2017.03.24

『風雲ライオン丸』 第10話「うなる大砲 怪人ズク」

 オランダ渡りの巨砲を奪い、途中で虐殺を繰り返しながら目標である堺に向かうズク。後を追う獅子丸は、対決を望んでマントル側についた豹馬を一蹴して先に進む。なおも獅子丸の後を追う途中、ズクの非道を目の当たりにした豹馬の心に去来したものは。そして巨砲の標的となった獅子丸の運命は……

 オランダ渡りの巨砲を家老と名乗る男に引き渡すため輸送してきた武士の一団。しかし家老は身の証を求めた武士の目に斬りつけ、残る武士たちも、地虫忍者の正体を現した配下に皆殺しにされるのでした。この家老に変身していたのは怪人ズク。アグダーに巨砲で堺の町を吹き飛ばすことを命じられたズクは、途中ライフル魔状態で人々を虐殺しながら堺に向かいます。

 一方、目を斬られた武士を助けた志乃と三吉に知らせを受けた獅子丸は早速ズクを追おうとするのですが……その前に現れたのは、相変わらず獅子丸との決闘を望む、空気が読めない豹馬。自分を相手にせず先に進む獅子丸に歯がみする豹馬ですが――
 やがてズクの一行に追いついた獅子丸。迎え撃つ地虫を蹴散らしていく彼の前に最後に残った地虫の仮面の下から現れた顔は……豹馬! 獅子丸と対決するためであればマントルにも付く豹馬にさすがの獅子丸も怒り爆発、ついに変身して対決するのですが……獅子丸の腕を傷つけ、満を持して豹馬が繰り出した必殺のジャガーつばめ落としはあっさり躱され、峰打ちで胴を抜かれるのでした。

 傷の手当てもそこそこにズクの後を追う獅子丸。なおもその後を追う豹馬ですが、その彼が出会ったのはズクによる虐殺の後で、「豹馬」の名を呼ぶ女性。骸となった自分の息子「豹馬」を見つけ、悲痛な声で嘆き悲しむ女性の姿を目の当たりにした豹馬は――
 死地が待っていることを知りつつ、巨砲を追ってきた獅子丸に対し、爆薬を仕掛けた谷に巨砲を撃ち込もうとするズク。しかし豹馬は巨砲を守っていた地虫を倒し、獅子丸を救います。

 ついに獅子丸と肩を並べ、巨砲による爆発を躱しながら駆ける豹馬。地虫を蹴散らしながらズクに迫る二人ですが、ライフル銃の連射に身動きが取れなくなります。あと五発玉が残っていると勝ち誇るズクですが、その場に現れたのは冒頭でズクに斬られた武士。自らを盾にして五発を消費させ息絶えた武士の想いに応えるように変身した獅子丸は、豹馬が地虫を相手にしている間、ズクと最後の戦いを繰り広げます。
 空からの攻撃を仕掛けるズクですが、獅子丸はこれを撥ね除け、逆にズクの目を斬ると、ライオン風返しで巨砲もろともズクを吹き飛ばすのでした。


 ここ数回出番のなかった豹馬が、ようやく獅子丸の味方として立ち上がる今回。金に汚かったり、功名心から獅子丸に戦いを挑んでも相手にされなかったりと今ひとつ小者感があった彼は、獅子丸と戦うためにマントルに与するところまで堕ちるのですが――
 しかし、自分と同じ名の子供の死を嘆く母親の叫びをきっかけに改心するというのは、なかなかグッとくる展開であります。

 ただ、この展開だったらラストで活躍するのは豹馬のはずが、乱戦の中で彼はフェードアウト、代わって獅子丸を身を挺して助けたのが、巨砲を奪われた武士というのは、話としての平仄は合うものの、ちょっとどうなのかしら……という気はいたします。

 それにしてもローク車や亀甲車などのオーバーテクノロジーを保有するマントル帝国でも、大砲の技術はオランダには及ばないのか……


今回のマントル怪人
ズク

 ライフルと刀を武器とするミミズクの怪人。オランダ渡りの巨砲を奪い、堺の街を狙った。残忍な性格で、相手の目だけを斬ったり、無関係の人々をライフルで射殺していくなどの凶行を働いたが、ライオン丸には敵わず、逆に目を斬られた末に巨砲もろとも吹き飛んだ。


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 『風雲ライオン丸』 第9話「蛇ヶ谷にライオン丸を見た」

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2017.03.15

『風雲ライオン丸』 第9話「蛇ヶ谷にライオン丸を見た」

 村の水車小屋に毒を仕掛け、毒水を流すガムジン。獅子丸は地虫忍者の一人を捕らえ、ガムジンに家族を殺されて連れ去られた赤ん坊の芳松を追う。その途中でロケットを破壊され変身ができず、太刀を折られて危機に陥る獅子丸。そこに天馬に乗って駆け付けたのは快傑ライオン丸だった!

 水車に毒薬の袋を仕掛け、人間どもは皆殺し云々と大笑するガムジン……の背後に現れて誰何する村の老人。当然老人は殺され、その直後に現れたその娘も殺され、その娘の子・芳松はガムジンに連れ去られることに――
 村にライオン丸姿で駆け付けた獅子丸は地虫忍者を一人を残して蹴散らしますが、そこに現れた村人たちは、地虫は俺たちが殺る! と引き渡しを求めます。しかし獅子丸は芳松救出のために地虫に案内させようと村人を制止。と、そこで真っ青な水を飲んだ村人が死亡、祟りじゃ! と村人たちはいきなり関わりを持つことを拒否するのでした。

 件の地虫を案内役に芳松救出に向かう獅子丸ですが、地虫に文字通り足を掬われて馬から転落、背中のロケットが破損、水筒を奪われ逃げられるという体たらく。ようやく追いついたと思ったら、水筒は空っぽ……地虫を殴打、ついには手裏剣まで抜いてギリギリで思い留まるほどの怒りを見せる獅子丸でした。
 フラフラになりながらも殺風景な谷を進む二人ですが、その前にガムジンと地虫が出現。しかしロケットが壊れていて変身できない獅子丸は追い詰められ、刀を折られてしまいます。一方、囚われていた地虫は喜んで駆け寄った仲間から銃を向けられることに。必死で地虫を守って逃げる獅子丸ですが、追い詰められて二人とも崖下に転落――

 意識を失って倒れた二人に迫る地虫の群れ。そこに白い天馬にまたがって駆け付けたのは……快傑ライオン丸! 地虫を一蹴したライオン丸は、未だに意識を失ったままの獅子丸を叱咤激励、彼の太刀が折れているのを知ると、自らの金砂地の太刀を与え、再び天に去っていくのでした。が、快傑の方も潮哲也の声なので、何だか自分で自分を励ます多重人格者めいた味わいが――

 なおも旅を続ける二人は、焚き火を囲んでようやく距離を縮めるのですが、その翌朝に地虫は背中に手裏剣を刺されて事切れているという容赦ない展開。しかも水に毒がという地虫のダイイングメッセージにも関わらず、獅子丸の叫びも虚しく、馬は毒水を飲んで迫真の悶絶をみせるのでした。
 それでも徒歩でやってきた獅子丸は、前夜修理しておいたロケットで今度こそ変身するのですが……しかし芳松を人質に取られて武装解除、芳松ともども館に閉じ込められ、火をつけられることになります。自らの館に火をつけてどうするんだ、という気もしますが、ガムジンは地虫とともに浮かれ踊る大騒ぎ。その間に獅子丸はロケット噴射で手を縛った縄を焼き切るという捨て身の行動で自由を取り戻すと、芳松を背負って脱出、その前に立ちふさがったガムジンと最後の対決に臨みます。

 そのガムジンとの斬り合いは、背中の芳松の顔の近くまで刃が近づいてハラハラさせられる展開。しかしガムジンがそんな芳松に気を取られた瞬間、獅子丸が手裏剣でその胸をえぐり、ガムジンは倒れるのでした。
 そして芳松を連れて村に帰ってきた獅子丸ですが、村人たちはなおも後難を恐れて物陰から陰気な目で窺うばかり。獅子丸は寺に芳松を置き、強い男になれと願いながら、一人去っていくことに――


 ヒーローが赤ん坊を置き去りにする回として名高い今回ですが、むしろ印象に残るのは獅子丸と地虫のハードな道中。戦闘員を人質にし、その戦闘員を守らざるをえないヒーローという物語は他の作品でも絶無ではないと思いますが、ここでは乾いたタッチと相まって、本作ならではの味わいが生まれています(背中のロケットを効果的に使った展開もいい)。
 繋がりが強いようでいて、しかしそれは自分たちを守る範囲に限るという村人たちの描写も厭になるくらいリアルで、赤ん坊の置き去りもその文脈で理解するべきでしょう。

 しかし弱ってしまうのは、突然現れる快傑ライオン丸。風雲と快傑で揃い踏みするわけでもなく、金砂地の太刀が逆転の切り札になるわけでもなく、なくても全く支障がない展開で……どうやら本当にギリギリに押し込まれた展開らしいのようなので納得といえば納得ではあります。


今回のマントル怪人
ガムジン

 巨大な青龍刀を手にした怪人。水に毒を投入し、村人を皆殺しする作戦を指揮する。獅子丸を何度も追い詰めるが、鍔迫り合いの最中、胸に手裏剣を刺されてあっさり死ぬ。


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2017.03.08

『風雲ライオン丸』 第8話「謎の新兵器 ローク車」

 新兵器ローク車に乗った三色仮面を率いて各地を襲撃するガズラー。獅子丸は次にガズラーが狙う日の出村で、村人に協力を呼びかける。しかし村人たちは獅子丸を置いて逃げ出し、残されたのは身重の妻を抱えた伊三だけだった。偶然村を訪れた志乃に伊三の妻を任せ、獅子丸は一人村のために戦う。

 地虫忍者の精鋭・三色仮面に与えられた新兵器ローク車――蒸気の力で動き、スピードとパワーを兼ね備えたその力で、彼らは村々を襲撃しては人々を追い詰め、短銃の連射で死体の山を積み上げていきます。
 偶然、三色仮面の凶行の後に村を訪れた獅子丸は、無残に殺された母子の死体を見つけ、怒りとともに子供が最期まで握っていた人形を手に取るのでした。

 さて、その三色仮面を預けられたガズラーの次のターゲットである日の出村を訪れた獅子丸ですが、村人たちは今にも村を捨てて逃げ出そうという様子。獅子丸は前回のように村人の協力を得て戦おうとしますが、今回の村人はやる気がない。ローク車を引っ掛けるためであろう綱の端を持っているだけでいいから、と頼み込んでようやく協力を得ることができたと思えば……あっさりと獅子丸を見捨てて逃げる村人。

 ある意味ピープロイズム溢れる展開に苦戦を強いられ、谷を転がり落ちた獅子丸。傷だらけで村に戻ってきた彼の前に現れたのは、村に残っていた男・伊三であります。
 臨月の妻・ハルを抱えて逃げられない彼は、獅子丸に協力を申し出るのですが、さしもの獅子丸も、今にも生まれそうなハルを前に困惑を隠せず……と思いきや、どこかで聴いたような馬車の音を耳にした獅子丸は、第1話以来ではないかというくらいの笑みを浮かべるのでした。

 というわけで巻き込まれた志乃は頼りない男たちを尻目にテキパキと出産の準備を進め、獅子丸は伊三が作っていた油を利用、三吉製のポンプであらかじめ油を村の周囲に巻いて迎撃の準備を整えます。そしてやってきた地虫忍者たちに対し、何気に得意技の手裏剣連打で着火! 第一陣を撃破しますが、しかしローク車に亀甲車まで連れたガズラーの本隊が攻撃開始。ハルたちを逃がし、獅子丸は単身これに立ち向かいます。

 地虫忍者たちがパッと消えたかと思うと顔だけになって迫ってくるという謎の攻撃を切り抜け、ライオン丸に変身した獅子丸ですが、三色仮面はローク車で彼の周囲を回りながら短銃を連射。このままでは前作のタイガージョーのようなことに……とハラハラさせられましたが、よほど腕が悪いのか傷を与えるのがやっとであります。
 よせばいいのに一列になって突っ込んできた三色仮面に対し、獅子丸は宙を舞うや次々と斬りつけて撃破。残るガズラーも、巨大な樹に変身して倒れ込んでくる攻撃(らしいのですが、単に樹が何度もアップになる謎演出にしか見えない)をかわされ、胸に刀を投げつけられて倒れるのでした。

 そして赤ん坊も無事に生まれ、ほっと一息の獅子丸。その前に現れたのは、戻ってきた村人たちですが……先程までの態度からコロッと変わり、しばらく村にいてくれないかという村人たちにはさすがの獅子丸も仏頂面。冒頭で拾った子供の人形を赤子に渡してほしいと三吉に託し(微妙に不吉)、さっさと去っていくのでした。


 村人たちとともに籠城戦を繰り広げて勝利した前回とはあたかも表裏一体のような今回。それでもたった二人のために戦う獅子丸が泣かせるのですが……やはりリアクションに困るのはローク車であります。
 これまたピープロ名物の、ガワを被せた乗り物(バイク)なのですが、ただでさえデザイン的にも微妙なところに話のムードからも浮きまくり、しかも荒れ地でアクションをすると転びそうで別の意味で手に汗握るという……少なくとも籠城戦の回に出す敵ではなかったなあ、と思います。


今回のマントル怪人
ガズラー

 三色仮面を率いて村々を襲う怪人。巨大なポールアックスを持ち、巨大な樹に化けて倒れ込むという奥の手を持つ(らしい)。三色仮面を撃破され、奥の手で戦うも及ばず、獅子丸の投じた刀に貫かれる。

三色仮面
 新兵器ローク車を与えられた赤・青・白の三人から成る地虫忍者の精鋭。その機動力で相手を追い詰めて短銃で射殺、凶行の後には自分の色の狼煙を上げる。ガズラーとともに獅子丸を苦しめたが、詰めが甘く、獅子丸の逆襲にあっさりと壊滅した。


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 『風雲ライオン丸』 第7話『最後の砦』

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2017.03.02

『風雲ライオン丸』 第7話『最後の砦』

 不作と野盗の襲撃に苦しむ美濃国を手中に収めんとするマジンは、亀甲車を用いて周辺の村々を次々と襲撃。次の標的の真尾村には、村に残った五人の村人と、志乃と三吉の父の弟子・佐八がいた。獅子丸の指揮で奮戦し、一度は敵を撃退した村人たち。しかしなおも攻撃が続く中、三吉が囚われの身に……

 不作と野盗の襲撃というダブルパンチで滅亡寸前の機に乗じて美濃国を奪取しようという悪魔のようなことを企むアグダー。関東への前線基地にする目的のようですが、ちょっと遠くないか……と思いつつも、史実で美濃国を取った信長の躍進を考えれば、あながちおかしなことではないかもしれません。
 それはさておき、その命を受けた怪人マジンは、地虫忍者と亀甲車を率いてヒャッハーと村々を地道に焼き払っていきます。そして今回も運悪く志乃と三吉はそこに出くわすことに……

 駆けつけた獅子丸が足止めをしている間、次の襲撃予定地である真尾村に向かう志乃たち。しかし村では怖い物知らずの五人の村人が迎え撃とうとしていたのでした。が、敵の正体を全く理解していなかった模様……
 そしてそんな彼らに武器を(そしてさりげなく火薬まで)提供していた男・佐八は、実は志乃たちの父の愛弟子でありました。名のある刀鍛冶だった父は、いかなる理由か数年前に二人の子を捨てて佐八とともに旅立ち、そしてすぐに佐八とも別れてそれっきりだというのであります。

 その父が後にあんなことになるなんて……というのはさておき、獅子丸も村に到着、マントルハンターとして名を知られているらしい獅子丸の合流に村人も表情を明るくします(その一方でマントル側はいまいち彼の存在をわかっていないようなのが……)。
 そして獅子丸の指導の下、防御を固めた村についに襲い来る地虫と亀甲車。真っ正面から門をブチ抜いてきた地虫たちに、村人たちは微妙な投石器で迎え撃ちます。さらに巧みに亀甲車を小屋に誘導→仕掛けた火薬で爆破など、意外な村人たちの健闘、そしてもちろん獅子丸の活躍に地虫たちも一時撤退するのでした。

 が、勝利に沸いている油断をついて再び襲撃してきた地虫たちに素人の哀しさから浮き足立つ村人たち。さっきまでの勢いはどこへやら、負け犬モードに入りかけた彼らを叱咤して奮い立たせるのはもちろんマントル絶対殺すマンの獅子丸であります。
 その激に立ち上がった村人たちは、多勢を相手にしても力を合わせて果敢に反撃。その姿に自分も……と据わった目で考える三吉ですが、しかし活躍する間もなく、マジンによって人質とされてしまうのでした。

 しかしそこでも屈しない獅子丸は、ロケット変身の勢いで三吉を奪還。見かけ倒しのマジンを一騎打ちで粉砕すると、格好良い挿入歌「さすらいの誓い」をバックに新たな旅に出るのでした。


 本作、そして後番組の『鉄人タイガーセブン』でヘビーな展開を連発、視聴者に多大なトラウマを与えたことで知られる脚本家・高際和雄の初登板回である今回。
 しかし今回は本作らしい西部劇的な「砦」に立て籠もっての攻防戦を描きつつも、アラモのように全員玉砕ということはなく、晴れて全員揃っての大勝利という爽やかな回でありました。これまで違和感が目立った西部劇タッチを、巧みに時代劇に落とし込んでいたのも見事と言うべきでしょう。
(本当に砦が登場するわけではなく、村が自分たちにとっての「最後の砦」という村人の台詞から来たタイトルもうまい)

 その一方でこれまでの物語で少しずつ語られてきた志乃と三吉の父の存在がクローズアップされるなど、連続ストーリーの要素もきっちりと拾っているのもいいのです。
 ラストには獅子丸がバックパックをメンテする(燃料のカートリッジを入れ替える)珍しいシーンもあり、色々な意味で楽しめるエピソードでした。

 ちなみに今回のマジンは、武装は西洋の中世的なのに顔は隈取り的と妙な取り合わせながら、なかなか精悍なスタイルが印象的な怪人。しかし特殊能力があるわけでなく、あっさりと倒されたのが残念であります。


今回のマントル怪人
マジン

 青銅のマジンと呼ばれる鎧姿の怪人。ハルバードと大盾、剣を武器とする。美濃国奪取のために村々を襲撃するが獅子丸らの抵抗を受け、三吉を人質に取るも失敗。ライオン丸に奪われたハルバードで胸を刺され、すれ違いざまに斬られて絶命した。


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 『風雲ライオン丸』 第6話『黒豹よ三吉を助けろ!』

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2017.02.16

『風雲ライオン丸』 第6話『黒豹よ三吉を助けろ!』

 人間の子供を動物に変える研究のため、子供を狩り集めるケカビーに三吉が攫われてしまった。三吉を助け出すために豹馬を雇う志乃だが、途中で加わった獅子丸の目がケカビーの忍法で見えなくなってしまう。三吉が実験台になる時が近づく中、ようやく目が癒えた獅子丸に豹馬は勝負を挑もうとするが――

 開幕早々、ウェスタンな感じの村を襲撃する地虫忍者たち。何の説明もないので違和感バリバリですがそれはさておき、村の子供・平太と、折悪しく村にやってきた武士の子・信之助が攫われ、大人たちは武士を含めて皆殺しに……実はこれは奴隷にするため人間の子供を動物にする実験(???)のための人間狩り。あと三日の内に実験を完成させろと無茶を言うアグダーの命を受け、実験担当のケカビーが子供たちを集めていたのです。

 そしてその標的にされるビックリ号ですが、いきなり馬車の後ろから自分が発明した竹製の……爆発する水鉄砲? で地虫を蹴散らす三吉が恐ろしい。しかしケカビーの投げ縄に三吉が捕らえられ、志乃も万事休す……というところに、「礼は後でたんともらうぜ」とらしい台詞とともに豹馬が登場、地虫を蹴散らします。そんな豹馬に対し、志乃は、あるだけの金を払うと言って彼を雇うのでした。
 一方、件のウェスタン村を通りかかった獅子丸は、まだ息があった武士の最期を看取り、子供が攫われたことを知ります。

 さて、ケカビーの基地らしい、なんか凄いトーテムポール? が立ったテントに捕らえられていた三吉ら三人の子供。怖がって泣く平太に進之助が説教しているところにやってきたケカビーは平太を実験台に選び、自分のカビを混ぜたらしい液体を飲ませますが……そのシルエットは獣人のそれになったものの、しかし実験は失敗と宣言されます。
 一方、三吉を追う志乃と豹馬を密かに狙う地虫を脇から倒した獅子丸ですが、現れたケカビーが投げつけてきたものを切り払うとそれが爆発。吹き出したカビによるマントル忍法カビ流れで視力を奪われてしまいます。

 豹馬と獅子丸の連携で何とかケカビーを撃退した一行。獅子丸にどんな猛毒にも効くという三吉の薬を塗る志乃ですが、治ると思えば治る、治らないと治らない、しかし三吉は助けようと思えば助けられると、獅子丸は動ぜず先に進みます。
 さて、戻ったケカビーは、先ほどまでの態度はどこへやら、泣き出す信之助を実験台に使いますが、映像にもならず上半身だけ獣人化したと台詞で処理される始末。そして期限の明日、三吉も実験台にされることに――

 その晩、満月に向かって獅子丸の治癒を一心に祈る志乃、その満月に向かって盲目のまま刀を振るう獅子丸、その姿を見て奴は月を斬った!? という驚く豹馬……三人三様に過ごした一行。翌日、目が見えてきた獅子丸の目の焦点が志乃の横顔に合い、そしてその獅子丸を見て嬉しそうに微笑む豹馬というシーンも合わせて、本作には珍しい、仲々珍しい、若者たちの瑞々しい描写であります。
 しかしそこで獅子丸に勝負を挑むのが豹馬。そんな豹馬をなだめるために刀を抜く獅子丸も獅子丸ですが……しかしそこで平然と豹馬の腕に鞭を絡め、あなたは私に雇われているのよ、と言い放つ志乃が一番大人でした。

 そんな三人を迎え撃つケカビーと打ち合い、ケカビーの狼牙棒をはじき飛ばす豹馬ですが、しかし狼牙棒が爆発。そこから赤いカビを撒き散らす忍法カビ隠しにたじろいだものの、変身した獅子丸が志乃と豹馬を先に行かせ、単身ケカビーに挑みます。丁度その時、実験を監督に来ていたアグダーはブラックジャガーが来たと聞いてさっさと姿を消し、三吉は無事に救出されるのでした。
 さて、激しく斬り合う獅子丸とケカビーですが、鍔競り合いの中、ケカビーが口から微妙な角度でカビを吹き出したのに不意を突かれて刀を落とされ、さらにそこで水死体みたいなポーズで空を飛んで来るケカビーに苦しめられます。しかし、そこで豹馬が投げた刀をキャッチ、ケカビーを撃破するのでした。

 そしてピープロ的に助からないんじゃないかと心配した子供たち三吉の薬で人間の姿に戻り、さあ対決を、という豹馬を置いてさっさと獅子丸21歳は姿を消すのでした。


 本作にしては珍しく、作戦内容と怪人の能力が咬み合っていた今回、子供を獣人に変えるというのは仲々忌まわしいのですが、そちらの描写はあっさり目なのが残念。共通の目的のために行動する中で、少しずつ距離が縮まっていく獅子丸・志乃・豹馬の姿の方に重点が置かれていたということなのでしょう。


今回のマントル怪人
ケカビー

 古代の武人のような姿をしたカビの怪人。刀と狼牙棒を武器とし、赤いカビで相手の目を潰す忍法カビ流れ、カビの煙幕を作るカビ隠しを使う。子供を獣人に変える実験を続けていたが、豹馬と獅子丸の連携に倒される。


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2017.02.09

『風雲ライオン丸』 第5話「燃える水を奴らに渡すな」

 犬山村一帯から涌きだした燃える水を狙い、たちまち村を占領した怪人ガー。燃える水を汲み上げるために周囲の人々をさらう地虫忍者に志乃までが攫われてしまった。村に潜入した獅子丸は志乃と村人たちを救出、三吉が仕掛けた爆発の隙に脱出するが、怒りに燃えるガーが執拗に後を追う。

 炭坑か何かの中で地面を掘る村人たち。と、地中から何かが吹き出した……と思えばそれは燃える水、つまり石油。いち早くその価値に気づいているマントル一族はガーを派遣、もの凄い勢いで村一帯を占領すると、村人を使って採掘を開始します。しかしそれでも人手が足りぬと地虫忍者は人狩りを始めるのですが……それに捕まったのが志乃。三吉が水を汲みに行った間に地虫に捕まってしまったのであります。

 そして地虫の魔手は、それとは別の場所で呑気に肉を食っていた獅子丸にも及びますが、獅子丸はからくもこれを退けます。
 一方、単身姉の後を追う三吉は、姿を隠しながら地虫の後を付けるのですが……険しい表情で脇の木に手を伸ばした彼の手がまるでわざとのように掴んだのは、彼の苦手なデンデンムシ。悲鳴を上げたおかげで地虫に追いかけられ、無駄に長い追いかけっこの末に捕まった三吉は、獅子丸に助けられるのでした。そして地虫の一人を生かして木から吊り下げ、「言わなければ黙って地獄へ行け」と手裏剣で脅して行き先を吐かせる獅子丸、マントル殺すマンに容赦はありません。

 さて、村の様子を探る獅子丸と三吉ですが、地虫は闇夜は人間を襲ってはいけないという迷信があるという獅子丸(どこで知ったのか……)は、夜に月が隠れた隙に村に潜入。残された三吉は、燃える水のガスが炎を上げているのを見て、「吹き飛ばしてやる」と、据わった目で物騒な言葉を吐きます。
 そして捕らわれの志乃と村人たちを解放した獅子丸ですが、逃げる途中で雲が晴れ、地虫が活動再開。当たる幸い斬りまくる獅子丸ですが、その時三吉が仕掛けた爆薬(前回の爆弾?)がそこら中で盛大に爆発。夜だけに周囲の闇に映える炎はえらい迫力で、特に櫓が爆発炎上するのはやり過ぎ感が――

 それはさておき、その隙に馬車に飛び乗って逃げる三人ですが、ここまでやられたガーは怒り心頭。「追って追って追いつめて、生まれてこなければよかったという目にあわしてやる!」とスゴい台詞を吐くと、「既知外みたいに」(獅子丸談)彼らを探し回ります。
 そこで馬車を藁を山積みにした荷車に偽装して峠を越えようとする三人。そこに地虫たちとガーが襲いかかりますが、馬車には誰も乗っていません。これはこれで怪しいのですが、深く考えていないのかガーがその場を去ると、藁の下から志乃と三吉、台車の下から獅子丸が顔を出します。間抜けなガーを出し抜いて無事に脱出した……と思いきや、やっぱり待ち受けていたガーと地虫。

 二人を先に行かせて一人戦う獅子丸を苦しめるガーの奥の手・口からの毒粉。しかし獅子丸はガーの頭にマントをかぶせた隙に脱出、ロケット変身! 最近は様になってきたクレーン吊りでの対決は、ガーが蛾モチーフということもあってなかなか面白いのですが……しかし地面に落ちたガーに、上から落下して刀をブッ刺すというライオン滝落としが容赦なく炸裂。
 これで爆破か……と思いきや、ガーの首が分離して飛行! 口からの毒粉でライオン丸に襲いかかりますが、しかし手裏剣で撃墜されたガー首を、今度こそライオン風返しが爆破するのでした。

 そしてまた二人と別れ去っていく獅子丸。以前はかかわりになりたくなさそうだった志乃と三吉も、今回はかなり同情的に彼の戦いの毎日に想いを巡らせるのでした。


 特撮ヒーローもの、特に特撮時代劇には定番の、悪の組織による強制労働ネタの今回。労働の対象が燃える水というのはなかなか面白いのですが、三吉による爆破シーン以外あまり話に絡んでこなかったのは残念。そしてあの後燃える水は……あれで全部爆発して、結局マントル一族の手には渡らなかったということでしょうか。


今回のマントル怪人
ガー

 犬山村一帯で見つかった燃える水奪取を命じられた蛾の怪人。両方に巨大な刃のついた棒と、口からの毒粉を武器とする。獅子丸に出し抜かれて執拗に襲撃するがライオン滝落に倒され、首だけを分離してなおも襲いかかるが及ばなかった。イボや棘のある胴体は、幼虫がモチーフか。


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2017.02.03

『風雲ライオン丸』 第4話「シトシト爆弾を守れ!」

 強大な威力を持つシトシト爆弾の秘法書を瀕死の男から預けられた豹馬。その行方を追うシャゴンは獅子丸が持ち主だと思い襲いかかる。一方、志乃と三吉と行動を共にする豹馬だが、三吉は秘法書を読み解いて爆弾を作り上げてしまう。そこに襲いかかるシャゴン。獅子丸も駆けつけ、決戦が始まる。

 この爆弾があれば天下を取ることも夢ではないというシトシト爆弾のデモンストレーションを行い、それを見ていた三人の男たちにアバウトに爆弾の残り与える老人(そのままフェードアウト)。しかしその爆弾を狙うマントル一族はシャゴンを派遣、男たちは地虫忍者に殺され、瀕死の一人が近くにいた深編笠の男に秘法書を預けるのですが……それが豹馬。何故か椿を咥えていた豹馬は襲いかかってきた地虫を一掃して去るのでした。

 一方、旅を続ける志乃と三吉ですが、二人の馬車を狙う怪人シャゴン……と思いきや、彼が待ち受けていたのは秘法書を持つ豹馬。のんびり立ち小便する三吉に、早く行けと焦るシャゴンというのは、本作には珍しいギャグシーンかもしれません。
 ようやく豹馬がやって来たものの、さらに獅子丸もやってきたのでシャゴンはどちらが標的か混乱。両方とも殺せと言いだし、地虫は豹馬を、シャゴンは獅子丸を追うことになります。ちなみにこの時の獅子丸、流れ星が落ちたところに怪人の巣がある……というナレーションとともに馬を走らせていたのですが、そんな設定初めて知りました。

 そして獅子丸をライフルで狙撃するシャゴンですが全然当たらず。ファニングで連射するものの(ライフルでできるのかしら……)、投げられたマントに気を取られた隙に手裏剣を撃たれて銃を取り落とし、さらに秘法書のことを勝手に喋ってしまう体たらく。獅子丸を若造呼ばわりしますが、赤い煙とともに消える姿は何とも格好悪い――
 一方、豹馬の方は志乃たちの馬車と出くわしますが、三吉は彼をあいつ呼ばわり。あいつじゃわからないという志乃ですが、冷静に考えてみれば豹馬は二人に名乗っていなかったかも。いずれにせよ、豹馬を冷たい目で見る二人は、彼からの用心棒の申し出をあっさり拒否します。

 と、馬車の行く先に大きな岩が。岩をどけようと手を貸す豹馬ですが、その間に彼が脇に置いた秘法書に三吉が興味を持ちます。漢字が羅列されている秘法書をまたたく解読し、試作を始めた三吉、豹馬たちの力でも動かせない大岩に爆弾を投げつけると、時間差で大爆発! ……三吉が一番凄い。
 と、そこに何者かの気配を感じた豹馬は二人を徒歩で先に行かせますが、周囲を謎の虚無僧たちが取り囲みますが、もちろんその正体は地虫たちであります。変身し、そこに現れたシャゴンの射撃も軽々と躱す豹馬ですが……着地したはずが落とし穴に転落。捕らえた豹馬の始末を任せてシャゴンは消えます。

 さて、地虫に見つかって追われる二人は、爆弾を投げながら逃げますが、その前にシャゴンが出現。そこに駆けつけた獅子丸は、鞭を使って試作品を奪いますが、テレポートしたシャゴンが再び奪取。今度は爆弾を投げつけてくるシャゴンの前に、動くに動けなくなってしまいます。
 と、そこに地虫をあっさり片付けてやってきた豹馬は、志乃と三吉に先に行こうと薄情なことを言い出しますが、もちろん二人が同意するはずもありません。怖いのね、と言われても動じず、金になるなら何でもするというゲスっぷりを見せる豹馬に、金を渡す志乃。そこで初めて変身した豹馬が攻撃を引きつけている隙に獅子丸は脱出、豹馬は地虫を相手にするとあくまでも省エネ野郎です。

 それはさておき変身のチャンスを得た獅子丸は、その勢いでシャゴンの手の爆弾をキックで叩き落としつつ名乗り! 刀を手にライオン丸に挑むシャゴンですが、だいぶ様になってきたクレーン吊りの末にばっさりとやられるのでした。
 そしてそのまま獅子丸が去って行き物語は幕……第2話の軍資金といい、シトシト爆弾の行方は一体(たぶんこの先も語られない)。


 女子供に嫌われても動じず、あくまでも金を求める豹馬の銭ゲバっぷりが印象に残る今回。普通だったらラストバトルで渋々無償で動くかと思いきや、本当に金をもらって初めて動くという展開は地味に強烈で、金を渡す志乃といい、本当にドライな世界です。しかしマントル殺すマンの獅子丸よりも人間臭くて魅力的に見えてしまうのもどうか……


今回のマントル怪人
シャゴン

 シトシト爆弾の製法を記した秘法書を追う怪人。ライフルを武器とし、赤い煙となって姿を消す。尊大な態度の割にはあまりに強くなく、ラストの一騎打ちでもあっさりと倒される。冷静に考えたらシャコというよりエビっぽいビジュアル。


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2017.01.27

『風雲ライオン丸』第3話 「火を吹く亀甲車」

 里見城下で蔓延する疫病の特効薬であるモチナシ草を、十五里離れた小沼村から運ぶことになった志乃と三吉。しかしモチナシ草はマントル怪人ドカゲに狙われていた。馬車を走らせる二人に幾度となく襲いかかるドカゲ。二人は豹馬の、獅子丸の助けを借りて先を急ぐが、その前に奇怪な車が――

 馬車(ビックリ号)で旅を続ける志乃と三吉が、途中の小沼村で引き受けることになったのは、村でしか生えないモチナシ草という薬草の輸送。疫病に苦しむ里見城下の人々のため、この薬草を運ぶことになったのですが……しかしそれを奪うべく命を受けたドカゲと配下の地虫忍者が二人を追います。
 途中、草むらに怪しげな岩を見かけた三吉が訝しむ一方で、突然車輪が止まってしまった馬車。志乃が下を覗き込んでみれば、地中から突き出た何本もの腕が車輪を捕らえているではありませんか。

 もちろん地虫の仕業ですが、ホラー的な演出の間に志乃が慌てて馬車を走らせたために置いて行かれることに。と、怒ったドカゲはマントルの掟と称して地虫を一列に並べると、先頭の一人以外が刀を掲げて……と、その後ろの地虫が前の者を斬り、次はその後ろが前を、と繰り返して最後はドカゲが最後の地虫を斬るという、狂気の総括であります。

 そんな間も馬車を走らせる志乃ですが、そこに待ち構えていた地虫の群れが再び襲撃。と、そこに駆けつけた獅子丸が地虫を蹴散らす間に逃れた二人は、敵を撒くために街道を外れ、川沿いの道を行くことになります。しかし、普通の道ですら危なっかしい馬車ですから、岩だらけの河原を走るのは危険極まりない。案の定、大切なモチナシ草の包みが幾つも川に流され、うち一つは手の届かないところに……元気な三吉もさすがに落ち込んで涙がポロリ。それでも志乃の優しい励ましを受けて立ち上がった三吉ですが――

 そんな間に馬車を奪って駆け抜けていくドカゲ。慌てて追いかける二人ですが、再び駆けつけた獅子丸は地虫を倒すと、ドカゲを引きつけて去って行きます。
 しかしなおも追いすがる地虫。密かに三吉が作っていた竹製のランチャーで目潰し弾を打って地虫を撃退していくものの、多勢に無勢、二人とも馬車から引きずり出されて……というところに響き渡る朗らかな若い声。偶然居合わせた豹馬が、退屈しのぎと二人の救援に駆けつけたのです。前回とは違う変身フォーム(しかし途中の微妙なメイクは変わらず)でブラックジャガーに変身し、地虫を蹴散らす豹馬。と、積み荷がモチナシ草と知った彼は金儲けのチャンスを目を輝かせますが、二人が人助けのために働いていると知り、つまらんと去っていくのでした。ちゃっかり今回のことは貸しにしておくと言い残して。

 さて、ようやく里見城下まであとわずかまで来たところで、再び現れた謎の岩。あからさまに周囲から浮いたその姿を怪しむ三吉の前で現れたその正体は――マントル一族の秘密兵器・亀甲車、いわば装甲車であります。そのデザインは亀というよりネズミとアルマジロとカタツムリを足してどうにかしたような不思議な外観ですが、しかし突き出した砲台から次々と放たれる爆裂弾は、この時代特有の本気の爆発連打で馬車を追い詰めます。
 そこに三度駆けつけたのは獅子丸! 二人をかばった獅子丸は、放たれた爆裂弾を拾い上げると爆発前に投げつけ、亀甲車を沈黙させると、残るドカゲと地虫に対し、ライオン丸に変身して立ち向かいます。

 しかし何故かドカゲが額につけている鏡に、殺気マンマンのライオン丸の顔が映る演出はいいのですがドカゲの実力はいまいち。剣を跳ね飛ばされ、ライオン丸が拾えと言っている隙に、左腕につけていた鈍器状の装甲を取り外して投げつけるのですが……爆弾となっている先端も効かず、下の部分を輪投げの要領で投げてライオン丸の刀を封じようとしても投げ返され……ライオン風返しで爆破されるのでした。
 そして志乃と三吉は無事に里見城下に到着し、獅子丸は二人と別れ、相変わらずの硬い表情で再びマントルを探す旅に――


 本作の特徴であるウェスタン風味が全面に押し出された今回、馬車という時代劇では実は珍しい乗り物を使ったチェイスというのはなかなか面白いアイディアだと思います(豹馬のキャラが出ているのも楽しい)
 ただ、志乃は基本的に猪突猛進(迂回路は使いましたが……)なので攻防戦としての楽しさに乏しかったのがちと残念。タイトルに登場する亀甲車も、もう少しケレン味を持たせればいいのに……とは思います。


今回のマントル怪人
ドカゲ

 モチナシ草を狙って志乃と三吉を追うトカゲの怪人。片腕を覆う防具は取り外し可能で、先端は爆弾になっている。亀甲車と連携して二人を襲うがライオン丸に一蹴される。長い尻尾を持つが特に意味はなかった。


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2017.01.20

『風雲ライオン丸』 第2話「荒野を走る黒豹」

 バラチの卑劣な罠にはまった獅子丸を助ける謎の青年剣士・黒影豹馬。一方、父の友人であったという百草寺の住職を訪ねる志乃と三吉だが、バラチは住職が対マントル一族のために蓄えていた軍資金を狙っていた。捕らえられ、窮地に陥った三人のもとに、豹馬が、獅子丸が駆けつける。

 冒頭、川辺で馬に水を飲ませながら自分は鶏もも肉にかぶりつく謎の深編笠。そこに現れた三人の破落戸は、大胆に深編笠の馬を奪おうとするのですが……散々挑発してきた相手を一瞬のうちに倒したその素顔は、総髪白面の青年でありました。

 一方、厳しい表情で旅を続ける獅子丸は、路傍に転がされたバラの花が突き刺さった死体に顔色一つ変えることなく、マントル一族の存在を感じ取ります。そしてその前に現れたのは、バラ+イタチという意表をついたモチーフの怪人・バラチ……いかにも強者めいた口調ですが、獅子丸にライフルをつきつけ、「飛び道具には敵うまい」とそのまま射殺しようとするかなりの卑怯者であります。
 しかし獅子丸はそのバラの花を打ち出す攻撃をマントで受け止め、バラチと対決するのですが……しかしどこまでも卑怯なのか、崖の上に地虫忍者を伏せていたバラチ。上から転がす岩に撹乱され、腕に矢を受けた獅子丸は、それでもライオン丸に変身、今度こそバラチと対決……と思ったらまだ上には伏兵が!

 ここまで来るとむしろ獅子丸が迂闊すぎる気もしますが、しかし彼が気づかぬ間に、地虫は導火線式のバズーカというとんでもない火器で彼に狙いを……と思いきや、その邪魔をしたのは先ほどの青年剣士。地虫を一掃され、形勢不利と見たかバラチが去った後、剣士は黒影豹馬と名乗り、獅子丸の腕が治ったら決闘しようと一方的に語って去るのでした。
 そして一人旅を続ける獅子丸は志乃と三吉に再会。行方不明の父の知り合いだという百草寺の住職を訪ねるという二人と野宿する獅子丸ですが、翌朝早くには別れも告げず、さっさと近くにあるマントル一族の陣地を求めて去ってしまいます。
(ここで志乃がギターっぽい楽器をかき鳴らしながら歌う「志乃の数え唄」が結構イイ)

 さて、百草寺を尋ねた二人ですが、住職は父の行方は知らないとのこと。一方、獅子丸に興味を示した住職は、マントル一族の脅威から人類を守るためには彼のような人間を集めて軍団を作ることが必要と、仏門の人間とは思えぬ発言をいたします。しかもそのための軍資金まで溜め込んでいるというのですが……そこに現れたのはバラチ。
 慌ててすっとぼける住職ですが、バラチの目的はその軍資金。住職を捕らえて鐘の中に立たせ、そのまま鐘をゴンゴン突くという、絵的には間が抜けているものの実際にやられたらかなりキツそうな拷問で痛めつけます。それには毅然と耐えた住職ですが、三吉が鞭打たれ、さらに志乃までも……となっては堪えられず、軍資金の場所に案内することを誓うのでした(ここで住職が見せる打ちひしがれた眼差しがイイというかイヤというか)。

 そしてついに掘り出されてしまった軍資金の櫃ですが……そこに突如踊り込んできたのは豹馬。抜いた刀をブンブンと回転させるポーズから微妙なメイクを経て、その名の通りのブラックジャガーに変身! さらに地虫を痛めつけてバラチの行き先を聞き出した獅子丸も駆けつけてロケット変身、ライオン&ジャガーとバラチ一味の決戦が始まります。
 自分の体を巨大な火の玉に変えて体当たりする火炎変化を繰り出すバラチ。しかし大してダメージを受けないライオン丸は、(今回もちょっと微妙な吊りの)空中戦の末、バラチを斬って落とすのですが……バラチが落ちたのは軍資金の櫃の上であります。あ、もしかして……とこちらの嫌な予感は当たり、そのままライオン風返しでバラチを爆破する獅子丸。その後軍資金のことは全く話が出なかったことを思うと――

 そして戦い終わり、獅子丸との決闘を望む豹馬。遊びじゃないと言われて真剣だ! と刀を抜くのはギャグかと思いましたが、相手にせず、馬に飛び乗ると去っていく獅子丸。そして志乃も、こんな連中と関わっていると命がいくつあっても足りないと言って別に去り、どこまでもドライな幕切れであります。


 ブラックジャガーの初登場以上に、バラチの卑怯っぷりが印象に残った今回。もう一つ印象に残ったのは、モブかと思いきや結構大きなことを考えていた(しかしその後活かされることはなかった)住職ですが……その後語られる志乃たちの父の素性を考えれば、なかなかドラマが感じられます。


今回のマントル怪人
バラチ

 バラを打ち出す銃と、斧に変化する槍を武器とする怪人。自らを巨大な火の玉に変えるバラチ火炎変化も使う。百草寺の住職が蓄えた軍資金を狙うが、獅子丸にあっさり倒される。大物めいた口調だがやることは卑怯。


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 『風雲ライオン丸』 第1話「飛び出せ弾丸変身!」

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2017.01.13

『風雲ライオン丸』 第1話「飛び出せ弾丸変身!」

 マントル一族の日本侵略が始まった。村祭りを襲撃する怪人ネズマと地虫忍者たちに立ち向かう弾影之進と仲間たちだが、歯が立たず全滅。兄の末期の言葉に戦いを決意した影之進の弟・獅子丸は、ネズマたちに襲われた旅の姉弟、志乃と三吉を守りつつ、ネズマに戦いを挑む。

 特撮時代劇全話紹介シリーズ、今回からはハードな作風が語り草となった『風雲ライオン丸』であります。

 その冒頭に登場するのは、兄・影之進と激しい武術の鍛錬を行う青年・弾獅子丸。演じるは前作『快傑ライオン丸』で獅子丸を演じた潮哲也氏ですが、本作では別人の設定。しかしその甘いマスクに浮かぶ明るい笑みは、同じものを感じさせますが……この先、彼は笑顔を忘れるほどの苛烈な運命を歩むこととなります。

 西日本の地底深く潜み、直径1,000m(!)という巨大な顔を持つ謎の存在・マントルゴッドに率いられるマントル一族。その彼らが日本全土を手中に収めるべく活動を開始したのであります。その東部戦線の指揮官となるのは、万能車両・六能陣車に乗った異形の男・アグダー。そして尖兵となるのは、マントル怪人近衛師団十三人衆(その後使われない設定)の一人・ネズマ――

 大仏の前で村祭りを楽しむ人々の前で突如ひび割れ、崩れていく大仏の内部から現れ、手当たり次第に人々に襲いかかっていくネズマと戦闘員の地虫忍者たち。異変を予見して集合していた影之進と仲間たちも敵の前に歯が立たず、仲間たちに逃された影之進を除き全滅し、影之進は、最期の力で獅子丸にマントル一族の侵略の開始を告げるのでした。
 虐殺の現場に向かい、その場に残っていた地虫忍者を手裏剣の連打で皆殺しにする獅子丸。しかしネズマの姿はそこにはなく――

 と、その頃ネズマたちが襲っていたのは、幌馬車で旅する志乃と三吉の姉弟であります。仕掛け一つで両輪から何本もの槍が飛び出す剣呑な馬車で地虫忍者を蹴散らしていこうとする二人ですが、しかしネズマの鞭に車輪を取られ、馬車は横転。絶体絶命のピンチに登場したのはもちろん獅子丸であります。
 が、彼とても二人を守って多勢と戦うのは容易ではなく、近くにあった小屋に避難、夜を明かすのでした(ここで色々と話しかけてくる志乃に、ぶっきらぼうな態度で接する獅子丸が、「本作の獅子丸」としての個性を出していて印象的)。

 夜のうちに小屋に仕掛けておいた罠にネズマが引っかかっている間に先を急ぐ三人。しかし復仇に燃えるネズマたちが追いつき、ついに絶体絶命となったその時――獅子丸は背中に隠していたロケットに点火、忍法ロケット変身の炎とともに天空高く舞い上がり、戻ってきたその姿は兜を被った黄金の(?)獅子、風雲ライオン丸!
 地虫忍者を蹴散らしたライオン丸はネズマと対決、一度はネズマの放った四頭の鎌によって地面に縫い止められ窮地に陥るも、奪ったネズマの鞭でネズマを捕らえ形勢逆転。降伏は死に値すると拒んだネズマと最後の対決に望みます。

 宙高く舞い上がっての剣戟の末、ネズマを斬ったライオン丸。その彼に、マントル一族とは何者か、誰に率いられているか問われたのにも答えず、マントルゴッドの名を讃えて(えっ)倒れるネズマに、ライオン丸はライオン風返しで止めを刺すのでした。
 そして志乃や三吉たちの声を背に、一人獅子丸は戦いの旅路へ――


 というわけで、マントル一族の登場と、それに孤独な戦いを挑む獅子丸の姿に焦点を絞ったこの第一話。そのためか、ネズマの行動が侵略の尖兵らしからぬ小規模なものだったり、影之進たちが結局何者かわからなかったり(どこかの家中に仕える侍たちのようでしたが)、何よりも獅子丸がロケット変身できる理由もわからず……と、正直なところ唐突な印象は残ります。
 しかし最後の点は、その辺りを伏せておいたがためにクライマックスでの変身→逆転が実に印象的なものとなり、その変身ヒーロー史上に残るであろう変身シーンのインパクトも含め、ヒーローものの第一話としてはなかなかの滑り出しではないでしょうか。

 ネズマとの地に転がり、宙を舞うバトルも、なかなかの見応えでありました(ちょっとクレーンによる吊りチャンバラは不安定感が強かったですが……)


今回のマントル怪人
ネズマ

 マントル一族の東部戦線侵略の一番手となったマントル怪人近衛師団十三人衆の一人。平刃の槍と革鞭、四頭の鎌を武器とし、鎌からは火の玉も放つ。地虫忍者とともに村祭りの人々や影之進たちを殺害したが、ライオン丸との死闘の末に倒される。


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