2006.03.22

今週の「Y十M」と「夫婦表具師事件帖」

 今週の「Y十M」、三週連続掲載の三週目にしてようやく十兵衛先生が登場。不敵にも般若党の一人に化けて紛れ込むという思い切った手段に出た十兵衛ですが、さすがに五本槍、見ン事変装を見破って…と言いたいところですが、紛れ込まれる時点で既にいかがなものかと。
 ちなみに十兵衛が化けたのは鷲之巣廉助。気絶させられた挙げ句十兵衛に背負われていたという激しい醜態を晒した廉助さんですが、しかし何故彼がこんな目に遭わされたかと言えば、体型に関する消去法なわけで、これはちょっと不運と言えば不運な話かもしれません。
 異様にスリムな一眼房とかいたら一発でばれるからなあ…

 と、正体が暴かれた十兵衛に襲いかかる五本槍。さすがに十兵衛先生でも分が悪い戦いですが、面を割られつつも見事に凌ぎきり、かつきっちりとお返しをしながらも無事逃走。もっとも、五本槍側のプライドには大ダメージを与えたものの、本来の目的であろう敵の本拠に潜入するという目的は果たせず、痛み分けといえば痛み分けでしょうか。
 しかし、十兵衛がここで隻眼であることを悟らせなかったことが意外な展開につながっていくわけですが…それは来月のお楽しみということで。

 それにしても、疾走しながらの一瞬の攻防というものをきっちりと見せてくれて満足でしたよ。


 さて、またもや「Y十M」だけでは寂しいのでもう一本、最近雑誌に掲載された時代コミックを紹介。小学館の時代歴史コミック誌「ビッグコミック1(ONE)」の最新号に、高瀬理恵先生の「夫婦表具師事件帖」という作品が掲載されています。高瀬先生で表具師で夫婦といえば、ファンであればすぐにピンと来るのではないでしょうか。そう、「公家侍秘録」に登場する斎之介とお千香さんの表具師カップルを主人公に据えた物語です。

 二人と同じ長屋に住む地味な女性が、悪い男に唆されてお千香さんの名を騙って扇絵を描き、評判を集めるも…というストーリーで、「公家侍秘録」でもしばしば登場する(というより大半を占める)美術品テーマではありますが、庶民の立場から物語を描いたという点で、この夫婦を主人公とする意味があると言えます。
 何よりも心に響くのはこの薄倖の女性のキャラクター描写で、人間ならば程度の差こそあれ誰もが持つ「もっと愛されたい」「何であの人ばかり…」という感情から道を踏み外しかける姿は、非常にリアリティがありますし、一種共感を呼ぶものがあったと言えます。
 そしてまた、彼女を止めるのが、今は幸せそのものに見えても、かつては姫君の身から苦界に身を沈めることとなり、世の辛酸を舐めたお千香であるところがまた、実にグッとくるところで…どうも泣かせに弱い私としては、まんまと涙目にさせられてしまったことです。

 それにしても斎之介、「公家侍秘録」では準レギュラーキャラとしてしばしば登場していますが、この短編で夫婦ともども一本立ち。元々、(私の記憶では)本編の主人公・天野守武も「首斬り門人帳」のゲストキャラクターが初出で、いわば「公家侍秘録」はスピンオフして生まれた作品。ここでスピンオフのそのまたスピンオフという形で新しい作品が生まれたのも、何とも面白いことです。
 気が早いですが、そのまたまたスピンオフが生まれるくらい、この作品もシリーズ化して続いてくれればと思う次第です。

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2006.03.15

今週の「Y十M」と今月の「武蔵伝」

 3週連続掲載の第2週目。
 囚われの身となり肉の地獄に引き込まれた男に声を上げさせる般若面の女の真意は、その声をカムフラージュとしてこの場がどこか男に教え、外部に知らしめんとするものでありました。文字通り体を張った策でありましたが、そこに――

 床下から司馬一眼房。

 これは、およそ床下から出てきたら一二を争うくらいイヤな奴だと思うが、どうか。

 それはさておき、哀れ男もろとも真の地獄に落とされた般若面の女。ああ、この世には神も仏もないものか? いや、神も仏もいなくても、柳生十兵衛はいると信じたいところですが、その十兵衛先生は何処へ?
 そしてまた今夜も凶賊の贄にされんとする新婚の男女が。男の方は、怪力の廉助をもってしても手こずる巨躯とのことですが――さて。あれ、半裸にされて転がされてるのは誰?


 と、週刊連載の漫画の感想ばかり書くのも気が引けるので、も一つおまけといっては失礼ながら、今月の「武蔵伝」の感想をば。
 最近「コミック乱ツインズ」を買っていないので(読んではいるのですが)、感想は単行本2巻が出るまで、と思っていましたが、いや最近の「武蔵伝」の展開は実に面白い。

 死んだはずの佐々木小次郎が登場したと思えば、武蔵たちを江戸に呼び寄せた天海こそが実は――という展開に驚くまもなく、実は今まで登場した全ての武蔵が偽物だったというどんでん返し。偽物がいれば当然本物も…というわけで、登場しましたは、その身にまとった妖気という点で、山田風太郎の「魔界転生」(石川賢の「魔界転生」とはちょっと違う気がス)を彷彿とさせる真の武蔵!

 というのが前回までの展開だったのですが、今月はさらに新免武蔵の口から驚くべき武蔵の真実が語られることに。詳しくは触れませんが、なるほど、武蔵ほどのプライドの高さであればこうするであろうという、一種のトリックには唸らされました。
 そして更にその武蔵のプライドの高さが、意外な逆転の狼煙となる展開にもまた興奮。その一方で、石川漫画といえばやっぱり爆発と崩壊でしょ、と言わんばかりにどっさりと積み上げられた火薬に今まさに火が! というところで次回の展開にも超期待。

 正直、いつ終わってもおかしくない展開ではありますが、御大が魔界とか虚無などに頼らずとも(いや、もちろんそっち系も大好物ですが)、これだけ見事な伝奇ものを見せてくれるだけで私は満足ですよ。


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2006.03.08

今週の「Y十M」と第3巻

 久々の「Y十M 柳生忍法帖」、前回がアレなヒキだったのでどうなったかと思えば、元は優男が今は骨と皮だけになって吉田御殿の外に捨てられた哀れな花婿一人、という場面からスタート。果たして一体どんな目にあったかと思えば、それはもう見開きで何だかホラーな絵になってしまうような目にあったらしく、いや恐ろしいことです。
 そして現れる第二、第三の犠牲者。松平伊豆守や柳生宗矩の懸念をよそに、更にまた犠牲者が…というところで、またアレなシーンで今週はおしまい。というかあのハシラの文句はなんじゃ(ぶっちゃけ、ちゃんと意味はあるんですけどね)。

 また話はあまり進んでいませんが、今回をしっかり描いておかないとこの先の展開につながってこないので、まずは仕方のないことでしょう。にしても、考えれば考えるほど、わかりやすくもいやぁな陰謀ではありますな。
 そして今回初登場は松平伊豆守信綱。時代劇ではお馴染みのキャラクターですが、どうも怜悧な能吏の印象が強い人物だったので、もっと触れれば切れるようなビジュアルかと勝手に思っていましたが、見るからに食えない狸オヤジという感じで実によろしい。


 そしてまた、久々の本誌掲載と同時に単行本第三巻も発売。十兵衛先生の特訓から、凶賊般若組の跳梁開始まで…ということは前話まで掲載ということで、単行本を買った人がすぐ本誌を読んでも大丈夫という心配り。
 内容については、既に本誌掲載時に採り上げてきたので詳しくは触れませんが、やはり単行本では印刷が鮮明になっており、画の細かな陰影が綺麗に浮き彫りになっているのが実に有り難いところです。ナイトシーンの多い作品だけに嬉しいところでありますし――ここだけの話、特訓シーンの堀の乙女たちのボディラインが、実にその、何だ、美しく描かれているので(言葉選んだ)感心しましたよ。

 ちなみに帯の文句は「ご覚悟あそばせ、鬼畜ども」「天才剣士・柳生十兵衛に率いられた美女七人、超人的強さの悪鬼七人を惨死せしめんとす!!」という、何というか陳腐ギリギリ寸止めの味わいですが、これはこれでなかなか面白いと思いました。
 バジの「愛する人よ、死に候え」のような、全編通しでビシッとはまるキャッチフレーズがないのはちょっと残念ですが(「因果応報奉らん」はかなり良かったんですけどね)、次の巻でどんな文句で来るか、という楽しみはありますね。

 あと、お鳥さんに目が行っていて単行本になってようやく気づきましたが、お笛の髪型が変わっていたのですね。こちらの方がずんとよろしい。


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2006.02.08

今週の「Y十M」 般若党跳梁

 花嫁行列を、新婚初夜の二人を襲う者たち。いずれも奇怪な術を操る彼らは、皆一様に般若面を付け、自らを般若組と名乗る。そして彼らに捕らわれた新郎の一人が目を覚ましたのはいずこかの屋敷。そして彼の前に妖しの影が…

 うわ、あらすじにしてみると相変わらずひどく分量少ないですが、今回は謎の(笑)般若組の一団が出現の巻。鞭を操る般若面、拳法を使う般若面、残忍に剣を振るう般若面、網のようなものを使う般若面、あと猿みたいな般若面と、彼ら般若組の跳梁がじっくりと描かれています。
 相変わらず掲載誌の紙質の関係で、ナイトシーンが読みにくいのは困ったものですが、弱い奴には滅法強い(´Д⊂五…いや般若組のアクションは、なかなかダイナミック。特に一番最初に登場した鞭使いの般若面のアクションはえらく豪快で、これが般若面をつけてなかったらかなり笑撃的なシーンだったと思います。
 って、呑気なこと考えてしまいましたが、冷静に考えたらこりゃ滅茶苦茶陰惨な展開ではないですか。笑ってる場合じゃないや。

 そしてラストは、金はあるけども力はなさそうな色男の前に、頭隠して…な、けっこう仮面みたいな般若面の登場したところでつづく。いや、青年誌の漫画みたいになってきましたなあ<青年誌だもの
 ちなみに今回までが、一ヶ月後に発売の第三巻に収録分とのこと。こんなところで単行本がヒキになるとは、うぬ、考えおったな。そして三月は何と隔週ではなく連続掲載とのことで、こりゃかなり出版社側も本腰入れてくれるようですね。

 と、今回お休みの十兵衛先生+堀の女たちは、表紙見開きにのみ登場。前回とはまた違ったタッチで、実に格好良い八人の姿が描かれています。今回もさくらの男前っぷりにクラクラしましたが(位置まで主役みたいです)、注目は、今まで穏やかな表情が多かったお品さんが、実にいい闘志に満ち満ちた顔を見せていること。こりゃこの先の活躍が楽しみですね。


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2006.01.24

今週の「Y十M」 邪悪の反撃開始!?

 堀の女たちと天樹院のつながりを探り出すも、般若侠の扶けにより孫兵衛までも討たれ、怒りと恐怖に震える明成と五本槍。しかし五本槍は明成に一つの献じる。五本槍が般若面をつけて、新婚の男女を攫い、女は明成の贄に、男は天樹院の竹橋御殿の門前に晒そうというのだ。それこそは、明成の獣欲を満たし、天樹院の評判を貶め、そして般若侠をおびき出そうという一挙三得の策だった――

 新章突入記念…というわけでもないでしょうが、異常に格好良い見開きタイトルページ。十兵衛と堀の女たちの顔が並べられているのですが、そのレイアウトと皆の表情が実に素晴らしい。特にさくらの男前っぷりがもの凄くて素敵です。

 さて本編は、ほとんどが会話シーン。さりげに談合好きっぽい七本槍
マイナス2が対般若侠対策の悪計を巡らせますが…その中で一人負け犬オーラをこれ以上ないほどに放つ丈之進が情けないを通り越して哀れ。尻尾があったら絶対丸めています。
 その一方で明成は、堀主水らの亡霊に迫られる悪夢を見て側女の一人を斬殺。相変わらず夢見と寝起きが悪い人だなあ<そんな呑気な

 そして明かされる五本槍の策ですが――天樹院様が吉田御殿で、それこそ加藤明成の女版みたいなご乱行を働いたというのは有名な俗説、これはそれをベースにした非常に陰険な策であります。
 これまでは狩られる側だった七本槍がようやく反撃に転じ、めまぐるしいアタック&カウンターアタックの攻防戦が次号以降描かれることでしょう。はっきり言ってこれからが前半の山場、いよいよもって先が楽しみになってきました。
 先と言えば3巻は3月6日に早くも発売。こちらも楽しみであります。

 …そしてさりげなく、「水の墓場」の存在が描かれているのがナイス。

 ところで最終ページのハシラ、明成が精神に異常をきたしたって…あの人あれが普通ですよ。本当の異常ってのはもっとこう…と、それはともかく、これからアレな展開が多いので、予防線張っているのではあるまいな、編集の人。


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2006.01.11

今週の「Y十M」 先生、頑張りすぎです

 途中まで渡った槍の橋を斬られるも、十兵衛のフォローで宙に舞い、孫兵衛を斬ることに成功したお鳥。丈之進の犬・天丸の攻撃を躱した十兵衛は、あくまでも堀の女たちに一人一人七本槍を討たせるために、丈之進をあえて見逃すのだった。加藤屋敷に戻った丈之進は腹いせに孫兵衛らの死体を運んだ駕籠かきたちを斬ろうとするが、そこに般若侠から孫兵衛の槍が投ぜられる。その柄には「蛇の目は五つ」と書かれた紙が巻かれていたのだった。

 新年第一回なのですが、いきなり十兵衛先生それはないでしょうな展開。いや、丈之進を見逃したことではなく、お鳥さんの名場面を奪ってしまったこと。
 原作では、宙に舞ったお鳥さんが「おまえは、おまえのいのちを斬った!」と言葉のリズムの心地よいいかにも山風調の名台詞と共に孫兵衛をばらりずんと斬るのですが、こちらでは十兵衛がその台詞を言ってしまうのが何とも興ざめ(しかも「槍」と書いて「いのち」とルビをふっているので、一瞬「お前はお前の槍を自ら斬った」と当たり前の台詞に書き換えられたかと驚きましたよ)。

 …と、ちょっとエキサイトしたのですが、冷静に読み返してみると、原作を知らない人の目で見れば、十兵衛のフォローは小技が利いていて面白いし、説得力も原作よりもこっちの方が上かなあ、とも思わないでもなく。

 それはさておき、必死に堀をガリガリする天丸は、丈之進の心情と重なるようでなかなか良い演出だったと素直に思いました。

 次号から新章に突入、やられっぱなしだった七本槍もえげつない反撃にでるわけですが…いよいよ青年誌の本領発揮か!?


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2005.12.13

今週の「Y十M」 命の長槍 朱柄の橋

 今週の「Y十M」は、十兵衛・お鳥vs平賀孫兵衛・具足丈之進の変則タッグマッチ(?)。一人でも厄介な七本槍だというのに、もう一人・孫兵衛が登場、しかも孫兵衛は以前般若侠に軽くあしらわれたことを根に持っている、いわば因縁の再戦といったところであります。

 それにしても…長いですね、孫兵衛の朱柄の長槍。原作によれば孫兵衛の槍の長さは三間。一間が約約1.818メートルですから、その三倍で約5.45メートルということになります。
 これは長柄と呼ばれて実際に戦場で使われていた槍の長さであって、孫兵衛の槍が特別に長すぎるというわけではありませんが、このタイプの槍は通常、戦場で一面に並べていわゆる槍衾を作って使用するもの。孫兵衛のようにブンブン振り回し、ましてや東慶寺で見せたように何人もの犠牲者を串刺しにして宙に放るなどと言うのはまさしく魔人の業としか言いようがありません。

 それはさておき、伸ばした槍の穂先が堀を挟んだ向こうの塀を擦りながら般若侠に向かって疾走するという、馬鹿馬鹿しいくらい格好良いアクションで迫る孫兵衛ですが、般若侠相手にいたぶりにかかるという致命的な失策を犯したのがケチのつきはじめ。丈之進の犬・地丸との連係攻撃で駕籠の一つを貫いたのもつかの間、般若侠の膝に槍を押さえつけられ、動きを封じ込められてしまいます。
 そしてそこでお鳥さんの出番、これも特訓の一つ、竹の橋渡りの成果を生かして槍の上を駆け抜け(この時、走りざまに十兵衛が差し出した刀を抜いていく描写が見事!)、素晴らしく気合いの入った表情で孫兵衛に肉薄しますが…
 孫兵衛は己の槍を途中で切り落とすという意外の挙に出たところで以下次号。

 実はこの後、お鳥さんの口から素晴らしく格好良い名言が飛び出すので、今週そこまで読めるかな、と期待しましたが、お楽しみはもう少し先まで取っておきましょう。
 って、次回は年明け!? 長い、先は長すぎるよ…


 ちなみに今回、孫兵衛の槍術描写を再チェックするために単行本第1巻を読み返したんですが、第4話で千姫様が七本槍の秘術について語るシーンでの一眼房のポーズがかなり笑撃的なのに気づいて一人爆笑しました。これからの一眼房の一挙手一投足に釘付けになりそうです。

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2005.11.30

今週の「Y十M」 見よ、秘技まんじ飛び!

 今回の「Y十M」は、前回・前々回のまったりムードからがらりと変わってのアクションまたアクションの追撃戦。竹橋御門からの帰りに具足丈之進の犬の存在に気づいた十兵衛。お鳥と共に駕籠で帰路を急ぎますが、まっすぐに帰れば当然掘の女たちの居所も知られてしまう。駕籠に揺られながらとはいえ、十兵衛の投じた小柄をかわすという妙技(?)を見せる丈之進の犬を相手に、さてどうする十兵衛&お鳥…といったところで出ました、秘技・まんじ飛び!

 どのような描かれるのか気になっていたまんじ飛びですが、このアングルからきたか、と思わされる意外ながらもスピード感ある描写で満足しました。
 しかしお鳥さん、いつにもましてふくよかに描かれていたような気がしましたが、卍飛びの凄さを見せるため…だったらどうしよう<大変失礼な言いようです。

 そして入れ替わった駕籠の中で、ほとんど変身ヒーローばりに般若侠に成り変わった十兵衛先生、そのまま間髪入れずに襲いかかった猛犬相手に「ブラックエンジェルス」の松田さんばりのバイオレンスファイトで激勝(何、唐突な喩えでわからない? いんだよ、細けぇ事は)。そこに駆けつける具足丈之進と残り二匹の犬、さらには槍の平賀孫兵衛までが登場です。おお、何だか孫兵衛が格好良い。

 と、変なテンションで書いてしまいましたが、それだけ今回はアクションが多く満足度高し。基本的に原作に忠実に描きながら、細部で小技を効かせてきて原作と互角以上に面白くしてしまうせがわマジックを堪能できた今回でありました。
 次回もアクション多くなりそうなので期待大。

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2005.11.15

今週の「Y十M」 十兵衛先生大人気?

 今回は前回に引き続き、十兵衛先生の授業風景Part2。前回とは別のベクトルで、堀の女たち(ところで何かいい呼び名ないものかな。敵側には「会津七本槍」というひとくくりの呼び名があるのに、「堀の女たち」というのは何か失礼な気がします)の「女性らしさ」「女の子らしさ」が描かれていて、相変わらずの展開の遅さも、あっさりと許せる気になります。

 いや、本当にお笛とお鳥があれほど可愛らしく描かれるとは正直思いませんでした。素晴らしい。パチパチパチ。
 原作で唯一不満だった、堀の女たちの描き分けも、この「Y十M」では心配無用のようです。せがわ先生画による上泉伊勢守という有り難いものも見ることができましたし、満足です。

 …というか、今回の蜂のエピソード、あまりにベタな展開に、「何この萌え漫画展開」と思う方もいらっしゃるかと思いますが、何十年も前に書かれた原作からしてそうなんですから山風先生恐るべし、であります。
 などと馬鹿な読者が浮かれている一方で、事態は密かに動き、会津七本槍の魔手が千姫さまのもとに…? というところで以下次号(原作よりも少しは頭が良いみたいです、会津七本槍)。


 …しかしつくづく見るに司馬一眼房のビジュアルは凄まじすぎる。「悪のオバQ」という形容がこれほど似合うキャラクターがこれまであったでありましょうか。
 そして、「柳生忍法帖」がドマイナーで漫画化など夢のまた夢という時期に、アイテムとして「一眼房の鞭」なぞというものを出していた「東京魔人學園剣風帖」はガチ。

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2005.11.01

今週の「Y十M」 良くも悪くも…

 新章突入ということでセンターカラーの今回ですが、ある意味、良くも悪くもこの作品というものがくっきりと表れた回となりました。
 今回描かれるのは、十兵衛先生による堀の女の特訓コース。いつものようにどこか飄々としつつも、いつもよりも幾分――場面によっては相当に――厳しい表情を見せる十兵衛先生、か弱くも美しい七人の女性を前に、全く手加減なしの訓練を課しています。…それも、相手を倒すためでなく、相手から逃げるための特訓を。
 当然のことながら激しく反発する女たち、それに対して十兵衛先生が謎の言葉を口にしたところで以下次号。

 …うーん、話が進まない。以前から話が進まないのに無駄にハラハラしていましたが、今回もハラハラしてしまいました。話がとっちらかったり、横道に逸れているわけでもないのに話が進まないのは、一にも二にも、これでもか、と言わんばかりに丁寧に丁寧に描写が積み重ねられているからであって…別に悪いことではないのがかえって困ってしまうところ。
 必ずしも原作に100%忠実に描いているわけではないにもかかわらず、絵から受ける印象は原作から受けるそれそのまま、時として原作以上に原作らしいのでは、とすら感じさせられるせがわ先生の絵の魔力が、人物や物事の動静を的確に描ききるその描写力から来ているのは間違いないことであり、いつもながら感心させられることなのですが、連載漫画の一回として切り取って見たとき面白いかと言えば、それはまた別の話では…と失礼ながら思ってしまったのでした。


 と、偉そうに書いたすぐ後にこんなことを書くのは何なのですが、今回最初っから最後まで画面所狭しと飛び回る堀の女たちの姿が実に美しく…というかぶっちゃけ素敵に艶めかしいのにはつくづく感心してしまいました。
 肌の露出はほとんど全くないにもかかわらずあれだけアレなのは、「黒い襦袢に黒いたっつけ袴」という原作の表現をこれほどナニに昇華してみせたのは、これはもう一種の忍法と言っていいんじゃないでしょうか。しかもとどめとばかりに水濡れまで!
 これでこの後の蜂のシーンまで今回分に含まれていたら、大変なことになっていたと思うのでやっぱり今回はこのくらいの切り方でよかったのやも知れず。

 やはりせがわ先生は素晴らしい、丁寧な丁寧な描写万歳! と台無しなことを書いてこの稿おしまい。

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2005.10.13

復讐のカウントダウン開始! 今週の「Y十M」

 第一部完、という印象のある今回、話自体の動きは、前回同様比較的おとなしめではあったのですが、十兵衛の迫力が垣間見れたのと、そしてついにあの名フレーズ「蛇の目は…」が登場、なかなか満足度の高い回でありました。

 庄司甚右衛門絡みのエピソードは、前回の感想でも書いたように、さっさとすましてしまった方がよかったのではと思いますが、甚右衛門を脅しつける時の視線(=表情)の素晴らしさといったら…!
 原作以上に飄々としたイメージの強い「Y十M」の十兵衛先生ですが、ここでギラリとしたものを見せつけてくれたのはナイスアレンジ(原作ではこの部分の台詞、むしろ「んふ」とかやりながら言ってそうな描写なので)かと思います。

 その後はほとんど猟奇殺人の「髯を生やした京人形」。七本槍…いや六本槍の台詞がちょっとくどい印象はありましたが、その後の虹七郎が見開きでかましてくれた豪快剣技のインパクトの前には、そんな不満も雲散霧消、忍者とはまた異なる剣法者のアクションを見せてもらった、という印象で感心しました。
 そして――もちろんラストは見開きで「蛇の目は六つ」! 復讐のカウントダウンの始まりであります。やっぱり何度見てもこのフレーズは胸躍ります。

 そして次回はカラー付きで新章突入、来月には単行本1,2巻同時発売と、いい具合に弾みがつきそうかな。


 …しかし「むこうさか」はやっぱり誤植じゃないかなあ。少なくとも私にとっては初耳ですし、高坂弾正の子孫という説があるのだから、やっぱり「こうさか」かと思います(ちなみに向坂甚内は「神州纐纈城」の高坂甚太郎のその後の姿)。

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2005.09.29

ちょっと小休止? 今週の「Y十M」

 先週一気に動きのあった「Y十M」ですが、今週はまたちょっとおとなしめ…というか小休止の印象。大道寺鉄斎戦の後始末その1、という印象で、十兵衛が一計を案じて庄司甚右衛門を脅かすところまでが描かれています。
 この庄司甚右衛門絡みのエピソードは、いかにも時代劇時代劇している部分なので、さらっと流してしまった方がいいような気がするのですが…
 が、それはさておき、甚右衛門を脅かすために幽霊の扮装をした元・京人形の皆さんが、なんというかエ…あ、いや、体の曲線が艶めかしくてGJ。
 そうそう、全般的に原作に忠実な描写の今回でしたが、鉄斎の体に刺さった七本の刀を十兵衛が抜くシーンは、原作では刀の方を抜いているような描写でしたが、こちらではむしろ鉄斎の体を引き抜くという印象で、悪党に対する容赦のなさがダイレクトに伝わってきてこれもGJでありました。

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2005.09.17

七対六 今週の「Y十M」

 さて、今週の「Y十M」は、会話シーンばかりだった前回からうって変わってアクションのつるべ打ち。
 …の前に、突然さくらが着物を! 着物を! と、新感線「吉原御免状」を見に行った時に私の隣に座っていた、女性キャラが諸肌見せる度にばっとオペラグラスを目に当てていた人みたいなリアクション(失礼な上によくわからない表現)になってしまいましたが、これがなんと、さくらがどうやって吉原を抜けてきたか、そしてなぜ原作でのお千絵の役回りをさくらが果たしたか、という両方の疑問の解決であり、更にお沙和のキャラ立てともなっていたという離れ業につながっていったのには驚きました。
 …それはさておき、ここからが本題。

 ついに、会津七本槍初の犠牲者が! くさり鎌じじい、大道寺鉄斎死す。
 十兵衛先生考案&仕込みの二段重ねのくさり鎌封じの秘策の前に、分銅も、鎌も奪われた鉄斎は、復讐に燃える七本の刃の前に壮絶死という結末になりました。
 一見、あまりにもあっさりした最期のようですが、原作でもこの辺りは「二、三分しかたってはいなかったろう」という、短期決戦の一発勝負。敵の特技を逆手にとって攻撃を封じ、大逆転という頭脳プレーの快感が今回はあります。

 ただ、ちょっと残念だったのは、鎌が何にささったのか、一見わかりにくかったこと。もう少し大コマ取っても良かったように思いますが、まああれをあんまり大きく描かれるのも何なので、それはいいのかな。
 …今頃気づきましたが、せがわ先生の漫画は、ナイトシーンの場合、紙質が悪いと皆川亮二先生並みに何を描いているかわからなくなりますね。この辺りは単行本に期待でしょうか。


 ちなみにこの号のヤングマガジンには、せがわ先生と映画版「甲賀忍法帖」たる「SHINOBI」のコンセプトデザインを担当した山田章博先生の対談の一部が掲載されておりました。デザインの話だけでなく、「SHINOBI」作中のキャラクター設定の話などもあり、なかなか興味深い内容となっています。やっぱりコンセプト画集も買うかなあ。

 …しかし、山田先生のデザイン画の時点では、弦之介に無精髭はなかったのね、やっぱり。

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2005.08.30

縁の下にも気を付けろ 今週の「Y十M」

 今週の「Y十M」は、むさいオヤジとぬらりひょんみたいなのと目つきの悪い大黒様が出ずっぱりという、ある意味壮絶な展開。原作には相当忠実な展開なんですけどね。

 前回の続きで京人形を買おうという孫兵衛&鉄斎。誰が公家の娘か当てたら値引きという、週刊誌の俗悪企画みたいなノリになって――出ました、日常生活で役に立たない知識という点では一、二を争う公家の娘の見分け方講座が。
 実にバカバカしいのですが、読者サービスにもなっている点には感心してしまいました。さすがは山風先生、考えることが違います。

 それにしても今回(も)目立つのは、七本槍のヘタレっぷり。良いところ(?)を見せたのは上記のシーンくらいで、あとは唐紙に書かれた暴露記事に焦り、庄司甚右衛門には足下を見られ、さらに縁の下の影に気づかず…いいところなし。
 この辺りは全く原作に忠実ではあるのですが、何だかあまりといえばあまりのヘタレ様に、むしろ気の毒になってきました。

 そういえば、縁の下に隠れていて「不浄の金、とはまさにこのこと」という名台詞を吐くのは、原作では確かお千絵でしたが、こちらではさくら。さくら、ちょっとフィーチャーされすぎではないかと逆に心配になりました。香炉銀四郎と因縁もありそうなのに…他の女たちももっと頑張れ。

 何はともあれ、今回は全般的に会話中心だったせいもあり、ちょっと地味な印象。その分、次回は思い切りはっちゃけて欲しいものです。

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2005.08.10

昏君の夢と剣侠の謀 今週の「Y十M」

 折角ケイトさんのところで紹介していただいたのに、そのケイトさんの記事を見るまで今週「Y十M」があったことを知らなかった私が来ましたよ(だってさー、隔週連載で一回休んだら、次は再来週とか思うじゃない? …思わない? ごめんなさい)。
 前号お休みしたせいか、ボリュームアップして感じられた今回。前半がオリジナル展開で後半が原作通りと言ったところでしょうか。

 オリジナル部分は、まず、十兵衛と堀の女たちの描写。ページ数にしてわずか数ページではありますが、特訓を重ねる間に、十兵衛と堀の女たちの間に信頼関係が生まれていることがわかります。そしても一つ、堀の女たちに少しずつ明るさが戻ってきたことも。
 それ以上にページが割かれているのは、なんと加藤明成の内面描写。女たちと戯れる中での白昼夢で、明成が既に亡き父・嘉明と対面し、自分の正当性を主張、さらに明成と芦名衆との出会いが描かれるという趣向です。
 明成というキャラクターは、実に様々な悪役が登場する山田風太郎作品においても少々珍しいくらい、いいところの無い、悪のための悪といった人物。原作では明成は自分の行動の正当性を全く疑わないキャラクターとして描かれていましたが、このように夢裡に父の姿を見るというのは、「Y十M」での明成は、より鬱屈したものを抱えたキャラクターとして描かれていくのかもしれません。
 また、原作ファンとしては、芦名衆との出会いのシーンが原作を補完するように描かれているのがなかなか嬉しいところです。
 しかし、あたかも玉座の如く山積みとなった女体の上に君臨する明成は、まさしく「淫虐の魔王」という表現がふさわしい。単なるアゴの人じゃないんですな。

 そして後半は吉原を舞台に、なにやら企む十兵衛の姿と「京人形」を買い入れに来た鉄斎らの姿が描かれます。
 なんと言ってもここで非常に印象的なのは、見開きでもンのすごい笑みを見せる十兵衛。企んでる…絶対何かすごい痛快なこと(そして悪人にとってはすごい悲惨なこと)企んでるよこの人! と思わせる、もう楽しくて仕方がないという笑みです。原作にはない描写ですが、いや、確かに「柳生忍法帖」の十兵衛は、こういう場面でこういう表情を見せる人でありましょう。
 も一つ印象的な表情を見せたのは、今回初登場の庄司甚右衛門。こちらはまた、あまりにも原作の描写通りの、好々爺然とした部分と、裏の世界の住人としての厭らしさを合わせ持った人物として描かれておりました。特にラストの表情は、(あまり眼にしたくない類のものですが)絶品であります。

 さて、今回はここまで。次回はいよいよ鉄斎&孫兵衛の京人形品定めが描かれるのでしょう。何というか、実世界であまりにも役に立ちそうのない知識を僕らに教えてくれたあのシーンがついに…楽しみというと問題かもしれませんが、さてどのように描かれることやら。

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2005.07.21

さくらがんばる! 今週の「Y十M」

 いや、さすがにこりゃイタタなタイトルだ。反省。
 さて、隔週連載もだいぶ(読者の側も)慣れてきた「Y十M」、今回は会津七本槍による般若侠の正体推理と、十兵衛先生による堀の女たちへのスパルタ教育スタート、といった趣。

 どちらの場面も、原作にほぼ同じシチュエーションがありますが、そのイメージを壊さないようにしながら、オリジナルの展開・描写を交えているのがミソ。
 会津七本槍のシーンでは、「猿」呼ばわりの小ネタで笑わせつつも、一転、七本槍の異常さを印象づける無惨絵のインパクトが鮮烈。
 一方、より独自の展開となっているのは十兵衛による堀の女たちの特訓シーン。このシーン、原作にはありません。より正確に言えば、この位置にはなく、もう少し後で描かれる場面なのですが、物語の展開とキャラ立てを考えると、ここで描いておく方がむしろ適切に思えます。

 この特訓、堀の女たちには真剣を持たせ、十兵衛自身は扇で相手をするというもの。怒る者、ためらう者ある中で、真っ先に十兵衛に挑んだのは、ボーイッシュな(ほとんどバジの夜叉丸)さくら。当然のことながら一撃で叩きのめされるわけですが、さくらのキャラクターを強く印象づけられたのではないかと思います。
 連載開始時にも書いたような気がしますが、原作のほぼ唯一と言っていい弱点が、堀の女たちの個性の薄さ。この「Y十M」では、その点を意識してか、意図的に七人のキャラクターを立てに来ているようです。素晴らしい。

 さて、今回までで
十兵衛 >>> 会津七本槍 >>>>>>> 堀の女七人
という強さ設定がはっきり見えたわけで、その上で、会津七本槍と堀の女たちとの間の不等号を如何に十兵衛が――自身で手を下さずに――逆転させるかというゲームのルールも見えました。
 おそらくはこれよりが本章、毎回毎回楽しみにしておりますが、新しい展開を見せるであろう次回がより一層楽しみであります。


 なお、講談社ノベルスより、せがわまさき先生の表紙イラストでこの「Y十M」の原作たる「柳生忍法帖」と、「バジリスク」の原作の「甲賀忍法帖」が復刊される旨、せがわ先生の公式サイトで告知されておりました。
 買う。当然買いますよ。特に「柳生忍法帖」。

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2005.07.04

竹と鎌 今週の「Y十M」

 今週の「Y十M」は、前回に引き続き快傑般若侠顔見せの巻。前回のvs平賀孫兵衛に引き続き、今回は大道寺鉄斎との対決(というか一方的にあしらったというか)。
 竹藪に入った般若侠を襲う鉄斎の鎖鎌の神技! …は同じなのですが、原作と大きく異なるのは、ここで鉄斎が見せた技。鎖で般若侠の周りの竹を束ねておいていわば巨大な竹籠を作り、その中に般若侠を捕らえておいて、そこに鎌が襲いかかるという大技であります。

 原作で見せる技も、もちろんなかなか格好良い技ではあるのですが、漫画で見せるのであれば、これくらいダイナミックな方が良いかもしれません。…もっとも、その一方で般若侠の脱出方法に無理がありすぎるように見えたのは痛いところ。
 また、原作ではわずか数ページの攻防に、隔週の漫画の一回を費やすのは贅沢すぎじゃないかな、という印象もありますが、こちらは七本槍のキャラ立てのため、まあ仕方ないのかもしれませんね。ただでさえ読者からは「あいつら雑魚じゃねえか」とか言われてますから(あと、鉄斎の場合はここで活躍しておかないと…)。

 何はともあれ、この「Y十M」の物語も、いわばここまでが序章。次回からは堀の女たちによる復讐の幕があがることになるわけで、さて、いかが相成りますか。

 …あ、この文章書いててなんで今回、竹籠が出てきたのかわかったような気がした。

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2005.06.21

あのフレーズが初お目見え-今週の「Y十M」

 二週に一度のお楽しみ、「Y十M」も第6回。
 前半は会津軍団の鬼畜エロぶりをアッピールしておいて、後半は般若侠vs七本槍のアクション。特にここ何回かがおとなしかった分、アクションシーンはページ数こそ多いというわけではないもののなかなか密度の濃い描写でした。
 平賀孫兵衛との空中での交錯は、もちろん原作でもあったシーンなのですが、漫画では両者の攻防がよりダイナミックに描かれていて好印象。いきなり般若侠の正体がバレバレになってましたが、まあこれはすぐわかることですからよろしい。

 しかし今回の見所はなんといっても、サブタイトルにもなっている「蛇ノ目は七つ」。この物語の一つのキーワードというか、「甲賀忍法帖」で言えば人別帖に当たるこのフレーズの初お目見え、どのように描かれるか期待していましたが、真っ正面からインパクトのある描写で描ききられていて満足いたしました。

 一方、こちらも初お目見えの花地獄ですが…人がいないと何というか普通の拷問部屋というか、ぶっちゃけ安っぽく見えてしまうのがちょっと残念ではあります(もっとも、ここで行われていることを真っ向から描かれたらこんな暢気な感想など書いているどころではなくなってしまうのですが)。

…ゲーッ、Y十Mでググるとせがわ先生のサイトの次がこのblogだった。

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2005.06.08

今週の「Y十M」

 隔週化二回目の「Y十M」、前回に引き続き今回も十兵衛と掘の女たちの対面編。原作でも印象的だったお笛のビンタから、十兵衛の冷酷とも(助平とも)取れる発言があって、いよいよ十兵衛がコーチに就任し、ラスト1ページで怪傑般若侠登場という流れでありました。
 正直、前回に続いて説明回なので、隔週化と相まって、いきなり物語のテンションが下がったような印象も正直ありますが(原作読んでいる人間でもこうなのだから、漫画で初めてこの作品に触れる読者は更にでしょうなあ)、お笛のキャラ立てが実に愉快で、楽しく読むことができました。

 お笛は元々原作でも掘の女たちの中では目立つキャラではありましたが、その特徴をより良い方向に伸ばして、更にキャラ立てしてみせるせがわ先生のセンスは相変わらず見事です。
 キャラの特徴と言えば、十兵衛が今のままだと何だか単なる助平兄貴にしか見えない気もしますが、これは十兵衛が単なる四角四面の聖人君子ではない、血の通ったキャラクターという描写の一環でしょう。十兵衛が色にだらしない人物では決してないことは、この先のあのシーンやこのシーンでしっかりと描かれるでしょうし、その時今の描写がよいコントラストとなるのだろうなあ…と期待しています。「んふっ」連発しすぎな気もしますけどね。

 ちなみに「腰の鈴」、恥ずかしながら原作読んだ時にはどういう原理だかわかっていませんでしたorz 今回の描写を見てようやくわかったよ…。
 っていうかさくらさん、「…できる…」って何ですか。

 そしていよいよ般若侠登場。次回では堀の女たちの復讐行を彩るあの名フレーズが登場するかな?

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2005.04.18

「Y十M 柳生忍法帖」連載開始

 せがわまさき先生&山風先生の第二作、待ちに待った「Y十M 柳生忍法帖」がついに今週号のヤングマガジン誌で連載開始の運びとなりました。
 私は、原作「柳生忍法帖」が、ありとあらゆる(伝奇)時代小説の中で一番好きと胸を張って言えるキチガイ人間なので、本当に本当にうれしくてしようがありません。「魔界転生」や「柳生十兵衛死す」に比べるとずいぶんマイナーな作品だったからなあ…
 もうすでに物語の展開はよく知っているにもかかわらず、今日は朝から晩まで何度も何度も、胸躍らせて読み返してしまいました。

 さていきなりネタばらしすると、しばらく主人公が登場しないこの作品。それまでの間、無辜の女性たちが悪逆非道の外道どもに惨殺されまくるという展開なので、このコミカライズではアレンジを加えてくるかな、と思いきや、少なくともこの第1話では真っ向から直球ストレート、実に憎々しげにビジュアライズされた会津七本槍がニヤニヤしながら暴れ回っておりました
 その一方で、原作では後半に登場する魔人・芦名銅伯の存在と天海との関係がほのめかされており、前作「バジリスク」で神がかったアレンジの冴えを見せたせがわ先生の手腕に、今回も期待がもてそうです。

 ちなみにこの漫画化で一番期待しているのは、原作のほとんど唯一の不満点である、堀の女たちの描き分けであったりします。いずれ劣らぬ七人の美女を、「美女」という言葉で済まさずにどれだけ描き分けてみせるか。
 もっとも、せがわ先生のオフィシャルサイトに、第1話の扉絵が掲載されていますが、その扉絵の左側(右側はもちろん七本槍)に描かれた堀の女たちのビジュアルを見るに、心配は無用のようです。
 もしこれで、沢庵七人坊主(仮名)まできっちり描き分けてきたら、一生せがわ先生を神と崇めますわ(大好きなんですよ、あのお坊さんたち)。

 トーンが粗めなのと、キャラの頭身がちょっと低めなのが気にならないでもないですが、これからの展開を、毎週心を躍らせて待つことができそうです。というか、次週が待ちきれないって!


 …ちなみに、鷲ノ巣廉助のビジュアルがどうみても劇団☆新感線の橋本じゅんさん、というか剣轟天にしか見えないのは私だけでっしゃろか。ああ、もうじゅんさんの声でしか台詞が読めない。

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