出した三太夫と出会う獅子丸。小弥太の最期を聞かされた三太夫は、思うところがある様子ですが……そこに襲いかかってきたヤゴは、先程小弥太を封じた白煙で父親の動きも封じてしまいます。
 そして獅子丸は目が見えない状態で苦戦するものの、そのままロケット変身(獅子丸状態で目に巻いていた布が、変身後も巻かれているのは当たり前なのですがちょっと可愛い)、地虫を蹴散らしますが、ヤゴ相手には苦戦を強いられます。そこでヤゴに飛びついた三太夫は自分ごと刺せと叫びますが、獅子丸にそれができようはずもありません。そうこうするうちに力尽きた三太夫が地に崩れ落ちた瞬間、前転で近づいた獅子丸はヤゴの土手っ腹に刀を突き刺し、ヤゴは崖下に転落。カタルシスのないままヤゴは倒されるのでした。


 非情の掟に縛られた忍者という存在を挟み、武士の誇りを重んじる錠之助と、人間の命の尊さを説く獅子丸の思想対決が描かれる今回。答えを出すのが非常に難しい問題だけに、一層こちらの心を抉る物語であります。
 ちなみに今回のように、獅子丸がダメージを受けている間に(更に錠之助が状況を放置する/煽る間に)第三者が死んでいくというのは本作にしばしば見られる展開ですが、この辺りはやはり高際和雄節でしょうか。見るからに生真面目な若武者の潮哲也が苦悩する姿はえらく様になるのですが、見ているこちらもただただ曇らされるほかありません。


今回のマントル怪人
ヤゴ

 先が二股に別れた槍を持ち、口から相手の動きを封じる白煙を吐く怪人。名はヤゴだが空も飛ぶ。忍者を配下に引き入れるため甲賀を襲撃、頭領の三太夫を捕らえ、その息子を死に追いやるが、三太夫の死を賭した行動で出来た隙にライオン丸に腹を刺され、必殺技も使われずに倒された。


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2017.05.31

『変身忍者嵐』 第17話「忍者屋敷! 怪人ドクダヌキ!!」

 江戸征服のため子どもたちを攫い、少年忍者に仕立てようとする血車党のドクダヌキ。少年忍者たちに襲われ辛くも逃れたツムジは、逆にドクダヌキの少年忍者教室に潜入したものの、正体が露見して窮地に陥る。駆け付けたハヤテは忍者屋敷の仕掛けに苦戦しつつもドクダヌキの陰謀を粉砕するのだった。

 江戸の子供たちの前に現れた怪しげな唐人姿の人形使い。演じるのは変身忍者嵐と血車魔神斎の対決、これを見た子供たちは大喜び――って、そんなに嵐も血車党も子供たちにとってメジャーな存在なのか。昔のヒーローものによくあったメタな描写ですが、しかしどうにもすっきりしない描写ではあります。
 うるさいマニアは置いておくとして、嵐に会わせてあげようというあからさまに怪しい人形使いについていった子供たちは、とある寺に導かれるのですが――その中で人形使いはドクダヌキの正体を現します。逃げ出そうとした子供たちを、木の葉で文字通り口を封じたドクダヌキは、催眠術で子供たちを操り、忍法教室を始めます(わざわざ九字の切り方を真面目に教えるのがオカシイ)。

 これぞ今回の血車党の作戦、これで江戸は血車党のものになったも同然と嘯く骸骨丸ですが、将軍のお膝元で公儀隠密は何をやっているのか。と、その公儀隠密タツマキ一家とハヤテが江戸にやってくるのですが、ドクダヌキは骸骨丸に血車少年忍者隊の力を見せるというと、唐人人形使いの姿でツムジを誘き寄せます。自分が人形劇の題材となって能天気に喜ぶツムジですが、周囲の子供たちが少年忍者隊の正体を現して襲いかかってくるともちろん大慌てであります。
 そこに駆け付けたタツマキは最初は子供の喧嘩かと呑気なことを言っていましたが、子供たちが刀を抜いて襲いかかってくれば笑い事では済まされません。ハヤテは一目で人形使いが怪しいと見抜き――って屋根の上から様子を伺っていたから当然ですが――その後を追い、タツマキとツムジもその場を逃れますが、その前に現れる骸骨丸に追い詰められることに……

そして人形使いを追ったハヤテも、正体を現したドクダヌキの忍法五輪固めで五つの輪を輪投げの要領で投げつけられ、体の自由を封じられてしまいます。でもまあ輪投げなので何とか振りほどいて嵐見参。徳利の中の液体を飲んで炎を吐く忍法火炎霧をものともせず、嵐旋風斬り一閃! あれ、早いと思ったら、そこに倒れていたのは信楽焼のタヌキ。そりゃタヌキですが……何はともあれ、タツマキたちのピンチを知ったハヤテは勝負を預けてその場を去るのでした。
(そして嵐を見るとさっさと逃げる骸骨丸)

 さて、このままにしてはおけないと、自分が忍法教室に潜入することを決意するツムジ。眼帯をつけたゴミ拾いというあからさまに怪しい姿で人形使いについていきますが、もちろん正体はバレバレで、残る片目をドクダヌキの葉っぱに封じられて苦しむ羽目になります。そして手足を縛られて手裏剣の的にされそうになるツムジですが――もちろんそこに嵐が駆け付けます。
 タツマキが投じた爆薬の大きな音で正気に戻った子供たちを残し、ドクダヌキとの対決に臨む嵐。しかし後を追って寺に飛び込んでみれば、そこは落とし穴やら壁から槍が飛び出してくるやら、サブタイトルどおりの忍者屋敷であります。そしてドクダヌキを追ううちに天井が下がってくる小部屋に閉じ込められた嵐は、最後の手段だとでっかい爆雷を取り出して……

 そして起きる寺を木っ端微塵に吹っ飛ばす大爆発! 大喜びするドクダヌキですが、生きていた理由とか全く説明抜きで嵐見参! これはひどい! そしてまたもや信楽焼の変わり身で凌ごうとするドクダヌキですが、大ジャンプから錐揉み回転、頭上から大斬りを食らわす嵐稲妻落としが炸裂! さしものドクダヌキも倒されるのでした。


 子供を洗脳したくらいで江戸を征服できるかなあ……と思いつつも、今見てみるとちょっと嫌な気分になる悪の組織の子供洗脳話。
 それはさておき、今回のドクダヌキは、半身が腐って骨や肉がむき出しとなった姿というなかなか強烈なデザインで、今の技術で再現されたらさぞかし怖かろうと思います。ふざけたデザインながら様々な忍法を使い、嵐を追い詰める意外な強豪ぶりも印象的であります。何かと腹鼓をシュールな姿も……


今回の化身忍者
ドクダヌキ

 半身が腐ったような姿のタヌキの化身忍者。口から炎を吐き出す火炎霧、木の葉をばらまいて姿を消す木の葉隠れ、五つの輪で相手の動きを封じる五輪固めなどの多彩な技を使い、信楽焼のタヌキに化ける変わり身の術を使う。唐人姿の人形使いに化け、子供たちを洗脳して血車少年忍者隊を作ろうとしたが、嵐の稲妻落としに倒される。


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 「変身忍者嵐」 放映リストほか

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2017.05.25

『変身忍者嵐』 第15話「血どくろ舟! ザリガニ鬼!!」

 平家の落人村に現れ、水神への生贄に子供を求める修験者に化けた化身忍者ザリガニ鬼。連れ去られる子供を目撃したハヤテはザリガニ鬼と戦うが、水目つぶしによって失明してしまう。なおも生贄を求める修験者に対し生贄に化けて連れ去られるツムジ。ハヤテはツムジたちを救い出すことができるのか?

 冒頭で平家の落人村の財宝を狙うという今回の悪事を説明してくれる魔神斎と骸骨丸。その命を受けて修験者に化けたザリガニ鬼は、村の人々の前で川の中に入り、何やら唱えながら倒れると、いきなりバラバラになったと思えば、次の瞬間に遠くに出現するという意味不明のパフォーマンスで村人の度肝を抜きます。その修験者が求めるのは、水神に備えるという生贄の子供。これまでも何人も生贄に出してすでに子供がいないという村人に対し、平家館の主の子供・つね丸がいるではないかと言い放つと、気丈にもつね丸は自ら生贄になると名乗り出るのでした。

 そして彼が血どくろ舟(という名の船首にどくろがつけられた藁舟)に乗せられてザリガニ鬼に引っ張っていかれるのを偶然目撃したのは、もちろんハヤテ一行。早速つね丸を救い出したハヤテはザリガニ鬼と対決。大回転かかと落としかと思いきや尻尾でぶん殴る血車殺法尻尾打ちを食らったりながらも、生身で格闘を挑みますが、ハサミで捕らえられたところにザリガニ鬼が口から吹き出す血車忍法水めつぶしが直撃! ハヤテが思わずちきしょうと口走るほどのめつぶし、ザリガニ鬼が言うには目玉が溶け、頭蓋骨が腐って脳が飛び出すという恐ろしいものであります。
 変身した嵐を捨て置いて子供を奪い取ったザリガニ鬼ですが、血どくろ舟でのんびり去ろうとしていたところに嵐見参。目が見えなくとも匂いで行方がわかるのだ! という嵐(伏線)にあっさり血どくろ舟から蹴り落とされ、子供を奪還されるのでした。

 さて、さすがに目玉が溶けたり頭蓋骨は腐ったりしないものの、やはり回復しないハヤテの目。一方修験者は平家館に現れ、人身御供を出すか、宝を差し出すかと本音で迫ります。さらに生贄に奪われた子・カミナリ(変な名前……)を見せておいた、再会を喜ぶ父親の前で泡にまみれて消すパフォーマンスで村人たちを煽り、さらにハヤテたちまで排除してしまおうとする修験者。
 さすがにその言葉にすぐ乗ったりはしない長ですが、つね丸はまたも覚悟を決めて自分の身を差し出そうとするのですが……ここで思い切りみぞおちを突いて、入れ替わるツムジ。身代わりになろうという息子を敢えて行かせ、タツマキは自ら(白影以来のセクシー水着で)後を追います。

 そんな中、生贄の到着を待つ修験者ですが――その前に現れたのはハヤテ。またもや匂いと音で察知したというハヤテですが、さすがにおかしいと気づいた修験者の前で、カッと目を見開くハヤテ! そう、目が見えなくなったのは偽り、最初からハヤテは目つぶしをくらっていなかったのであります。なるほど、だから頭蓋骨が腐らなかったのか!
 これに対し、「化身!」の声とともにザリガニ鬼の正体を現した修験者と対決する嵐。その一方で、ツムジとタツマキは血車党の本拠となっていた竜頭鷁首っぽい船に乗り込み、捕らえられていた子どもたちを救い出します。

 そして最後の対決を繰り広げる嵐とザリガニ鬼。奥の手だという毒あぶく(水めつぶしとどう違うのか不明)をものともせず、前回登場したばかりの嵐旋風斬りで粉砕、船もろともザリガニ鬼は大爆発! そしてラストは上座に据えられてご満悦のツムジで終わるのでした。


 血車党が悪事を働いているところにハヤテたちが通りかかって……という、毎度といえば毎度のパターンで始まった今回。しかし顔を除けばかなり格好良い造形のザリガニ鬼の意外なまでの強豪ぶり、そして何よりも味方まで欺いてみせたハヤテの名演技が生んだ大逆転もあり、なかなか起伏に富んだ攻防戦を楽しむことができたエピソードであります。


今回の化身忍者
ザリガニ鬼

 全身が硬い甲羅で覆われ、左手に強力なハサミを持つザリガニの化身忍者。相手の目をつぶす血車忍法水めつぶしをはじめ、毒あぶく、血車殺法尻尾打ちなどを使う。平家の落人村の財宝を奪うため、修験者に化けて子どもたちを生贄としてさらったが、嵐の旋風斬りに敗れる。


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2017.05.19

『変身忍者嵐』 第12話「地獄の怪人! ゲジゲジ魔!!」

 燃える水を採掘するため、村人を強制的に働かせる血車党。そこから逃げた作左を追うゲジゲジ魔の前に立ち塞がるハヤテたちだが、タツマキとカスミ、作左の子が捕らえられてしまう。さらにドクロ館に潜入しようとしたツムジも捕らえられるも、後を追って嵐が駆けつけ、ゲジゲジ魔を倒すのだった。

 今回も労働力として村人をこき使い、今回も逃げられて追いかけ、今回もハヤテ一行に見つかる血車党。燃える水採掘という血車党の目的は冒頭で語られるのみで、後はひたすらハヤテたちと血車党の攻防戦が描かれるという思い切りのいい構成です。
 その今回の中心となるのはゲジゲジ魔……ゲジゲジという怪人広しといっても珍しいモチーフに、カートゥーンのキャラのような良く言えば愛嬌のあるデザイン、そしてフニャフニャした造形と三拍子揃った化身忍者であります(しかしこのモチーフに改造された忍者、本当にかわいそう)。

 しかし意外と芸コマなゲジゲジ魔、脱走した村人・作左が逃げるところを地を這って走る忍法ゲジゲジ走り(たぶんお腹の下に台車を置いている)で追いかけ、小さなゲジゲジに化けて近づくとガバッと襲いかかるのですが……そこに通りかかったハヤテにチョン蹴りをくらって戦闘開始。
 と思いきや、いきなり刀で自分自身に斬りつけ、体をバラバラに! ドン引きするハヤテたちですが、これはバラバラにされても死なないという下等動物の生命力を活かしての六ツ身分身の術。といっても六体分のゲジゲジ魔が登場するわけでなく、映像処理で流している上に、実際には五体は幻に過ぎず、本物はカスミの鏡の反射を眩しがったためにばれてしまうのでした(あれ、だとしたら自分をバラバラにする必要は……)。

 そしてタツマキ・カスミ・ツムジも加わっての大乱戦となりますが、作左を連れて逃げたツムジもすぐに追い詰められて助けを求め、タツマキとカスミは速攻で敵に捕まる始末。血車党は人質を手に入れて退却していったものの、血車党の魔手は作左の家族に向かい、(妙に綺麗な家に住んでいる)妻と子供の与吉に魔の手が迫ります。
 またもゲジゲジに化けて、病に伏した作左の妻のところに現れ、まずはボサッと突っ立っていた与吉を下忍に運び出させるゲジゲジ魔。そして残る奥さんに迫る魔の手……というところで「表に出て正々堂々と戦え!」とハヤテが微妙な発言をしながら駆けつけて事なきを得ますが、与吉はそのまま連れ去られてしまうのでした。
(ここで体をピンと伸ばして水面を引っ張られていく忍法水渡りで逃げ出すゲジゲジ魔の姿がやっぱりおかしい)

 嘆き悲しむ作左は、ドクロ館に向かおうとしますが、これまでドクロ館に向かう際は目隠しをされていて道がわからない。それならばと目隠しをして道を探ろうとする(えっ)彼の前に、近所の女の子・やよが通りかかります。ドクロ館に向かうというやよと一緒に、女の子に化けて潜入しようとするツムジですが、彼女が谷から落ちかけたところで声を上げたことで、あっさり捕らえられてしまうのでした。
 しかしツムジが目印を撒いていたことでドクロ館へ向かうハヤテ。途中鉄砲で撃たれたりしてツムジを見失いながらも何とか切り抜け、ドクロ館で合流して脱出した忍者一家の笛の合図を受けると、ドクロ館に向かいます。そして火攻めにあっていたタツマキたちを助けたハヤテはドクロ館に突入、思い切りよく爆破! 

 残るゲジゲジ魔も、体から油を吹き出して周囲に火をつけるという奥の手の忍法火炎地獄を、大きな布をかぶせるという嵐の忍法火消し布で破られ、刺股を振り回すも敢えなく影うつしに粉砕されるのでした。


 冒頭に述べたとおり、本当にシンプルな内容だった今回。その分テンポが非常にいい(というかよすぎる)のですが、見終わって頭に残るのは、ゲジゲジ魔の顔のインパクト――。そしてツムジの他にも二人出てくる子役の演技の……ぶりも別の意味で印象に残ります。


今回の化身忍者
ゲジゲジ魔

 燃える水の採掘現場を監督するゲジゲジの化身忍者。ゲジゲジに変身する、地を這って高速移動するゲジゲジ走り、自分の体を切り裂いて分身する六ツ身分身のほか、体から油を吹き出して火を付ける火炎地獄など、多彩な技を持つ。が、刺股を手にしての直接対決ではハヤテに及ばず、秘剣影うつしに敗れる。


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2017.05.08

『風雲ライオン丸』 第15話「脱獄囚を追跡しろ!」

 戦闘に特化した怪人ゾリラを造り出したアグダーは、更なる強化のため、腕から刃が飛び出す能力を持つ極悪人・源太を狙う。連行途中で奪回された源太を泳がせてアグダーの居所を知ろうとする錠之助と、源太を助けようとする獅子丸が対立する中、逃亡した源太は三吉を人質にしてしまうのだが……

 いきなり思い切り現代的な手術台が出てきてゲンナリさせられるのはともかく、アグダーが手ずから造り出した怪人ゾリラの登場から始まる今回。久々に登場したにもかかわらず、初めはえらくそっけないマントルゴッドも、地虫忍者五人に楽勝(いや、あまり大したことではないのでは……)のその力に感心するほどの強さであります。
 そしてさらなるパワーアップを図らんとするアグダーが目をつけたのは、死刑場に連行途中の極悪人・源太。唐丸籠で後ろ手に縛られた源太は、通りかかった錠之助に脱獄の手助けを頼むほど肝の太い奴であります。もちろんそれを鼻で笑って往く錠之助ですが、その直後に地虫とゾリラが一行を襲撃、源太はまず自分の手を自由にしてもらうと、その手首から(?)飛び出す刃!

 アグダーの狙うその能力で地虫を斬り倒して逃げ出そうとしたものの、さすがにゾリラには敵わず押さえつけられる源太(ここで「マントルゴッド様に指令を受けた秘密諜報部員だぞ!」と口走るのですが、たぶんハッタリでしょう……なんで源太がマントルゴッドを知っているのかは不明ですが)。そして錠之助は、アグダーが源太を必要としていると知り、その居場所を突き止めるため、連れ去られる源太の跡をつけるのでした。

 と、その途中で獅子丸と出会った錠之助は事情を説明するのですが、獅子丸はこれに反発。悪人といっても見過ごしにはできないという獅子丸と錠之助は素手で取っ組み合いを始めるのですが、一度はダウンした獅子丸が、立ち去ろうとする錠之助を後ろから木の棒で殴り倒すという、ヒーローにあるまじき行動で勝利するのでした。
 そして地虫たちの前に立ちふさがる獅子丸ですが、源太は獅子丸が戦っている隙に逃亡。しかし今度は錠之助がその前に立ちふさがります。刃を振り回す源太に変身して拳銃を突きつけるという、こちらもヒーローにあるまじき行動を見せる錠之助ですが、やっぱり源太に逃亡されることに――

 そしてそこに折悪しく通りかかったのは志乃と三吉、源太は三吉を捕まえると人質にしてそのまま逃げてしまうのでした。そこに追ってきた錠之助は、さすがに志乃に対してすまなそうな顔をしますが、追って現れた獅子丸には「お前が助けた奴がかっさらって逃げた!」と姑息なすり替えを――
 しかし次の瞬間には、いつの間にかアグダーに捕まって手術されている源太。そして獅子丸と錠之助の前に現れたゾリラには、源太の意識が……と、この辺がよくわからない展開です。源太がゾリラになっているということは、源太の脳が移植でもされたのか?

 それはさておき、地虫忍者に捕まって人質状態の三吉を、背中のロケットでひとっ飛びして奪回した獅子丸は、そのまま彼を小脇に抱えてロケット変身! 三吉と志乃を錠之助に任せ、ゾリラと対峙します。すでに源太を泳がしておいても無意味に思われますが、錠之助は源太を殺すなと獅子丸に告げ、獅子丸も殺しはせん! と力強く応えるのですが――
 しかしその直後、獅子丸は崖の上で豪快に爆発を起こし、転がり落ちる無数の岩とともに飛び降りてバッサバッサと斬りつける新必殺技・ライオン千尋落としを披露。さらに刀身から光線まで放ってゾリラを爆破! 言ってることとやっていることが全く違う(いや、手加減できないほどの強敵だったということなのだと思いますが)という何ともすっきりしない展開の末、獅子丸は去っていくのでした。


 獅子丸たちともマントル一族とも異なる立場の極悪人の登場、そしてその男を巡っての獅子丸と錠之助の対立を通じての二人の立場の明確化と、題材だけ見れば非常に面白そうな内容ながら、構成や演出がアバウト過ぎてすっきりしない今回。そもそも源太の腕から刃が出るという能力もよくわからないところで、素直に極悪人の脳が必要だった、という設定で良かったのでは……という気がします。
 ライオン千尋落としなど、ネーミング的にもビジュアル的にも格好良かっただけに、実にもったいない回でありました。


今回のマントル怪人
ゾリラ

 アグダーが手ずから生み出した、全ての能力が戦闘のために作られた怪人。そのままでも無双の怪力を誇るが、極悪人・源太の能力(精神も?)を移植され、腕から岩をも砕く刃を出すようになった。が、ライオン千尋落としで比較的あっさり倒される。


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2017.05.06

『変身忍者嵐』 第11話「血どくろ谷のドクモリバチ!!」

 次々と子供を狙う化身忍者ドクモリバチ。襲われた少年・良太を一度は助けたハヤテたちだが、ドクモリバチに操られた良太の父に、良太とツムジが攫われてしまう。子どもたちを血車党の下忍に変えようとする企てを阻むため、ハヤテは髑髏館に急行、子どもたちを助けてドクモリバチを倒すのだった。

 山中湖から関所を通らず江戸に向かう抜け道がある世附峠……という前フリは特に関係なく、子供が欲しいなどと言いつつ、目の付いた繭(?)の中から現れて村の子供・良太に襲いかかる変質者・ドクモリバチ。
 そこに一足先に村にやってきたツムジが遭遇、良太を庇いますが、もちろん敵うはずもなく、早速ハヤテに救援を要請。さらに謎の爆音とともにムササビの術で白k……タツマキも駆け付け、ひとまず良太を助け出すのでした。

 さて、ドクモリバチの狙いは、子供たちを攫ってきて血車党の下忍として使おうというもの。例によっての泥縄ぶりですが、昨今の国際情勢を考えれば結構シャレになっていない……というのはさておき、よせばいいのに嵐に復讐しようと、ドクモリバチは良太の父に目をつけます。
 山での仕事中、白米の握り飯が置いてあるのに疑いもなく飛びつく恥ずかしい大人ぶりを披露した上に、ドクモリバチの銛に仕込まれた毒にやられる親父。この毒を食らうと、命に別状はないものの、ドクモリバチの言いなりに操られるというのですが――

 そんな中、ハヤテたちの予想は当たり、良太の家を襲撃する血車党。首輪みたいな輪から四方八方に打ち出される連続毒矢撃ちを披露するドクモリバチを蹴散らしたハヤテですが、そこで操られた親父が割って入り、良太とツムジが捕らえられてしまいます(わざわざ子供をリレーするのに水平投げなる忍法を使うドクモリバチ)。
 カスミの毒消しで回復したものの、猛烈に落ち込む良太の父。そんな中、子供が殺されたという知らせが入り、その弔いの行列を追ってハヤテとタツマキが寺に向かうと、棺桶からは人の気配が……思い切りよく刀を突き立ててみれば、中に入っていたのは血車党の下忍であります。

 わざわざハヤテたちを誘き寄せたというドクモリバチを何となく空中戦で撃退したハヤテですが、そんな間もツムジと良太をはじめとする子どもたちに危機が迫ります。ドクロ汁なる怪しげな液体に子どもたちを漬け、下忍に変えてしまうというのですが――
 成り行きをボサッと見てるかと思いきや、他の子供が犠牲になりそうになると、さすがにやるなら俺をやれと名乗りを上げるツムジ。一瞬の隙をついて反撃したかに見えましたが、子供の身の悲しさ、髑髏丸にあっさり捕まって良太ともども首だけを出して埋められ、見せしめとして硫黄責めなる拷問にかけられることに……しかもその周囲には地雷が埋められており、ハヤテたちが助けにくれば大爆発するというではありませんか。

 そこに駆け付けたハヤテとタツマキですが、正面からタツマキが陽動をかけているうちに、ハヤテが大ジャンプでツムジたちのところに到着、むしろ地雷の罠には下忍がかかる始末。そしていつもの滝のところで最後の対決を繰り広げたハヤテは、いつものとおり秘剣影うつしでドクモリバチを粉砕するのでした。


 嵐が都合三度ほど登場と、かなりチャンバラシーンが多かった今回。さすがに東映だけあって剣戟アクションは本当に良いので、これはこれで正しいと思います。
 今回のドクモリバチは、様々な形で毒を操るなかなか芸コマな化身忍者ですが、何か造形的に物足りないと思いきや、背中に羽根がない……まあ、羽根が落ちた蜂もいますが。


今回の化身忍者
ドクモリバチ

 鎖付きの銛を操る化身忍者。首輪から四方八方に毒矢を放つ連続毒矢撃ち、毒煙を吹き出す毒煙攻めなどの忍法を操り、銛の毒で人間を自在に操ることも可能。血車党の下忍に変えるために子供を集めたが、ハヤテたちに察知されて倒された。


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